IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!
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学園へ
「ではSHRを始めます皆さん1年間宜しくお願いします」
教卓の前で眼鏡を掛けた童顔の女性が声を上げて、SHRを始めるが生徒である全員が無視をする。生徒の反応に女性は涙になってしまう。
「え~っと・・・では自己紹介をお願いします・・・」
そんな教室の中には本来居る筈のない一人の男がいた。長身の黒い髪の男、龍神 一夏だった。
「(なんか食いたいな~・・・)」
太平洋上 国際グルメ機構 IGONEO本部
「ふえ?俺がIS学園に?」
一夏は食事を取りながら龍人と話をしていると、唐突に龍人からIS学園へ行くようにと言われる。龍人は60度もある酒瓶を掴むと、そのまま一気飲みで酒を飲み干し、巨大な肉の塊を手にとって食らいつく。
「ああ、前にお前がISを纏った事あったろ?そん時に写真が解析されたみたいでな。お前はIGOにいるとバレた。それで安全の為を建前に学園に行けとさ」
「え~?いやだよ面倒臭い。んなとこ行ったら自由に食事出来なくなるじゃねぇか、っていうかIS学園って高校だろ?俺が高校生やるのは無理あるだろ常識的に考えて」
一夏は巨大な魚、鰐鮫の丸焼きにかぶりつく。骨ごと噛み砕いて身体の中へと納めていく。
「うんやっぱり鰐鮫最高!刺身も良いけど焼いても良いだよな~♪」
「おい聞けやこら。まあ若干無理あるな」
一夏の体格と年齢で若干所ではない無理がある。一夏の身長は199、年齢は21。成人男性の平均身長を20センチ以上も上だ。
「っていうかさ、ISなんて俺素手で破壊できるだけどさ。俺もIS付けなきゃ駄目なの?」
「当たり前だろ、まあ我慢しろ。あのスパルタ爺の地獄よりマシだろ」
「当たり前だ!!!」
っというやり取りがあり、一夏は諦めてIS学園へとやってきていた。教室では一夏がほぼ女子全員の視線を集めているが当の本人は全く気にしていなかった。美食屋として有名な一夏は市場に食材を卸しに行けばすぐさま人に囲まれてサインやら握手を強請られる。その経験から幾ら視線を集めようが全く緊張もせずにリラックス出来る様になっている。っていう単純に気にしていないだけ
「では・・・え~っと・・・た、龍神君?、自己紹介お願いします」
「ん、はい」
一夏はは座っていた席から立ち上がった。完全にクラス全員の視線を集めているが全くうろたえないし気にも留めない。
「龍神 一夏だ。りゅうじんじゃなくてたつがみなんでそこんとこ宜しく。町でブラブラしてたらIS来たテロリストもどきに人質にされて、そいつ叩きのめして興味本位でIS触れたらここに来る羽目になりました。好きな事は食事をする事と料理する事」
これぐらいでいいかな?一夏は思っていたが、周囲の女子達ははまだ何か期待しているような瞳でこちらガン見している。一夏は軽く笑いながら
「何か聞きたい事があったら休み時間にでも聞きに来てくれ。可能な限り答えるから。それじゃ俺の自己紹介はここまで」
そう言って席に着く一夏。女子達はその自己紹介に拍手で返した。すると一人の女性が教室の中へと入ってきた。元日本代表、戦乙女、織斑 千冬先生の登場だ。
「あ、織斑先生。もう会議は?」
「あぁ、山田先生。クラスの挨拶を押し付けてすまなかったな。さて諸君、私が織斑 千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てることが仕事だ。私の言うことは良く聴き、そして理解しろ。出来ない者は出来るまで指導してやる。返事はYESかはいだ。いいな。」
まるで軍隊のような自己紹介だった。っというか暴君染みているような印象を受けた一夏。
「(どっちにしろ肯定しろってか?暴君かよ。あ~やだやだ、あれが俺の姉だったなんて・・・。やっぱり優奈姉が俺の姉だなうん)」
っという流れの元SHRは終了し、そのまま授業に突入。一夏は教科書とノートを出してメモを取りながら時間を潰し、休み時間を迎えた。一夏は教材をしまって、持ってきた荷物から食料を出そうとしたが・・・その前に大勢の女子達に周囲を囲まれてしまった。どうやら質問をしに来たようだ。
「あ~・・・もしかして質問?」
「「「「「勿論!!!」」」」」
