森羅と創世のエターナル真祖
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紗代と小次郎②
紗代
私は神鳴紗代13歳。この村…………龍神村で育ちました。家族は弟が一人。父親は分からず、お母様に育てられました。
私と母には不思議な力が有りました。その力は皆が龍神様の力だといいます。我が家系の女子は代々瞳が蒼く。蒼いほど力が強いそうです。その中でも私の力は歴史上一番高いらしいのです。でも、そんな力など無く、親子で静かに過ごせればどれだけ良かったか…………あれは三年前。龍神村に突如として大勢の鬼達がやって来ました。そして、この村は鬼に支配されました。その時、母は鬼に抗い、食われてしまいました。そして、今度は私の番となります。鬼は村の人々の安全を保障するかわりに私をさしだせと要求して来たそうです。村には鬼に逆らう力などは無く、従うしかないそうです。
「すまんな、紗代。お前を差し出すほか手は無いのじゃ」
村長さんは疲れきった表情で私に謝って来ました。もう、覚悟は出来ているので、気にしなくていいですのに。
「気にしないでください。少し痛いのを我慢すればいいだけですから」
「それが、違うのじゃ…………」
どう違うんだろう?
母を食べて力を付けた鬼達なのに。
「それが…………紗代を母体にするといっておった」
「えっ、それって…………」
私は村長が言った言葉を疑いました。それほど信じられないことだったのです。
「昨日言っておったのじゃ。紗代を母体にして、鬼の子を生ませそれを食らうとな。そうすることで安定して力を得ることができるらしい…………」
「そんな……………………」
「奴らは紗代の母親を食って後悔しておった。一人しか得られないと。それから、どうにか安定して供給する方法が無いかと探しておった。それで…………」
「それが、母体にして作った子を食らうということです…………か?」
「まさに悪鬼羅刹の所業よ…………」
「いっ、いやです。そんな辱めをうけるなんて!」
「しかし、そうせねばこの村は滅ぶ。そして、近隣の村々にまで被害が広まるやもしれん…………」
「そんな…………非道いです…………」
私は体中から力が抜けました。あの…………母を食らった鬼に辱めを受けなくてはいけないとは…………しかし、そうしなければ他の人々が殺されるというのです。そう、私にはどうしようもない事なのです。この力も怪我をすこし治すだけなのですから。
「すまんな。この三年間、奴らが手出ししてこなかったのは、紗代の成長を待っておったのじゃろう。二日後の満月の晩に迎えにくるといっておった。それまで、身を清めておくようにとな…………」
「……………………はい……………………」
村長さんが家から出て行来ました。でも、私にはなにもする気が起きません。そう、この時、もっと私がしっかりしていれば、弟はあんな無茶なことはしなかった。少なくともそれを止める事ができていました。本来ならもう、帰ってきている時間だったのに、私は自分の事で精一杯だったのです。
小次郎Side
…………そんな…………姉ちゃんが…………あいつらに…………そんなの絶対にダメだ!
どうにかして助けないと。でも、俺にそんな力は無いし…………村の外に助けを呼びに行こうにも鬼達に道を封鎖されている。どうする、どうする…………考えろ…………何か道があるはずだ!!
十分後、一つの考えが閃いた。かなり無茶な方法だけど…………姉ちゃんを助けるためだ。だから、なんとしても助けを呼ぶんだ。
その為、村から鬼達に渡す酒を運ぶ仕事を変わってもらった。これで、用意ができので、俺は龍神の祠へと向かった。
今龍神の祠は現在鬼達に占拠されている。
「なんだ餓鬼がなんのようだ」
「お酒を持ってきました」
「そうか、ちょっと味見してやる。よこせ!」
「どうぞ」
お酒を差し出した。
「よし、いい味だ。もっていけ」
「はい」
奥へと入れた。これで第一段階完了。次は第二段階だ。第二段階はさらに奥へとすすむこと。
しばらく、進むとお酒を置く場所についた。そこに樽を置き、持ってきた取って置きのお酒をもってさらに奥へと進む。
「おい止まれ!」
見張りか…………今は言われた通りに止まる。
「こんなところで何をしている」
「はい、剛鬼様に特別なお酒をお届けしようと思いまして」
剛鬼というのはこの鬼達の頭だ。
「そうか、なら俺がとどけよう。そいつをよこせ」
「いけません、これは直接お渡しするよう言われております!」
ここが正念場だ。
「どうしてもか?」
「どうしてもです!」
「なら、死ね!」
っく、失敗したか!
