ヘタリア大帝国
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TURN60 義兄と義妹その三
そのUSJでは今イザベラがアメリカに対して毅然とした態度で敬礼をしていた、そのうえでこう彼に言うのだった。
「では」
「うん、君も一緒に戦ってくれるな」
「私はガメリカ国民です」
そのガメリカ軍の軍服を着ての言葉だった。
「それならばです」
「そうか、それならだ」
「共に戦いましょう」
「うん、ただ」
「ただ?」
「正直なところミスターはどうにかならないかな」
アメリカは今は敵になっているルースを気にかけて言った。
「今はああだけれどいつも僕達のことを気にかけてくれているしね」
「悪人ではないというのですね」
「当然戦争犯罪は駄目だぞ」
アメリカはこのことには厳しかった。
「しかし大統領はそれもしていないしな」
「では」
「とりあえず命は助けてくれたら嬉しいんだがな」
「それは君達が決めることだな」
東郷はアメリカのその言葉にこう告げた。アメリカとイザベラの会談に彼も同席しているのだ。
「ガメリカの祖国、そして国民の君達がだ」
「そうなるか。とりあえずもう少ししたら大統領選挙だ」
ガメリカの国家元首を決めるそれである。
「それでどうするか決めよう」
「そうですね。今お話することはではないですね」
イザベラもアメリカのその言葉に頷く。
「それでは」
「よし、今はな」
「さしあたっての攻勢に入るべきですね」
「これからシカゴ、テキサスを攻める」
東郷は二人に太平洋軍の戦略方針を話した。
「そしてニューヨークも占領し」
「最後にワシントンだな」
「そのつもりだ」
東郷はアメリカに話す。
「それでどうだろうか」
「それでいいと思う。それではだ」
アメリカも東郷の言葉に頷く。イザベラはその彼に言うのだった。
「私は実は」
「これまでずっと太平洋軍にはいなかったな」
「はい」
参戦していなかった、しかし今参戦した理由は。
「ですが祖国さんが来られたなら」
「ガメリカ国民としてだね」
「そうさせてもらうことに決めました」
「悪いね、気を使ってもらって」
「気を使ってはいません、どうしても私にはできなかったのです」
例え日系人とはいってもガメリカ国民だ、だからだというのだ。
「祖国さんと共に戦わないということは」
「別にそこまで気を使わなくていいぞ」
この世界では敵の捕虜になればその敵軍に加わることなぞ普通だ、だからだ。
「だがそれでもだ」
「それでも?」
「一緒に戦えるのは嬉しいな」
アメリカはまたイザベラと共にそうできることは素直に喜んでいる。
「キャシー達もいるし。今度皆でパーティーをしよう」
「お酒は何にしますか?」
「ははは、決まってるじゃないか」
酒の話には陽気にこう返すアメリカだった。
「バーボンだよ。ガメリカの酒だよ」
「そしてハンjバーガーも用意して」
「楽しくやろう」
アメリカはイザベラに笑顔で言う。太平洋軍にまた一人優れた提督が加わっていた。
キャロルはテキサスの中を必死に逃げ回っていた。
「いたか?」
「いや、いないぞ」
「この辺りにいる筈だがな」
「一体何処に隠れたんだ」
追手の黒服の男達がビルとビルの間を見回している。
「案外隠れるのがお上手だな」
「プレジデントは無事なままでワシントンに連行しろと仰ってるが」
「果たして満足に見つけられるか」
「それ以前の問題だな」
彼等はキャロルが予想外に隠れることが上手いことに舌打ちをしていた、とにかく彼女は見つからない。
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