「出来ればもうチョイ待ってて欲しかったけど・・・まあいいか、それじゃ~・・・あ~・・・。一人ずつどうぞ」
一夏は適当に一人一人指差して質問者を選んでいく。バラバラに一斉に質問されるよりマシだからだ。
「それじゃどんな料理が好きですか!?」
「ん~・・・基本的に旨いもんだったら何でも好きだな。俺、好き嫌い無いし、はい次の人」
「彼女いますか!?」
「おお二つ目からでかいのを・・・ん~・・・今のところいないな、っていうか募集中?」
そう言うと女子達の顔が一気に明るくなって喜び始める。一夏には彼女さえいないが初恋の人ならいたが、もう既に諦めている。まあ一夏には結婚なんて無いのだがこう言った方が盛り上がると思って発言したのだ。
「んじゃ好きなタイプは!?」
「タイプ・・・考えた事ねぇ~な~・・・。敢えて言うなら料理が上手な人?俺も料理人だけどやっぱり他の人が作ってくれた料理だって食いたいし」
「それじゃ~次私が良い~?」
そういった少女の方を見ると、だぼだぼの袖が目に付き、のほほんっとした印象をした所謂癒し系の女の子だった。
「ええっと確か布仏 本音ちゃんだったかな?」
「お~そうだよ~、私の事はのほほんか本音でいいよ~」
「のほほん・・・ああ理解した。俺は一夏かお好きな呼び名で」
「それじゃいっち~で」
「よし、決まり」
なんだか通じあるものがあるのか仲良くなった二人、他の女子はハイタッチをしているのほほんさんを羨ましそうに見ている。
「それで質問は?」
「そうだ~、料理人って言ってたけど得意料理とかある~?それと夢ってある~?」
「あるぞ~、お菓子作りも得意だし和中洋全部得意だぜ?それと夢も勿論あるぜ?聞きたいかい?」
「「「「「勿論!!!」」」」」
女子全員が大反応。一夏は苦笑しながら答えた。
「俺の夢はな、人生のフルコースメニューを作る事だ」
「フルコースメニュー?」
「そっ、前菜から始まって、スープ、魚料理、肉料理、メインディッシュ、サラダ、デザート、ドリンク。この8つからなる俺が決めたフルコースを作る事だ。まだ前菜とドリンクは決まってないけどね」
「いっち~のフルコースメニュー・・・食べてみた~い!」
「まだ完成してねぇぞ?完成したらご馳走してやるよ。皆も食うだろ?」
「「「「「いいの!!?」」」」」
のほほんさんだけではなく、自分たちもその対象になっている事に驚く女子達。一夏は当たり前だろっと言う。
「皆食うほうが食事は美味しいだろ?まあ完成はまだまだ先だろうけど・・・。その時はこのクラス全員にご馳走してやるよ」
「やったぁ!!」
「絶対だよ!?」
「ひゃっほい!!」
「いっち~いいぞ~。よっ!太っ腹!」
「わはははははっ!そう褒めるな~!」
完全にクラスに同調している一夏。良い感じに女子達と友好関係を築けているようだ。と一夏が良い気分で笑っていると
「ちょっといいか?」
「はははっ・・・はい?」
長いポニーテールにした髪を揺らしながら此方に話しかけている少女、一夏は彼女に微妙に覚えがあるようでないような気がする。かなり曖昧であるが
「何じゃらほい?」
「話があるのだが・・・」
「ん~・・・まあいいか、んで話って?」
「ここでは話づらい、付いてきてくれ」
「うい」
一夏は彼女の言葉通りに席を立って付いていった。続いて廊下を歩き始めた、階段を上り遂には屋上に出た。一夏は屋上の柵に寄りかかって、少女の方を見る。
「それでお話とは一体なんでしょうか?」
「そ、それ・・・ひ、久しぶりだな・・・一夏・・・///」
少女は恥ずかしながらそう言うが、久しぶりと言われるが一夏には彼女との記憶なんて残っていないのでいったいどこの誰か解らない。
「あ~・・・わりぃ俺お前が誰だが理解出来ないんだけど?覚えも無いしな」
「!!?そ、そんな・・・私が誰だか覚えていないのか・・・?」
「悪いけどそういう事だ。んっ、もう直ぐチャイム鳴りそうだな。まっ、また一から始めようぜ、じゃな♪」
そう言って一夏は屋上から去って行く。彼女の言葉からこの世界にいたときの友人らしいが全く覚えがない。かなり悪いと思っているが、もう一回1から始めたいと思っていたが・・・。
「そんな・・・そんなそんな・・・わたしをおぼえていないんなんて・・・」
放心状態になっている彼女、篠ノ之 箒には届いていなかった。
後書き
IS学園編本格始動!
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