妖刀使いの滅殺者
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第13話
前書き
月夜の黒猫編続きです!
今回で原作の黒猫団編は終了となります!次回に多分オリジナル黒猫団+αがあるかも…?
「~♪―♪」
あの日を境に俺はサチ達が泊っている宿を拠点とするようになった。そして、夜になるとサチは俺の部屋に来て子守唄を聞くことでようやく寝れるようになったという
俺の夜の攻略やレベル上げペースは確実に落ちたのだがサチの命には代えられない。それに俺がギルドのレベル上げに付き合うことでキリトも動きやすくなり、キリトの気も軽くなったようだ
そんなある日、ケイタは目標額に達したギルド資金をもってギルドハウス向けの小さな一軒家を売りに出していた不動産仲介プレイヤー元に出かけた
俺はその日前線攻略に出ていて、キリト達だけが宿屋に居た
ギルドの残額は限りなくゼロで、ギルドハウスが買えても家具が全く買えない状況に陥っている。それを逆手に取ろうとメイサーが
「ケイタとレイが居ない内にちょっくら稼いで家具も揃えて驚かしてやろうぜ!」
この提案に苦しくも反対する者がいなかった。キリトたち5人はこれまで言ったことのない、最前線から僅か3階層下のダンジョンに向かった
もちろんキリトは攻略済みで、稼ぎの割にトラップ多発地帯であることも知っていた。が、ダンジョンの説明や案内を全て俺がやっていた事もあり、キリトは説明を怠った
順調に狩りも進み、あらかた稼ぎ終えた時、シーフが宝箱を見つけた
キリトはその時ばかりは放置しろと促したが、理由を聞かれ素直に「ここのトラップは危険レベルが一段上がるから」とは言えず、何となくとしか言えなかった
当然そんな理由で目の前の宝箱をあきらめる訳もなく、シーフは宝箱に手を掛ける――
その頃俺は、攻略のノルマを終わらせ、月夜の黒猫団の宿に向かっていた。しかし到着してみると誰も居なかった
フレンドメニューを開くとケイタを除く全員の名前が、連絡不可を表すグレーに変色している。キリトがついているから大丈夫だろうと思ったが、どうにも心の胸騒ぎがおさまらなかった。ふと視線を横にやると、メールが入っていた。確認すると
『ベネクススの洞窟で稼いでくる』
そこはトラップの多発地帯――キリトが知っているだろうが、メンバーがいつトラップに引っかかるか…
メールを閉じ、宿を飛び出した俺は≪ベネクススの洞窟≫へと向かう
シーフが開けた宝箱は案の定トラップだった。けたたましくアラームが鳴り響く
部屋にある三つの入り口からおびただしい数のモンスターが流れ込んでくる。キリトは、咄嗟に無理と判断し、結晶での脱出を叫んだが、その部屋は結晶無効化に指定されており転移結晶が使えなかった
メンバー全員が程度の差はあれパニックに陥ってしまう
最初に死んだのはシーフだった。次に根使い、槍使いとポリゴンを散らした
キリトは今まで使わなかった上位スキルを連発しだした。サチは俺に鍛えられた回避でなんとか体力をイエローに留めている、しかしそれも時間の問題だった
何とか乗り切ろうとしていた二人だがモンスターの勢いは止まる事を知らず、遂にサチの体力が残り数ドットにまで追い込まれた
――レイ、たすけて…ッ
モンスターの剣が振りかぶられ、サチは死を覚悟した。しかし、剣が振り下ろされる事はなかった
「う、オオオォォッォ!」
ゆっくりと目を開くと恐ろしくも頼れる空気を漂わせた妖刀使いがモンスターをポリゴンとさせていた
「無事か…?ってんなわけねぇか…」
ポーションを飲ませ、モンスターに向き直る
「サチ、後ろについてろ」
「…うん!」
目の前のモンスターを薙ぎ払い、一撃でポリゴンとさせる。部屋の入り口からぞろぞろと入ってくるモンスター目掛けて突撃しながら切り払う。その攻撃一撃では倒しきれない分ももちろんあるが、そんな事は全く気に留めず斬撃を止めない。モンスター共は曲刀を俺目掛けて振るうが、その攻撃すらも気に留めないで、斬り続けた。今の俺には「斬る」「サチを守る」以外の感情は全くと言っていいほどない
ある程度斬ってからその場で軽く跳ぶと黒印が赤く輝く、そして高速中の高速であたり一面を広範囲で連続切りを放つ≪電雷・圧≫を喰らわせた
着地し、硬直が解けると同時に、側面にいるモンスターに黒印を突き立てる、そしていまだけたたましい音を響かせる宝箱を破壊し、残った雑魚をかたずけにかかる
「キリトぉ!半分任せる!」
「あ、あぁ…」
「サチ!しゃがめぇ!」
サチがその場でしゃがみ込む。それを確認する暇もなくスキルを発動させた。黒印を鞘に納め、モーションを感知させ広範囲かつ高ダメージの≪居合・真≫を見舞う
そのご、サチを守り続けながら雑魚を全てポリゴンへと散らせた
3人で呆然と宿に向かった。帰り道、サチはずっと泣いていた。その頭を何度も何度も撫でて帰った
宿に帰ると新しいギルドハウスのカギをもって俺たちの帰りを待っていたケイタは困惑した目で死んだ3人について尋ねてきた
俺とキリトは全てを話した。キリトがベータテスターな事も、レベルも全部
全てを聞き終わるとケイタは一言
「お前らに関わらなければ…みんなは…」
そう言って俺達の目の前で柵を飛び越えその身を自らポリゴンへと変えた
後書き
雨の日「たった2話だったけど原作の黒猫団編しゅーりょー!」
サチ「原作の?」
雨の日「原作の」
サチ「じゃあまだ黒猫編は…」
雨の日「さぁね、続きがあるかも知れないし、ないかもしれない」
サチ「うぅ~けちぃ」
雨の日「ふははは、なんとでも言うがいい!」
サチ「…」ジャキッ(槍準備)
雨の日「○◆¥-^x「。!?」
サチ「…じゃぁ、次回もお楽しみに!」
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