リリカルなのは 3人の想い
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プロローグ
前書き
まだよくわからないことが多いので、探り探りの投稿になりますが、よろしくお願いします。
「知らない天井だなってやつ?」
いや冗談抜きに知らない天井なんですけど、白い壁紙じゃなくて木目張りだし。
「テンプレかっ」
「あ?」
少し疲れたような声の方を向くと見た目20~40のおっさんがいた。
「いやいや、範囲広すぎだろ。つか20代ならおっさんじゃねえよ」
人の年代見極めるのって苦手だし。
つかこいつ誰だよそしてどこだよ、周り和室でちゃぶ台にブラウン管。………誘拐か?
「違うわ!」
まさかこいつ♂×♂所謂ホ――
「人の話を聞けぇい!!」
「んだようるさいなあ」
「誰のせいだと思ってんだ!」
「しらね」
興味もねえ。
「もうやだこいつ………」
何故か部屋の隅で膝を抱えて丸まってしまった。
「……もうやだ何なんだよやっと最後だと思ったのに、何だよ上司の尻拭いとか畜生何なんだよ………」
ふう……、いいかげんうざいなあ。
「慰めるとかしろや!」
だっておっさんが膝抱えてても………見苦しいだけじゃん。
「酷すぎるだろお前!」
「いいじゃん元気出たんだし」
流石俺だな。
「まじで何なんだよこいつ……」
また落ち込み始めためんど……もというざいなあ。
「どっちも変わんねえよ!ああもういい!無理矢理にでも話進めてやる!」
これが最近の切れやすい若者とやらか、全く怖いねえ。
「もうつっこまないもうつっこまないぞ………、いいかまず俺は神の1人だつっても下っ端だがな、今回は上司の尻拭いって事でお前を転生させることになった、特典っていうのは3個までわかったか?」
その内容に思わず愕然とした。
「まじか……」
「驚いたかまあ無理もない」
全くだった非常に驚いた。
「あんた下っ端だったのか」
「そこじゃねえだろ!!他につっこむべきとこがあるだろうが!!」
「唾飛ばすなよ汚い」
やだやだ一々大声出しちゃってさあ。
「あー――!!もう兎に角さっさと3つ願い事を決めろっての!!」
そう言って自称神(笑)はこっちに背を向けてブラウン管の電源を入れた。
まだつくのかもう地デジに移行し終わった頃だろうに。
「つーかさああんたほんとに神様なわけ?」
「さっきからお前の心読んで会話してたろうが」
「まじで!?」
「気づけよ!いや本当に気づいてなかったのかよ!?」
いや――、ぜんぜん気づかなかったわ。
「棒読みがわざとらしいんだよ」
「ちっ」
確かに心は読まれているみたいだった。
「無駄な実験してないでさっさとしてくれ、どうせ前の奴らと同じで無限の剣製だとか王の財宝だとか直死の魔眼とかだろ」
「投げやりだなあんた」
こんなのが神(笑)でいいんだろうか。
「ほっとけ」
反応が薄いのがムカつくな、よしここは一発度肝を抜いてやるぜ!
「頑張れ~」
その余裕すぐにでも打ち砕いてやるぜ!
「俺の1つ目の願いはここに林道 五也を呼ぶ!」
「はいはい………って!うええええぇい!?お前何言っちゃってんのぉ!?」
フハハハハ!度肝を抜いてやったぜ。
ドンッ!
「うお!なっ何だ!?」
声がした方を向くとそこには黒目黒髪の中の上ぐらいの顔の男がいた。
ていうか俺が呼び出したんですけどね。
「って!ここどこだよ!」
「おお、なんて理想的なつっこみなんだ」
思わず思ったことを口にすると、林道が声に反応してこっちを向いた。
「京介!これはお前の仕業か!?」
「間接的にはそうだぜ、だけど結論言えばそこにいるおっさんのせいだ」
「おっさん?」
そういやさっきから静かになっているおっさんの方を向くと、
「やばいやばいやば過ぎでしょどうすんだよ、何だよ前代未聞にも程があるだろどうすりゃいいんだよ神様!」
明らかにヤバげな人がいた。
横を見るとちょうど林道がこちらに瞬き信号を送ってくるとこだった。
これはさほど難しいものでもなく、ただ単に右での瞬きを50音の横、左の瞬きで縦を表すものだ。
「(どうする変態がいるぞ)」
「(いい医者知らない?)」
「(生憎脳外科や精神科に世話になることはなかったからな)」
何かを諦めたようにため息をついてから林道はおっさんに近づき、
「とりあえず状況の説明を頼む」
相変わらず冷静に言葉をかけた。
▼▼
「つまりあなたの上司の神が京介を含む大量の人間を存在ごと消してしまったと、そしてそのまま放って置くわけにもいかず転生と言う形をとることにして、生活資金など生きるため必要なものは保証され3つまで願いを叶えると」
いや~、話がスイスイ進んで楽でいいわ。
「そうだ、まことに申し訳ない……」
「それはいいんだが」
え? いいの? 俺死んだんだぜ?