じっと迫ってくる棍棒を見つめる。すると、俺の眼前でその棍棒が止まった…………たすかったのか?
「ふん、いい根性だ。いいだろう、こい」
「はい!」
第二段階完了…………最終関門だな。奥に歩き、鬼の人が案内してくれた。ついに剛鬼のいるところへとついた。
「生きて帰ってくるんだな」
「はい。貴方は?」
「俺は炎鬼だ」
「俺…………僕は小次郎といいます。ここまで、ありがとうございました」
「かまわん。それじゃあな」
「はい、さようなら」
扉を開け龍神様の祠へと向かう。中には滝があり、その横に祠が作られている。
「なんだテメェは…………」
「この特別なお酒をお届けに参りました」
「ほう、もってこい」
「わかりました」
お酒を持っていき、侍らせられている女の人にお酒をわたし滝の方に下がる。
「ど…………どうぞ…………」
女の人がお酒をいれて剛鬼に差し出す。
「おう…………先ずはお前が飲んでみろ」
「はい」
ち、ばれたか。
「ぐっ! がはぁ!」
ごめんねお姉さん。滝の方へ後ず去ってゆく。
「やっはり毒か。やってくれたな小僧…………」
「ふん、飲んで死んでくれればいいものを…………」
「貴様どっかで見たと思ったらあの小娘の弟か。おおかた、姉の為に俺を殺しに来たって所か。だが、残念だったな!」
「くっ」
「大人しく死んでおけ!」
大皿を勢いよく、投げつけてきた。俺は大皿に合わせて滝へと飛び込んだ。
「ぷふぁっ!! はぁ、はぁ…………どうにかいったか…………」
ここは村から結構離れた川原だ。ここに龍神様の祠にある滝は繋がっている。普通なら死ぬんだろうが、力は弱いとはいえ、俺にも龍神の血が流れているんだ、多少の無茶は出来る。
「よし、作戦成功だ。あとは救助を呼ぶんだ」
俺の目的は龍神様の滝を使い脱出することだ。毒による暗殺なんて、たんなるついでだ。
「形見の首飾りも無事だし。いくか」
俺は街へむかって走り出した。
それからしばらくして、鬼の関所を難なく突破した。そして、表通りに出た時、狼に見つかった。くそ、狼まで従えてるとか計算外だぞ!
即座に狼を倒して、走り出しす。しかし、既に知られてしまったようで、追っ手がかかってくる。
「待ちやがれ!!!」
「だれが待つか!!!!」
しばらく走った後、回り込まれ戦うしかなくなった。
「ここまでのようだな…………てこずらせやがって!」
「だれがあきらめるか!」
ねえちゃんに教わった剣で…………舞の剣技だけどけっこう戦えるんだ。その後、どうにか追っ手の5体のうち、3体まで倒したが、腹に致命傷を受けた。朦朧とする意識の中そいつらはやってきた。
「た、助けてくれ!!!!!」
藁にもすがる思いで、声を上げる。
「だと、どうする?」
黒く長い髪を棚引かせ手押し車に座る少女。
「残念だが、現在閉店中だ」
閉店だと?
少女が座っている手押し車に掛けられた旗には『剣客商売』の文字…………どうす…………る?
