ソードアートオンライン 赤いプレイヤーの日常
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零話~序章~
前書き
どうも、アルゴさんの、台詞に時々入るカタカナの法則がよくわからない鯔安です。今回はがんばります
「『――以上がオイラの確認した情報ダ。後はそっちで決めてクレ』……よシ、これで下準備は大方ととのったナ」
薄暗く古ぼけた小屋の中、唯一はっきりと認めることができるメッセージウィンドウの中から、アルゴは慣れた手つきで《送信》をクリックすると、ちょうどそばにあった丸太に腰掛けた。ひんやりとした心地よい森の匂いがほおを撫でる。
「ホント、イイところダナ、ここは」
過疎地であるこの村は四方を森に囲まれており、近くには湖、山、それに草原と、美しい北欧の風景が広がっている。さらにとどめにはプレイヤーホームの一軒や二軒くらい建てられそうなひらけた一角も見えるので、やはりそれなりの年齢になると惹かれないはずがない。
もしかしたら将来人気になるかもしれない。
住んでみたいという気も起きないわけではないが、一軒家に一人ぽつんとたたずむ自分の姿を思い浮かべると、やめたほうがいいだろうという気のほうが上回ってしまう。第一、家なんぞ買ったとしても帰ってこられるのは一週間に一度がいいとこだ。そんなために莫大なコルをかけられるほどお金持ちではない。
――と、
ピローン
どうやらさっきの分の返信が来たようだった。確認してみると案の定、依頼者からのものだ。いや、協力者と言ったほうが正しいか。
返信の内容はこうだった。
――ありがとう。あんたのおかげでこっちも早くカタがつきそうだ。これで後は実行に移すだけになったわけだが、やはりもう一つのほうの仕込みが少し心配だ。悪いが一度、様子を見に行ってやってほしい。やり方は任せる。確立は一パーセントでも上げておきたい。
それともう一つ、ついでと言ってはなんだが、あの情報、やはりもう一度調べなおしてほしい。どうしても信じれない。料金はあんたの言い値で構わない。よろしく頼む。
――すまない――
「ククッ」
相変わらずの硬い文面と、最後に付く「すまない」の文字に思わず噴き出してしまう。
いずれの理由も察しはつくが、やっぱり普段とのギャップのせいだろうか、どうしても顔が緩んでしまってしょうがない。
そして極めつけは……料金だと。
「おカネはいらナイって言ってるのにネェ。いつになったら……って、もう五回くらい言ってるよナ……今度きっちり言い聞かせとかナイと。オイラだって……」
――と、そこで自分がいらぬことまで愚痴りかけたことを悟り、アルゴは慌てて口を押さえた。とっさに、情報屋として鍛えた《聞き耳スキル》と《策敵スキル》を発動させる。……幸い他のプレイヤーに聞かれてはいないようだ。
「いけナイ、いけナイ。情報屋がこんな大事ナ情報を漏らしちまうなんテ……オイラもマダマダだナ」
ホッと胸を撫で下ろす。
普段扱うような商品ならまだなんとか許せる範囲だが、この計画だけは別だ。死んでも外に漏らすわけにはいかない。――そんな情報をうっかり口走りかけた自分に若干の殺意までもが沸いてくる。
「アーもウ!ヤメヤメ!暗くなっちまウ」
あんまり思いつめると病んでしまいそうだ。アルゴは頭をぶんぶんと振って思考を切り替えると、サッと手を振り下ろし、メッセージ機能と半透明のホロキーボードを表示させて、すでに半分ほど頭にできあがっていた文章を打ち込み始めた。
自分で言うのもなんだが、タイピングの早さには自信がある。当然と言うべきか、情報屋という仕事を二年近くもしていると、努力せずとも上達するのだ。
こんな文が二分でかけるほどに。
――大方了解しタ。もう一つの仕込みのほうは今から向かウ。デ、調べなおす情報だけド、ハッキリ言ってコレに関してはもう何も出ないと思うゾ。ソリャ、信じられないのはオイラだってオナジだけど、この情報は確実なウラが取れてル。なんせ全員が全員そう言うんだからナ。マ、一応調べ直すケド、あんまり期待はするなヨ?
それジャ、しばらくは連絡することなくなるけド、くれぐれも健康には気をつけろヨ。オネーサンとの約束ダゾ!
追伸、おカネはいらなイって、何回言えばわかるんダ?
――じゃあネ、ナグ。
後書き
最後の、アルゴが書いたメッセージ、どれくらいで書けます?私は四分!
感想、アドバイス、過激でないだめ出し等、ありましたら宜しくお願いします
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