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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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二章 やんちゃ王子の観光
  2-11古代の浪漫を巡る

「ここの魔物は外よりも強いな!」
「洞窟や塔など、魔物の巣窟(そうくつ)となる場所は、強い魔物が縄張りとするために、外よりも魔物が強くなると言われておりますな。ふむ、この文様(もんよう)は。実に興味深い」
「洞窟の奥から、聖なる気配と、微かに混じった邪悪な気配を感じます。黄金の腕環でしょうか」
「遺跡の魔法陣を用いて、封印などしておるのかも知れぬの」
「古代の魔法陣ですか。楽しみですわ」

 アリーナは楽しく魔物を蹴散らし、ブライとクリフトは遺跡の柱や壁を観察しては考察し、たっぷりと時間をかけて、一行は洞窟の奥に到着した。

 遺跡の最奥(さいおう)には魔法陣があり、その中心に置かれた宝箱に、黄金の腕環は封じられていた。

「魔法陣がありましたね。きちんと機能しています。素晴らしいですわ」
「聖なる力ゆえ、魔物どもには傷付けられぬのじゃろうの」
「現在のものとは、かなり構成が違いますね」
「このあたりは共通するじゃろうて」
「ではこちらは」
「俺、その辺で戦ってるから。」

 ブライとクリフトが心行くまで魔法陣を検討し、その間もアリーナは魔物を倒し続けた後、腕環を回収して町へと帰還する。


「充実した一日だった」
「良いものを見ましたわい」
「勉強になりましたわ」

 偽王子が攫われ、通常営業を再開した宿を取る。

「手紙には明日の夜とありましたから、少しゆっくりできますね」
「まずはフレノール料理じゃの」
「明日の日中は、色々と見て回りたいですね」
「俺は戦いたいのだが」
対岸(たいがん)の異国の町は、町を出て東に向かわねば見られませんからな。戦えますぞ」
「ならばそれでいこう」

 翌日中は、街中を観光し、異国の町が見える河岸に向かい、ほどほどに魔物と戦って、夜を迎える。


 夜の墓場には、悪漢たちが待ち構えていた。

「どうやら、約束の物を持ってきたらしいな。早くこっちへ寄越しな!」

 悪党を信じて、先に渡すというのもなんだかな。
 わざわざ、追われるような真似もしないか。

 黄金の腕環を投げ渡す。

「確かに受け取ったぜ。じゃあ、王子は返してやる。あばよ!」

 悪漢が偽王子を突き飛ばし、アリーナが受け止める。
 ブライが魔法で悪漢を仕留めようと狙いをつけるが、すぐに闇に紛れて果たせない。

 偽王子の猿轡(さるぐつわ)を外してやる。

「助けてくれてありがとう。あーあ、もう王子様なんてこりごりだわ。」

 やはり、そうか。 
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