連邦の朝
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第3話 成長
前書き
グリーン・ワイアット大将は、連邦の中でも、ジャミトフなどのティターンズを押さえ
ジーン・コリニーやゴップとの軍閥との暗闘の末に大将になりました。
謀略や策略には強く政治センスもあると思うのですが皆様はどう思いますか?
グリーン・ワイアット改め、プリンス・オブ・グリーンと言う名前になり、三年が、経過したのだった。
一人であること確認した上で、何を自分がすべきかを整理する為に、呟くのだった。
「私が、無能であるべき分野は、政治、軍事か…。」
二つとも私の数少ない得意分野だ、これ以外には、芸術、そうか芸術か!
ワイアットはここ三年、子供のふりをしている。
ストレスが、ワイアットの心を蝕んでいて突拍子の無い事を思い付かせた。
その突拍子の無い思い付きから、少し時間が経ち、ワイアットはこの世界の母の部屋の前にいた。
フフッ……私の戦略は完璧なモノだ。
そう考えるとワイアットは、母の部屋へと入って行くのだった。
「母上。ほしいものがあるのですが。」
ワイアット渾身の演技。だが考えて見て欲しい。ここにもし、精神年齢が見えるものがいならば、妙齢の女性に、身なりがきちんとした初老の紳士が、 母上と呼んでいて、しかも幼児の様な言葉使いしているのだ。
もし本当に居たとするならば、不気味がるか、笑うか、病院を紹介するだろう。
まぁ、これが趣味の者ならワイアットを羨ましがるのだろうが……
「どうしたの?何が欲しいか言ってごらん、私の可愛いグリーン坊や。」
まるで包み込むような優しさで話しているのだが、残念ながら紳士たるワイアットには、そういう趣味はない。ただ目的の為に行動あるのみだ。
「母上からのお願いで、毛で出来た筆と紙それと染料が欲しいのですが、父上にお願いして頂けませんか?」
ついつい後半はっきりと喋ってしまった、ワイアットの背中等にに冷や汗が走る。
「えぇ!そんなものが欲しいのグリーン坊や、毛で出来た筆はわからないけど紙と染料は、準備できるわグリーン坊や。」
ワイアットは歓喜した。自らの策が成ったことに。
しかし、母タバサの話している事は理解出来なかったようだ歓喜の余りに…。
説明するならば、あの時タバサが話した言葉の毛で出来た筆はわからないとは、準備出来るかでなく何なのかがわからないと言っていたのだった。
その夜、王女と王の寝室で毛で出来た筆とは何か相談していたらしい。
あのお願いから、4日が経った昼下がり。
ワイアットの部屋の前に誰かがきた。
扉を叩く音がして、戸を開けるとそこには、そこにはタバサの姿とタバサの侍女の姿があった。
タバサが、木の小箱から取り出したのは、まさに、毛筆だった。
「母上、これが私の欲しかったものです。有難う御座います。」
ワイアットは、先日の失敗からここ最近、喋るのがうまく成ったと言うことにしたのだった。
「愛しの我がグリーン坊や貴方が頼んだものは、よくわからなかったけどこれで良かったのね?」
タバサは満足そうな笑みを浮かべ、ワイアットに聞くのだった。
対象的にワイアットは、狼狽していた。
私の完璧な戦略が失敗していただと!私がもし前世の記憶を持つと知られたら良くて実験体
普通で異端裁判、悪くて一族異端判決もしそうなれば、
アルビヨンを切り取ろうと世界中が、攻めて来るだろう奇跡が起き講和出来たにせよ天文学的数字の
賠償金を要求されるだろう。
何れにせよ、私は死ぬ。
ワイアットの優秀な頭は、瞬時にその事を考え想像出来た。
だからか、ワイアットは表情には出さなかった。
「母上それで良いのです。私の考えた通りのものです。」
ワイアットは自分の発明品とすることとした。
王族ならば、全員が優秀だと思われているからな、教養がない者達には…。
だが、ワイアットの考えは傲慢さを抜いたエリート主義、
つまりは、貴族主義この場合はノブレス・オブリージュという考え方ならば、
この時代以上の謀略、大戦争、巨大な政府等を知るワイアットとは、
この世界一、統治者に向いているだろう。
本人にその気はないようだが…。
その日からワイアットは、絵画の作成に励んだ。
ここに芸術の父、グリーンが、誕生したのだった。
後日…。
「母上の絵が完成致しました。」
ワイアット渾身の一作が持ち込まれ、出来をみて
タバサは、「魔法でわたしをうつしたの?」と聞いたという。
その日の夜、タバサが夫ジョージにワイアットの絵の自慢をしてそれを聞いた
ジョージが、ワイアットに描いてくれと回りくどく頼んだらしい。
後書き
ワイアットの今の思考判断は、自己保身と生き残ることです。
ちなみに母タバサにワイアットが描いたのは、印象画の絵で
父ジョージ二世に描いたのは、写真の様な写実画です。
余り、遠近法やその他技術を知らない世界で、
自分の知り持てる技術を注ぎ込んだのですから
芸術の父とされるのは、仕方ない事ですよね。
感想よろしくお願いいたします。
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