直ぐ後ろに迫ってくる鬼たち。
「どうぞ、お構いなく。俺たちは先に行くだけなんで」
助けてくれる気はないのかよ…………だめだ…………意識が…………朦朧とする。そんな意識の中で見たのは、今まで見たことも無い剣技を使い、鬼を瞬殺する青年の姿だった。しばらくして、少女が声をかけてきた。
「おい、小僧生きてるか?」
「…………はぁ、はぁ、アン達強いんだな…………」
この人たちなら…………ねえちゃんを…………たすけられるかも…………しれない。
「すくなくとも、あんな雑魚にやられないぐらいにはな」
「なら、おっ、お願いが…………ある…………こいつで…………この先にある龍神村…………にいる、おっ、おれの…………ねえちゃん…………をたすけ…………てくれ…………」
青年に今まで、ねえちゃんの嫁入りの時にでも、嫁入り道具でも買ってやろうと貯めていたお金と村のお金の全部と首飾りを渡した。
「…………後を…………たの…………む…………」
これで…………よか…………た…………。
剛鬼
くそ、あの餓鬼のせいで一人、死んじまったじゃねえか。まあいい、どうせ明日の晩にはあの紗代って小娘が手に入るんだしな。
「頭! 大変です!!!!」
「なんだっ!!」
「逃亡した餓鬼を追っていた奴らが何者かに殺されました」
まさか、あの餓鬼が生きてるはずもねえし。逃亡者は別か…………しかし、追っ手を殺せる力を持つ奴らか…………危険だな。
「警備を強化しろ」
「どれくらいで?」
「最大だ。予備の戦力全てを街道方面に向けろ」
「そこまでは必要ないのでは?」
「嫌な予感がしやがる。いいから言われたとおりにしろ!」
「はい!」
ちっ、胸糞悪いなこんな晩は飲むに限るぜ。
「おい! 酒をもっともってこい!!!!!!!!」
次の日、俺は部下にたたき起こされた。
「頭、大変です!!!!!」
「うっせえええええっ!! ぶっ殺すぞっ!!」
そいつの顔面を思いっきり殴りつける。
「ぐはぁ!」
ち、死似やがったか。
「おい、報告しろ」
「はっ、はい!」
くそ、今日の晩はお楽しみだってのに、朝から気分が最悪だぜ。
「ここに向かって来る連中がいます」
「ああん? そんなんで一々報告するな!」
くそ、使えねぇ奴らだな。
「違うぞ、剛鬼」
「なんだと? どういう事だ、炎鬼よ」
「はい…………その、既に配置した連中はどんどん殺されています…………」
「すでに半壊状態だそうだぞ」
「馬鹿野郎! そんなことあるはず無いだろ! たとえ陰陽師の連中が300人いようと、そんなことおきるはずがねえ!!!」
あそこには二千近い鬼や妖怪がいるんだから、生半可な戦力じゃ太刀打ち出来ないはずだ!!
「事実です。敵はたった2名と1体、1匹…………すでに、千以上の同胞が殺されております」
「くそっ…………ほんとなのか…………?」
「ああ、まず間違いない」
くそっ、どうする?
俺の力で勝てるのか?
待てよ…………全ての兵力使って弱まらせればいいんじゃないか?
そんな簡単にこっちに来れるはず無いんだから…………。
「よし、すべての兵力を進入者にあてろ」
「よろしいので?」
「ここは俺と炎鬼でいい。それ以外の全てを侵入者に回すんだ」
「了解しました」
これで、この村や祠にいる連中もたせばかなりの数になる。念のため、炎鬼にも準備をさせるべきだな。
「お前も準備してろ。本気で相手を潰せ」
「わかった」
炎鬼が本気なら大丈夫だろう。何せ炎王の名を冠する鬼なんだからな。
紗代
昨日から小次郎の姿が見えません。村の皆にも探してもらったけど、見つかりません。後、探して無いのは、竜神様の祠だけ…………嫌な予感がします。秀吉さんの話しじゃ、昨日お酒をもって龍神様の祠に届けにいったらしいのです。それから誰も見ていない…………やっぱり…………そうなの?
もうすぐの儀式の時間だし、その時にでも聞いてみよう。どうか小次郎をお守りください龍神様。
そして、夜空に満月が輝き儀式の時間がやってきました。私は龍神様の祠の前にある舞台へと神事の服を着て向かいました。
「よく来たな…………」
そこには既に剛鬼と炎鬼がいた。
「はい…………」
村長さんや村人の皆もあつまっている。剛鬼は私を汚らわしい目でなめるように見つめてきた。おもわず体を抱いてしまう。
「さて、こっちにきて貰おうか」
炎鬼って鬼は動かず目をつむっている。
「わかりました」
舞台へと上がった所で、足が止まった。
「どうした?」
ここで聞かなきゃ、もうあとはないんだから。
「聞きたいことがあります」
「なんだ? いって見ろ」
「弟…………小次郎を知りませんか?」
「ああ、あの餓鬼か」
やっぱり知ってる!
