レインボークラウン
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第三十八話
第三十八話 その先輩は
華奈子と美奈子が会いに行くことを決めたその転校生がいる教室ではだ、六年の男子生徒達が笑顔で話していた。
「いや、よかったな」
「そうだよな」
「あんな綺麗な娘が転校してくれてな」
「うちのクラスに入ってくれるなんてな」
「うちのクラスって可愛い娘多いけれどさ」
よく自分の学校には美人や可愛い娘が少ないと言う者がいる、しかし日本は美人の多い国だ。よく見ればクラスの七割、学校の七割は美人である、主観ではあるが。
「いや、いいよな」
「また美人が増えたよ」
「こんなにいいことってないな」
「ラッキーだよな、俺達」
「他のクラスに自慢しようぜ」
こんな調子だった、彼等は美人の転校生に満足していた。
そして女子の面々もだ、こう話していた。
「いい娘よね」
「頭もいいっていうし」
「性格も悪くないわよね」
「ちょっと競争心強い感じだけれど」
「あっ、それあるわね」
「あの娘競争心は強いわよ」
このことは察せられていた、そうした娘だというのだ。
「気は強いわね」
「結構負けないっていうの見せる感じ?挨拶から」
「そこが気になるかしら」
「その辺りがね」
こう話すのだった、そして。
男の子達もだ。その気付いたことを和した。
「優しい感じだけれど気は強そうだな」
「ああ、からかうとすぐに怒るな、あの娘」
「そこが難点かな」
「俺達とも喧嘩しそうだな」
彼等も察していた、どうも勘のいい子が多いクラスの様だ。
「付き合いは難しいか?」
「気が強いところが気になるからな」
「基本的にいい娘みたいだけれどな」
「ああ、そこがなあ」
「気になるな」
男連中はどうもそこが気になっていた、これは女子もである。
転校生のその気の強さが気になり和すのだった。
「別に喧嘩するつもりもないし」
「そうよね、気が強い娘って喧嘩っぱやいところもあるから」
「そこは注意してね」
「基本悪い娘じゃないみたいだから」
「仲良くやっていきましょう」
「向こうも気遣う娘みたいだから」
どうしてもそこが気になるのだった、そうした話をして。
クラスメイトとなった面々はこう言うのだった。
「じゃあ気になるところもあるけれど」
「仲良くしないとね」
いい子達であると言えた、とりあえず転校生の評判は気の強さが気になるということ以外はよかった。
第三十八話 完
2013・5・17
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