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環の理

作者:三島 渓山
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鋼の錬金術師
  視察の裏で

 
前書き
少し間を開けてしまいました。ごめんなさーい。
最近右肩の後ろの出っ張り部分がじ~んって痛む。病院行けと言われたけど、給料日前なので我慢しますわ。皆も金に困らないように気を付けようぜ! 

 





 「おい、ヒューズ中佐……」

 「……何だ?」

 「おかしくないか?」

 「確かにな……」



 やほー、私メイザース。国家錬金術師の一人なの。先日、世話になっている人の夫を助けたんだけど、何だかとってもおかしい事に気付いたのよね。



 「敵が襲って来ねえな……」

 「毎晩送ってもらって悪いな」

 「どうせ家には心配する奴いないからな……」

 「……早いとこ嫁さん貰え」

 「私は女だ!嫁貰ってどうする!?」

 「ぶはははは!」

 「笑うんじゃねえ!」



 そう、敵が来ないのだ。自分だったらすぐに消しに行くね。中佐曰く「変身みたいな事が出来る人間?」だから他人に罪を擦り付ける事ぐらい簡単な筈なのに。



 「まあ、相手にも都合があんだろ」

 「殺されかけたのに気楽でいいねぇ……守るこっちの身にもなってみろよ」

 「ビックリ人間ショーに付き合えねーよ俺は」

 「……確かにな」



 その所為で怪我が絶えなさそうだよこっちは……医療系の錬金術でも齧ってみるか?





 ~~~~~~





 「どうしてあいつを殺そうとしないんだ!!」



 地下、誰かの声が響く。そこには複数の人の形をした何かがいた。



 「あいつらはこの国の秘密を知った!計画はまだ先、ここで消すのが得策だろ!?」

 「私も同意見だわ。どうしてラース?」

 「…………」



 沈黙を貫く壮年の男。そこに一つの声が届く。 



 「ラース……何か考えがあるのか?」

 「利用できるからそのままにしておきました」

 「使えるのか?」

 「メイザース・シルバーバーグ……奴は既に扉を開いています」

 「ふむ……変熱の錬金術師の件はラースに一任する」



 それっきり威厳ある声はしなくなった。しかし、言い合いは続く。



 「大丈夫なんだろうな?」

 「こっちから手を出さなければ何も分からないさ。それに中佐の方は私を信じきっている。君の繋がりに気付かないだろう」

 「……それもそうね。あの人真っ先に貴方に相談しに行こうとしていたもの」

 「……っち。うまくいくんだろうな?」

 「奴は積極的に動こうとはしない。釘も充分刺しておいた。後は藪蛇を突かない事だけだ」





 ~~~~~~





 「南部視察?」

 「らしいぞ」



 久しぶりに登場したケルベア准将。私もちょっと忘れかけてたわ。



 「大総統自ら戦線を見に行くってよ」

 「南部って言ったらアエルゴか」

 「あそこはイシュヴァールと関わってたとこだから念を入れてるんだろ」

 「ふーん……」



 ケルベア准将から貰った書類を捌きながら思考する。あの件を大総統に伝えても素っ気ないままだし……手の者に任せてんのかな?



 「護衛はアームストロング少佐らしい」

 「護衛が国家錬金術師たあ豪華なこって」

 「「私ならいくらでもやるのに」とかは?」

 「ないな。面倒な事に巻き込まれそうなだけだ」



 それに今中央から離れたくないしな。ヒューズの件もまだ謎のままだし……。



 「いつまでも気を張るもんじゃねえぞ」

 「だがな……最近、事件が多すぎると思わないか」

 「確かにな。傷の男(スカー)しかり、リオールの暴動しかり……北も西も騒がしくなってきたのはここ数か月の内の出来事だ」

 「何かの予兆かもな」

 「お前の勘か?」

 「そんなところ」



 国を揺るがすような大きな事が……外れて欲しいな。



 「(もしあったら全部マスタング大佐に放り投げちゃおーっと)」

 「(こいつ絶対変な事考えてるな……)」

 「失礼する」



 おっと、誰か来たようだ。シャキッとしないとね。



 「……ってマスタング大佐か。真面目面して損した~」

 「失礼だね君は……」

 「マスタングって言えば『焔』の?」

 「おっと、ケルベア准将ではないですか。さっきお付きの方が探していましたよ?」

 「っげ、こりゃ戻らないと不味いな。それじゃまたな」



 ピューっと風に様に去ったケルベア。次に出演する時は何時になるだろうね……。



 「これで邪魔者は去った……」

 「何か用か?」

 「軍人傷害事件についてだ」

 「……まあ大佐なら大体は辿り着いてるからいいかな」



 私は中央で手に入れた情報をすべてマスタングに話した。





 ~~~~~~





 「賢者の石の製造方法にウロボロスの入れ墨か。中央は魔窟だな……!」

 「私としては人柱ってのが気になるけどね。多分優秀な錬金術師を指してるんだろうけど」

 「そしたら傷の男(スカー)は両者の敵になるな」



 そりゃ何人も国家錬金術師殺してるし?最近、東部で起こった下水道大破事件も殺り合った跡だろう。



 「っていう事で私は基本的に傍観するから」

 「一応理由を聞いておこう」

 「あまり派手な行動はしたくないわ。ヒューズ中佐が狙われない様にしないと」

 「あいつは殆ど人質だな……それでは私も動けないんじゃないか?」

 「私が中佐を守るから代わりに動いて。役割分担よ」

 「役割分担と言えば聞こえはいいがな」



 ん?何か文句があるのかな?



 「いや……何でもない」

 「そう……そろそろ帰った方がよくない?」

 「おっと君の言う通りだな。では失礼するよ」



 そう言ってマスタング大佐は去って行った。部屋の中ぽつんと佇む私。



 「そういや今日皆非番じゃん……」



 結局、仕事も粗方終わってる私は定時まで物凄く暇だったとさ。
 
 

 
後書き
モバマス……SRアーニャでないかな?SR早苗さんは嬉しいけどよく分からないガチャ形式だったから引くのやめました(笑) 
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