「教えてください!」
「いいぞ。ただし、こっちにきな」
「分かりました」
私は剛鬼の横に行きました。
「きゃっ!」
剛鬼は私を抱き寄せ頬っぺたを舐めて来ました。気持ち悪くて、鳥肌が立つけど我慢です。
「弟は!」
私は剛鬼を睨み付けます。
「あいつは、死んだぞ」
信じたく無い言葉が聞こえてきました。
「う…………嘘です…………」
「本当だ。こともあろうに、あいつは俺を毒殺しようとしやがったからな。だから、殺してやった」
「…………そっ、そんな…………」
小次郎まで、死んじゃったら、私は一人…………もう…………希望も無い。小次郎が残る村の為だから、この身を汚されても耐えようと思っていたのに、その小次郎が死んだなんて…………。
「生きている可能性もあるがな」
「えっ?」
「何言ってやがる。あの時、俺は確かに…………」
「あいつは、あの瞬間。自ら滝に飛び込んで行った。恐らく生きているだろう」
「おいおい…………」
その話しが本当なら…………小次郎は…………生きているかもしれません。
「だが、他の連中が脱走者を見つけたといっていたから、どうなっているかは、分からんがな」
「そうですか…………ありがとうございます…………」
わざわざ、教えてくれるなんて、以外に優しいのかも知れない。
「どっちみち、死んでるだろ。侵入者もろともな」
「それより、こいつを飲んでもらおうか」
「なんですか、それは?」
得体の知れない物です。ごぽごぽいって白く濁ったもの。
「こいつを飲んだらお前は俺から逆らえない。飲まなくてもいいぜ? ここにいる連中が死ぬだけだからな」
「分かりました」
飲もうと口を近づける。それは生臭くて、とても気持ち悪い…………でも、私は飲むしかない。村長さん、みんな、ごめんね。小次郎、ごめんなさい。お母様、どうか見守っていてください。
「いきます…………」
「ああ、いけ」
どうか、龍神様。皆をお救いください。私はどうなってもいいですから。
「飲む必要は無いな」
「まったくだな」
そう願った時、どこからか声が聞こえて来た。まさか、本当に龍神様なの?
「ケケケ、ドウセソイツラハ死ヌダケダシナ」
「どこだ! どこにいやがる!」
辺りを見まわしてる剛鬼。私は月が翳っていることに気づき、空を見上げると空を飛んでいる二人と小さな人形さんがいました。その身からは圧倒的な存在感とその気配はまるで、本当に龍神さまのようです。
「上だ」
炎鬼さんも気付いたみたいです。
「なんだ手前らは!!!! どうやってここに来た!!!!」
私は彼らをよく見ると、青年の方の首に首飾りを見つけました。そう、あれは…………小次郎が持っていた物です。
シオン
何とか間に合ったな。全く、空を飛ばなきゃ、間に合わなかったぞ。(手押し車はおいて来た)
「なんだ手前らは!!!! どうやってここに来た!!!!」
「うん? どうやってだと? 見て分からんのか馬鹿者め。飛んで来たに決まってるだろ」
うん、たしかにそうだな。質問の意図は違うだろうけど。
「ちげぇ! あいつらはどうした! 兵がいたはずだ!」
「ああ、あのゴミどもか。やつらなら、逃げたか死んだぞ」
「だな。今、生き残ってるのも、うちの子が食ってるところだろう。ゆえに増援はこないと思え」
ムーが群れを率いて食事をしているからな。
「そして、俺達が何者かという質問には…………答える必要を感じないが…………ここはあえてこう言おうか」
ここは龍神をあがめてるんだったな。
「龍神の使い?」
「なっ!」
「なんだそれ、もっとマシなのはないのか?」
「ま、なんでもいいだろ? どうせ、こいつらを殺すだけのい簡単な仕事だ。悪いが、依頼金一両とこのペンダントを持ち主にもらったんだ。契約は遵守させてもらう。よって、貴様に与えられるのは死だ」
「ふざけるな!!!!」
ふざけてないが、いいたい気持ちは分かるな。
「さて、どっちが来るんだ?」
地上に降りて、二人の鬼を見る。あっちのより、こっちの寡黙な鬼の方が圧倒的に強いな。
「あの! その首飾りの持ち主は…………」
ん? このペンダントに反応したか。じゃあ、この子が依頼にあった子か。助けてくれっていってた。しかし、可愛いな。しかたない、代金はまけるか。
“おにぃさま?”