「何で俺までここに居るんだ?」
あ、やべ。
「それはそこにいる奴が願い事1つ使ってお前を呼んだからだ」
「やっぱ京介のせいか!」
「こ、こら!狭いんだから暴れるな!」
立ち上がって掴みかかろうとして来るが、それをおっさんが羽交い締めにしてとめた。
「なあ、おっさん。林道はこの後どうなんだ?」
「ああ? しゃあねえからこのままお前と転生だな」
なるほど、なるほど、だったらこいつを籠絡するのは簡単だ。
林道にスッと近づき耳元で囁く。
「なあここで願い事叶えてもらえば、テイルズの術技を使えるようになれるんだぜ」
グ・ラ・リ
揺れた、間違いなく揺れる音がした。
「さあてどうする?」
「……………行こう」
フッ、チョロいな。
まっ、これで落ちなかったら精神攻撃的な事するつもりだったからよかったよ、流石に友達にそんなことしたくないしね。
「悪魔だ悪魔がいる……」
おっさんが何か行ってるけど気にしない気にしない。
「というか転生と言っていたがどこへ行くんだ?」
急に乗り気になった林道がおっさんに聞く。
あの急なテンションの変わりようからするに、説得されるのを待っていたな、全く日本人らしく積極性が足りないんだよ。
「魔法少女リリカルなのはだ因みに主人公達と同じ年代だ」
「「………………」」
「知ってる?」
「全然知らん」
「俺も」
やっべえいきなり先行きが不安なんですけど。
「とりあえずそれって所謂アニメとかそう言う系であってんのか?」
「まあ、そうらしいな」
おっさんの言葉を聞いてニヤリと林道の口角がつり上がった。
ありゃ絶対悪巧みしてるな、おっさんご愁傷様~~。
「俺の1つ目の願いは黒木 七海をここに呼ぶ」
「お前もかああぁあ!?」
ドサッ。
「んあ?ここどこだよ?」
空中から出てきたのはどこかのんびりとした雰囲気のイケメンだった、こちらも黒目黒髪。
キョロキョロと辺りを見回し始めた黒木はポンと手を打ち一言、
「つまりこれは転生ですねわかります」
と言って見せた。
「流石だな」
「ふっ、俺を誰だと思っている、それで何処に行くんだ?」
違う方面で話が進みやすいな。
「リリカルな世界」
「なん……だと」
あれ乗り気じゃない?
「どうした? 原作知識がないのか?」
林道が少し不安そうに聞いた。
なるほどそのためにこいつを呼びだしたのか。
「いや、原作知識はあるし問題ない。ただまあ……魔王がな……」
「「魔王?」」
その瞬間、俺は某週間雑誌に掲載されている、不良に育てられている魔王の赤ん坊の姿が浮かんだ。
「なるほどわかったぜ」
「ああ、俺もだ」
「本当か?試しに言ってみ」
何故か黒木は不安そうだ、全く心外だな。
「ベル坊」
「ミルドラース」
「ぜんっぜん違うわ!」
「「馬鹿な!!」」
「お前等いいかげんさっさと行け!!」
おっさんの半ばやけくそな声と共に浮遊感がしたと思った瞬間には落ち始めていた。
「俺まだ願い事決めてないんですけど!?」
「言ってる暇があったらさっさと決めろ!」
林道の言うとおりだった。
「じゃあ俺はFF系術技全部と変身能力!」
「俺はテイルズ系術技全部と武器召換!」
「有幻覚を作れるだけの才能と空間操作の才能、武器は魂喰いで!」
こうして俺たちは転生したわけで。
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