ソードアート・オンライン~黒の妖精~
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前書き
新しい章?に入ります。
私は暇つぶしにアルゴさんの所へ行き、「何か言い情報は無い?」と聞いた。
アルゴさんは、「さっきも同じような事を聞きに来た人が居たナ」と言ってから、情報をくれる。
「100コルでいいヨ。・・・73層の洞窟に、凄く強い、いわゆる隠れボスが存在するらしいんダ。さっき他の男も聞きに来てたから、鉢合わせするかもナ。がんばれよキー嬢?」
「キー嬢はやめて。本当やめて!?・・・会っちゃったらどうしよう・・・・。 あ、情報有難うアルゴさん。100コルね」
私はアルゴさんに100コル渡すと、転移門へ向かった。
ΦΦΦ
「73層の洞窟・・・ここかぁ」
私は、情報どおりの洞窟へたどり着いていた。
さっそく、私の索敵スキルにモンスターが引っかかる。
「レベル上げには・・・丁度良いかな!」
兄たちがラブラブライフ送って惚気てる間に、私は強くなってしまいます。
文句は受け付けません!
「はああっ!!」
私は単発ソードスキルと、高速斬撃を同時に発動させ、視界に現れたモンスターを一撃(十撃)で倒した。
「さて、進もう。隠れボスは、この奥だよね」
私は息を小さく吸うと、洞窟の最奥へと足を進めた。
キン、キン・・・・と、剣を振る音が聞こえる。
私は、ボス部屋で誰かが戦っているということを察し、途端に足が震えだした。
どの層も同じ事で、ボスは一度しか倒せない。
隠れボスだって同じだろう。
大量の経験値を稼ぐにはこれしかない!
私は思い切って、扉を開ける。
そこには。
風を切って失踪する、銀色の髪の少年。
瞳は何もかもを切り裂く、正しく剣のように鋭い光を宿していて、凛々しさを感じさせる。
でもその少年は、この隠れボスに挑むには少し経験が足りなかったらしい。
HPは既に注意域の黄色。
でも一人で挑んでいるから、クリスタルで回復も出来ない・・・第一、隠れボスの部屋なんて大抵は結晶無効空間だ。
ポーションを飲もうにも、時間が足りない。
そう、あの少年は今、絶賛大ピンチ、なのだ。
助けないという選択肢は、キリアの中にはない。
絶対、あのお人好しの兄の影響を受けている。
・・・そんなことを考えながら、私は剣を抜く。
銀色の髪の少年は、私の存在に気がついたらしい。
口パクで、「来るな!」的なことを言っているのは解るが、レベルはおそらく私のほうが上。
装備が弱そうだからって弱いわけじゃないんだから。
「せあああああ!!!」
私は、ボ隠れボスの背中を、5連撃ソードスキル+高速斬撃で攻撃した。
隠れボスのHPバーは、4本。
下手をすると表のボスより強いだろう。
というか、強い。
高速斬撃を使っても、HPをロクに減らせなかった。
が、勝機はある。
私は銀色の髪の少年に向かって、叫んだ。
「そこの奴!ちょっと話聞け!」
私はバーサーカーモードまっしぐら。
私がこんな言葉吐くとは思わなかったのだろうか、少年は瞬間「はっ?」というかのような顔をしてから、即座に反応する。
「何なんだよ!お前途中参加だろ!」
「話きけっつってんだろ!還すぞ!土に!」
「はあ!?おまっ・・・・頭大丈夫か!?」
「正気ですけど!?・・・・らあああっ!!!!」
私は毒舌(?)を吐きながら、さらに攻撃を続ける。
少年も、我に帰ったように剣を振り始めた。
少年の剣は、私と同じ両手剣。
素早さは落ちるが、攻撃力は高い。
「こ・・・の・・・・くたばれええええええ!!!!」
少年の叫びが聞こえる。
「逝けよ・・・おらあああああ!!」
私も叫んで、高速斬撃を最高速度まで上げる。
今までは一撃につき十撃だったのが、一撃につき十五撃分になる。
スキルをコンプリートすれば20連撃も出来るのだが、このスキル、熟練度があがるのが絶望的に遅い。
850まで来ただけ褒めて欲しいよ本当に。
なんて考えているうちに、隠れボスのHPはのこり1割。
「はああああ!」
「っらああああ!」
私たちは最後の一撃を同時に発動させた。
二振りの剣が隠れボスの巨大な身体を貫き、ポリゴンへと変える。
私は案の定、お約束のようにふわりと後ろへ跳躍した。
「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・も・・・キツー・・・」
私から噴出していた殺気が綺麗さっぱり消え去ったからなのか、少年は驚いている。
「おい・・・お前・・・・」
驚愕と呆れが半分ずつ混ざった声をかけてくる少年。
私ははっとする。
ヤバイ。
・・・・うん、ヤバイ。
ダレかタスケテ
「おい・・・?」
少年が私の肩を触る。
「きゃあああ!?や、や、やめて!!」
私は立ち上がると、もう一度後ろに跳んだ。
「・・・・っ・・・・や・・・・来ないで・・・」
「はぁ・・・?お前何なの?さっき散々暴れといて・・・経験値が真っ二つだよ」
「来ないでー!や!やぁ・・・・っ」
少年が迷わず近づいてくる。
私は限界に達し、ペタリと座り込んでしまった。
「っっ・・・は・・・・・」
リアルなら心臓がある場所を押さえ、私は近づいてくる少年を見上げた。
「・・・何、怖がってるんだよ・・・俺がわりぃ事したみたいでなんか罪悪感が酷いんですけど」
「よ・・・・ちか、づかないでよぉ・・・・」
「なんで?理由は?」
踏み込んでくる奴だ。
戦闘中の私を先に見てしまった人は、必ずこの反応。
「私・・・初対面の人・・・・無理・・・なの・・・・」
「人見知り?」
聞かれ、コクコクと頷く。
「・・・・はぁ!?酷過ぎだろその人見知り!お前、さっき戦ってたときの人格どーした!?落としたのか!?あ・あははははは!!!」
少年は壊れたかと思うほど笑いだす。
「わ、私の人格はこっちだよ・・・・笑うの、やめて・・・」
「はは、あははは・・・・っ・・・・わ、わりぃ・・・・ぶっ・・・・」
私はようやく納まってきた震えをどうにか押し込め、すっくと立ち上がる。
「・・・・・・取り乱しちゃってゴメン・・・私は、キリア」
「あ、ああ?キリア?よろしく。俺はレオ。」
「・・・経験値、真っ二つにしちゃったお詫び・・・なんか、おごる」
私は決意して目の前の少年・・・レオに言った。
「マジで?やった じゃあ俺の何時も行く店!よっしゃー行くぞ~!」
レオはいきなりテンションを上げながら、私の手を掴む。
手。
手だよ?
手首じゃ、ないよ?
手の平ね。うん。
あ・・・奢る前にぶっ倒れそうです。
・・・・私はフラフラになりながらも、レオに手をひかれ、彼の行き着けらしい店へ行った。
後書き
ごちゃごちゃでスミマセン
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