“まじめにするよ”
「ああ、この前の持ち主は死んだよ」
「…………そっ、そうなのですか…………うぅっ、小次郎…………」
泣き崩れる巫女服のような物を着た美少女。
「ふん、無駄死にしたわけだな」
「そうじゃないな。本来なら来る気がなかったのに、あの小僧。いや少年が、命をとして金なんか渡すから断れなかったんだからな。すくなくとも無駄死にでは無いな。生きていたら、こんなはした金で依頼なんて受けなかったんだが、死に逃げされちゃあ、どうしようも無いからな」
ま、今では感謝してるよ。この鬼は当りだ。
「この野郎! 炎鬼やっちまえ!」
「わかった。下がっていろ」
「ああ!! 頼むぜ!!」
少女と鬼はさがる。そにエヴァがしかけた。
「小娘はもらっていくぞ!」
「が!」
影のゲートを使い、鬼の背後に回って、鬼を蹴り飛ばして彼女を救い出したか…………流石はエヴァ。やるね。
「こっちは確保した安心しろ」
「OK〜心おきなく戦おうか」
「いいだろう」
舞台をリングにみたてて、互い準備する。炎鬼っていうのは剣か…………ここは、ちゃんとするか。
「俺はシオン…………森羅のシオン。あんたは?」
「炎鬼…………炎王鬼だ」
「なら、炎王鬼。なんであんなのに従ってるんだ?」
「借りがあるからだ」
「律儀な奴だな。なら、賭けをしようか」
「賭けだと?」
「勝った方が相手を好きにするというのはどうだ?」
「どうする?」
「いいだろ、やって勝て!!!!」
「では、うけよう!」
よし、楽しくなってきたな。
「じゃあ」
「ああ」
「「いざ、尋常に勝負!!!!」」
「「うらあああああああああ!!!!!」」
即座に、お互い切りあい、炎王鬼の剣と森羅がぶつかるが、炎王鬼が俺の力に負けて吹っ飛ばされる。
「みかけによらず力があるんだな…………」
炎王鬼は空中で体勢をととのえ、何事も無かったように着地する。
「あ〜、たしかにずるいな。よく聞け、俺は吸血鬼の真祖だ。こうみえて数百年生きてる。だから、手加減とか無しで全力で行こうぜ」
俺だけ種族ばらさないのはフェアじゃないしな。まあ、満月でさらに底上げされてるが。
「吸血鬼か…………西洋妖怪か。それも吸血鬼…………この夜に会いたくない相手だな」
「降参するか?」
「まさか! 炎王鬼、押して参る!!」
あはは、プレッシャー半端ないな。剣が炎の大剣になりやがった。さすが、炎王ってか。ここからか…………面白い!
「来い! 森羅が受けてやる!!」
「はぁ!」
炎の大剣を高速で打ち込んでくる。28連撃とか反則くさい。
「ぐっ! やるな! なら、雷鳴剣!」
こちらも刀に電気エネルギーを纏わせて切りあう。何度も何度も剣と刀をぶつけ合う。普通なら刀が折れるが、こっちとら封印してあるとはいえ、永遠神剣だ。そんじゅそこらの剣には負け無い。相手の剣は炎で、森羅の切れ味を防いでいる。
「「くっ!」」
すでにお互いの剣戟は音速を超え衝撃波を発生させている。
「…………すごい…………」
「こいつはまずいな」
「ダナ」
「なにがですか?」
「お互いが、まだ小手調べの段階ということだ」
「これがですか!」
「ああ」
「ドンドン周リガヤバクナルゼ! ゴ主人!」
「ああ。三重結界を張るか」
「お願いします」
村人は既に避難してるし、エヴァが結界を張ったようだ。なら安心だな。
「炎王鬼」
「なんだ?」
「上げてくぞ!」
「いいだろう!」
さて、こいつならどうだ!
「浮雲・旋一閃!」
「なに!」
肩を掴んで引きながら足を前に払って、敵を空中で回転させ、そこにさらに技を放つ。剣…………刀に集中してだ。
「雷鳴剣・迅雷!」
剣の電気エネルギーを使い加速させ36連撃を空中にいる為に回避不能の炎王鬼に叩き込む。神鳴流を開発して作り上げた奥義だ。
「ぐ。惑え炎獄!」
「ちぃっ!!」
急いでその場から離れる。奴は地獄の業火を召喚しやがった。くらったらやばい。
「やるな」
「貴様こそ」
「くくく」
「ふふふ」
「月下天衝!」
「斬神!」
爆音が響き、結界をふるわせる。俺は吹き飛ばされながら相手をさらに攻撃する。
「斬空閃・連撃・極大雷鳴剣・迅雷!」
極大雷鳴剣を使って36回の近中遠の全距離攻撃だ!
もちろん隙も無いぜ!
「斬天開放!」
コイツ、下位とはいえ、永遠神剣もちか。きついな…………森羅の能力をつかってないからだけど。
「さっきの耐えるのか、かなり無茶して攻撃したんだがな」
「斬天を開放せねばこちらがやられていたな。次はこちらの番だ」
「くそ、こい」
「炎獄・鬼炎斬! 受けれる物なら受けてみよ!!」
目算20メートルはある地獄の業火でできた大剣か。やってくれる。
「デオス・デア・サタナス・アポカリプス 来れ(アギテー・) 深淵の闇(テネプエラ・アピュシイ) 燃え盛る大剣(エンシス・インケンデンス)!! 闇と影と憎悪と破壊(エト・インケンディウム・カリギニス・ウンプラエ) 復讐の大焔(イニミーキティアエ・デーストルクティオーニス・ウルティオーニス)!! 我を焼け 彼を焼け(インケンダント・エト・メー・エト・エウム) そはただ焼き尽くす者(シント・ソールム・インケンデンテース) 奈落の(インケンディウム)業火!!! 術式固定!!! 掌握! 魔力充!(スプレーメントゥム・プロ) 術式兵装!!! 」
眼前にせまる巨大な炎の大剣。
「間に合った!! 秘奥義・朱雀! いっけええええ!」
炎の大剣と炎の鳥がぶつかり合って、爆音と閃光を巻き起こす。そして、辺りは真昼様な明るさになった。
「おい! 無事か!」
「シッカシ、イマノデ結界ガ壊レタナ」
「大丈夫でしょうか…………?」
「ふん、化け物だな…………」
「失礼な。朱雀くらっても死なない貴様の方が化け物だ。朱雀は究極のカウンター技だぞ? それを貴様は耐えたのだからな」
朱雀は対象の攻撃を吸収し、さらに自分の魔力と気を上乗して威力を増すカウンター技だ。そう、大技放ってるところを正面から叩き切る技なのだ。その威力は相手が使う技の威力が強いほど強力になる。咸卦法を極めてないとできもしないしな。
「さて、俺の勝ちだな」
「ああ、好きにしろ」
「なら、俺のモノになれ」
「ちょっとまてえええええええええええ!」
「なんだエヴァ?」
「お前そういう趣味なのか?」
「なにがだ?」
「そ…………その…………ええい、わかれ!」
「わかる訳なわけないだろ。エロいな、エヴァは」
「なっ! からかっていたのか!」
「ケケケ、カラカワレテタナ」
「まあ、仲間になれ。百鬼夜行作るんだ」
「百鬼夜行か…………いいだろう。そういう、契約だからな」
よし、一人目ゲット。いや、精霊たちたすからもっとだけどね。
「ば…………馬鹿な…………こんなはずは…………」
「諦めろ。これが現実だ」
さて、このゴミどうするか…………よし、決めた。
「お嬢さん」
「はい。なんですか龍神様?」
はい?
なんで、龍神様?
“最初…………龍神の使いとかいったから?”
まあいい。いや、良くないが。
「君に聞きたいんだが…………こいつをどうする?」
「それは…………敵を取りたいです」
「そうか、ならとらせてやる」
「ふはははは、今の貴様らはボロボロだ。ゆえに今なら簡単に勝てる! 残ってるのは小娘二人と人形だからな!」
「ほぉう。いいどきょうだな…………」
「まあ、普通はそうなるんだがな…………3、2、1、はい!」
手をこれみよがしに叩く。
「な、なんだ?」
「深夜零時になりました。そして、お帰り俺の力」
「なっ、なんじゃそりゃああああああああああああ!!!!!!!!!」
はい。零時迷子の力によって完全回復しました。まさか3時間も戦っているとはな。
「さて、お嬢さんお名前は?」
「紗代。神鳴 紗代です」
「なら、紗代。君に力をあげよう。レン、チェンジ。」
「え?」
俺とレンが入れ替わる。
「えええっ! 女の子になりましたよ!」
「貴方に力をあげる。いい?」
「はっ、はい!」
「私の80%分の魔力と気をあげる。贈り物のルーン、ギューフ!」
ルーンの力によって回復したほとんどの力を紗代さんに与えてやる。
「やりすぎだろそれは!」
「すごく、力がみなぎって来ます」
「ちぇんじ」
おにぃさまにかわる。
「ふぅ、その力で奴を倒すといい」
「はい!」
紗代
私は剛鬼の前に立ち宣言する。
「母と弟の敵とらせていただきます…………」
「き、貴様に何ができる!」
「これくらいはできます。舞え、炎獄」
これは、母や炎鬼さんが得意としていた力。さらに、いただいた力のほとんどを使い炎獄は剛鬼を焼き尽くしていく。
「嫌だ!死にたくない!助けてくれ!」
「そういった人たちに貴方は今まで何をしてきましたか? 自らの罪をつぐないなさい」
「ぎゃあああああああああああ。」
お母さん、小次郎。これで、敵は討ったよ…………あれ?
炎が止まらない…………凄い火柱ができて、夜空の高くまで吹き出ています。
「さて、これからどうするかな。さすがに疲れた、面白かったが」
「たしかにな。俺はどうしたらいい?」
「基本的に本拠にいるか別荘にいるかだな。とりあえず別荘にいってみたらいいさ。中で好きな建物でもたてとくといい」
「わかった。では、さらばだ」
別荘とかいう中に炎王鬼さんは入っていった。
「あのっ、これ…………どうしましょう…………」
「レンの80%だからな…………仕方無い。相殺するか」
それから、小さな女の子が祝詞を唱えると、辺りが一瞬で氷に閉ざされました。ですが、それも一瞬で、氷も瞬時に溶けてしまいました。でも、その御蔭で、炎は収まってきています。それを何度か繰り返していると、完全に鎮火できました。
「あの、ありがとうございました。それで、もしよろしければ私の家に来てくださいませんか?」
今、私の家は私しか住んでいない事になります…………でも、家族でも無い殿方を泊めるのは初めてです。
「そうだね、お邪魔させてもらうか」
「わかった」
それから、私の家に移動する間に村長さんにことの次第を報告すると、村中で宴会騒ぎになりました。みなさんは、荷物を置いた後、その宴会に参加されるそうなので、私の家に荷物を置いた後、村の宴会に参加しに向かいました。こんなに活気がある村は三年ぶりです。
それから、二時間後シオンさんが龍神の祠の方へと向かっていきました。気になった私は悪いと思いながらおっていきます。
シオン
ふ〜ん、ここが龍神の祠か。神聖な空気が滝を通して流れてきてるな。
「これが祠か…………あれ?」
これって龍の牙?
壁に埋まってるけど…………まさか…………なるほど、ここに龍の遺体があるんだな。ん?
この気配どこかで…………ああ、あいつか。
「おい、じーさん。いるんだろ」
「ふぉっふぉ、ひさしいのシオン」
オーディンの爺さんが現れた。
「なんで、こんな所にいるんだ?」
あんたは仮にも、主神だろ。
「こやつに頼まれたんじゃよ。お主に礼と子孫をまもってくれてありがとうってつたえろってな」
「なんで、オーディンの爺さんが知ってんだよ」
「こやつは昔馴染みだからじゃ、聞くか?」
「いい、興味ない」
「そ、そうか…………」
話したかったのか?
老人は話しが好きだな。まあ、聞かないが。
「お礼じゃがな。こやつの遺体を材料に何か創ればいい。かなりの品じゃからな」
「いいのかよ、友人の遺体だろ?」
「問題ない、魂になってこの世界を見ていただけじゃし、本人ももう転生するっていっておるしの」
じーさんが、壁に埋まってた牙や骨、竜核などをとりだして渡してきた。
「なら、たしかにいただいた」
「うむ、わしは消えるな、仕事がたまっておるのでな」
「お〜がんばれ」
「お主もな」
紗代の家に戻り、借りた部屋で何を作るか考えていると、紗代が尋ねてきたみたいだ。他の連中はまだ外に出てるみたいだ。というか朝までさわぐんじゃないか?
「さて、どーすっかな」
「あの…………」
部屋の扉が開けられて、紗代が入ってくる。
「どうした?」
「お礼とお願いをしに来ました」
「お礼とお願いか。お願いからどうぞ」
さて、なにがどうなるやら。
「はい、お願いですが…………私を旅に連れて行って、剣術を教えてください」
「とうとつだね」
「すみません。それで…………お礼なんですが…………私自身をさしあげます」
「言葉の意味をわかっていってるんだよね?」
これはいいのか?
顔を真っ赤にして恥ずかしがってるけど。
「はい、貴方のご自由になさってください。私に出来るお礼はそれぐらいしか有りませんから…………」
「旅って言うけど家族は?」
「父はわかりませんし、母と弟は…………」
あ〜しまった、父もいないのか。
「あっ」
紗代を引き寄せ唇を奪う。もう、据え膳食わねば男の恥ってね。
「ん、ん…………ぁ…………」
ぼーとして、瞳も潤んでるな。
「いいだろ。剣も旅も叶えてあげるけど、辛いぞ。覚悟はいいか?」
「はい」
覚悟はいいみたいだ。
「じゃ、続きいいかな?」
「は、はい。私は貴方にモノです。どうぞお好きになさってください」
「じゃ、いただきます」
「ん」
それから、俺は紗代の綺麗でみずみずしい肌を楽しみ、紗代の身体を貪った。
次の朝…………大変だった。起きた目の前には仁王立ちしたエヴァンジェリンがいた。
「これは、どういうことだ?」
バックにゴゴゴゴゴとどす黒いオーラが見えますよ。
「なっ、なにがだ?」
とりあえず、しらばっくれてみる。
「お前の隣で裸で寝ている紗代についてだ。ああ、その布団に付いている赤い染みについても教えて貰おうか」
昨日は激しくしたしな。
「ケケケ、昨日ハオ楽シミダッタナ」
「ああ、楽しんだ」
「貴様!!!!!!」
「エヴァなんで怒ってるんだ? 別に合意だからかまわんだろ」
「そ、それは! その…………」
顔が真っ赤だな、やっぱいじりがいがあるな。
「ん…………おはようございます」
「おはよう」
「おい、紗代これはどういことだ?」
「え? え? あ、きゃああああああっ!!」
「落ち着け」
「はっ、はい」
「で、どういうことだ?」
なんとか、二人共、正気をとりもどしたみたいだな。
「えっと…………昨日は…………しっ、シオン様に、わっ、私を捧げました…………あうっ」
「し〜お〜ん〜」
「なんだ? どうして欲しいんだ? いってみ?」
「ぅ…………私にはしてくれないくせに…………新入りにはして…………もう、知らん…………うぅ…………シオンの馬鹿ぁ…………」
エヴァが泣き出した。やばい、いじめすぎたか。
「ほらエヴァ」
エヴァを抱きしめて、なでてやる。
「お前が求めるんだったらいつでも答えてやるぞ? 俺はお前のことも好きだしな」
「本当か!」
「ああ…………きゅうに元気になったな」
「うるさい。答えるといったんだ今から楽しませてもらうぞ! いままで散々じらされた分も含めてな!」
「お手やらかに…………お願いする。」
「ダメだ。搾り尽くしてやる」
エヴァに押し倒されました。焦らし過ぎた?
でも、普通はそうなるか何年じらしてたことやら。
「じゃあ、私は…………「お前も混ざれ」…………えっ、いいんですか? 私が入っても…………」
「かまわん。人間の寿命など、たかが知れている。たしか、今の日本は一夫多妻制だろう。なんの問題もない。私が一番であることに代わりが無いからな」
色々ある気はするが別にいいや。この子達がそれでいいなら。
「わかりました、喜んで参加しますね。エヴァ様」
「あと、鍛えることについてもチャチャゼロから聞いた。私も入ってやる。私とシオンとレンで鍛えてやるんだ覚悟しておけ」
「はい。よろしくお願いします」
こうして、新たな仲間と新たな関係を手に入れた俺たちは紗代の修行を行うためしばらく滞在することにした。
後書き
紗代「やっちゃいました。どうしましょう」
エヴァ「うむ、楽しかった。ところで私の永遠真剣は?」
メア「永遠真剣第○位福音。効果はD&Dにでてくるおっぱいどらごんとおんなじでひたすらブースト宣言する。あとはロー・アイアスだっけ?FATEの強力な障壁。あれを展開可能」
シオン「強すぎだな。エヴァがもつとほぼ誰も勝てないという…………」
メア「うん、あとはユエにもたせる永遠真剣魔王とか。紗代に次回もたせる予定の永遠真剣龍神と永遠真剣紅桜」
レン「どっちにしろチート」
エヴァ「まあ、フェイトとデュナミスのやつも地味に強いしな」
紗代「私のは多分下位になると思います。」
チャチャゼロ「アンケートモ、エドヘンオワルマデボシュウシテルカラナ。ツマリ、サヨガシヌマデダナ。」
紗代「不吉なこといわないでください!ただ、江戸編だけで、寿命ですから!」
メア「予定通り行くかは分かりませんが、これからもよろしくお願いします」
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