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ワンピース -炎とゴムの姉は虫(バグ)-

作者:nyonnyon
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転生~原作開始までの道のり その4

 こんにちは。 モンキー・D・アモスです。
 今年で25歳になりました。 もういい歳です。 そろそろ結婚とかも考えたい年頃ですよ。

 しか~し、私に浮ついた話など一切ない!!! うん、じいちゃん、まだO・HA・NA・SHIが足りなかったか……。

 さてさて、私が25歳になったということは、エースは20歳になって、ルフィも17歳か。 そろそろ海に出る頃かな? エースも確かそれぐらいに海に出てたし。 あ、エースに聞いたんだけど、サボのことは残念だったと言っておこう。

 天竜人の前を通りすぎちゃったんだから仕方ない。 私なら問題ないけどね。

 え? 冷めてるって? ……長い転生人生だと仲間が死ぬことなんてザラなんだよね。 もう、前向いて進んでいくしかないってゆーか。 あんまり気にしすぎると体に良くないしぃ。

 そんなわけで、今回はそろそろ海に出るであろう、ルフィに会いに行こうと思います。

 と、途中までは良かったんですけどねぇ。

「海軍だぜ!!! お頭!!!」
「おいおい、女一人じゃねぇ~か。 こりゃあ丁度いいや。 長い海の生活、そろそろ性活も充実させてぇと思ってたところだ!!! 海軍なら日頃の恨みもぶつけられて丁度いいや! お前ら、ヤッちまうか!!!」

 あ~、変な海賊団に絡まれてしまった。 なんだこいつら。 私は弟に会いに行こうとしてるんだが……。 邪魔するなよ。

「おいおい、海軍のネェちゃん。 ちょっと俺たちと遊んでいかねぇか? 今なら懸賞金1億3000万ベリーのこの俺【大嘘吐き】のウッソ・D・ヨーン様の女にして飼ってやるぜぇ? 破格の好条件だろ? 海軍なのに生かせてもらえて、しかも毎日イカせてもらえるんだぜぇ!! へっへっへ」
「ギャハハハ、チゲーネーですなお頭!!」

 私抜きで話を進めるなよ、海賊。 それとなかなかの巨体だが、懸賞金2億にも満たない雑魚がいきがりやがって。

「あ~、海賊共ぉ。 私はちょぉぉぉぉっと弟に会いにいく用事があるんだ。 今日は潰さないでおいてやるから、道を空けろぉ。

 空けないなら全力で潰すのでそのつもりでいろよぉ」
「何言ってやがんだ、あのアマ。 俺たちはトータルバウンティ4億ベリーを越える大海賊団だぞ? 恐怖で頭がおかしくなっちまったんじゃねぇの?」
「ギャハハハ、チゲーネーですなお頭!!」
「海軍のねぇちゃんよぉ、道はここで行き止まりですよぉ」

 おい、下っ端1、お前さっきと同じこと言ってないか? もしかしてそれしか言えないモブだったりして……。 いかんな、思考が旧RPG世界寄りになってしまっている。 あの世界は辛いんだよ……。 おっと、それよりも道を空ける気はないみたいだ。

 ほう、私と弟の感動の再会を阻もうというのか……。 いい度胸だな。 今日は潰さないでおいてやろうかと思っていたが、やめだ。 全力で潰してやろう。

 ゴウ! っと私のまとう雰囲気が変わる。 それと同時に下っ端連中が泡を吹いて倒れだした。

 それを見てウッソの顔色が変わる。

「このアマ、何をしやがった!!!」

 コイツ、覇気も知らないと見える。 そんなんでよくグランドラインに来ようなんて思ったもんだ。

 そして、よく、この私の、前に、立ち塞がろうなどと、

 オモエタモノダナァアアアアア!!!!!!!!



 バッ!!! っと、一気に羽を展開して飛翔。
 「悪魔の実の能力者か!!!」とかウッソが叫んでいるが知らん。
 そのまま一気に上空からウッソめがけて急降下。

「鉄腕……【拳骨地獄】!!!!!」

 急降下の勢いをそのままに、じいちゃん直伝の拳骨をウッソの頭部に叩き込む。

 ドゴン!!!

 あたりに響く轟音。 なぜか舞い上がる砂埃のような映像効果。
 地獄というには一発だけでは? とよく言われるこの技。 実際には数百発の拳骨を叩き込んでいる。 あまりに早すぎて音が一発に聞こえてしまうのである。

 メギィ!!!

 と、人体ではありえないような音がウッソの体から響き、頭部が消失する。
 いや、あまりの衝撃で人体が耐え切れず、そのまま完全に頭部がその巨体に陥没してしまったようだ。 当然生きてなどいない。 

 あまりの早業。 あまりの出来事に呆然と立ち尽くす海賊共。
 そんなことはお構いなしに羽を広げる。 羽から陽光を浴びキラキラと輝く粒子が放たれた。

 呆然としていた海賊共には、幻想的な映像であっただろう。

「毒鱗粉……【永久(おね)の眠り(んねの)への誘い(時間よ)】」

 何とも可愛らしいネーミングのこの技。
 しかし、可愛らしいのはネーミングだけである。

 海賊船を包む毒鱗粉がもたらした効果は絶大。 海賊共はもがき苦しみ、喉を掻き毟る者達、 心臓を抑え、うずくまる者達、目や耳から鮮血を迸らせる者達など、全員が非道い有様である。 誰ひとりとして逃げ出すことを許されない。
 麻痺毒も織り交ぜられているので、下半身が言う事を聞かず、その場でもがくしかない。 既に何人かは息を引き取ったようだ。
 そんな海賊達の合間を悠々と歩く。

「アガ……、おた……すk「口を閉じろ。 薄汚い海賊共が。 私を性欲処理の道具にしよう等とよく言えたものだな」ぇえええ」

 助けを求めて来る海賊共。 悲痛な叫び声を上げているがそれすら煩わしい。

「黙れと言っている」

 硬く結んだ拳を、助けを求めてきた海賊に振り下ろす。
 ベゴッ!! という音と共にその海賊の頭部は甲板に沈んだ。 残った手足がビクッビクッと痙攣してるが、どうでもいい。

「貴様らはもうしゃべるな。 息をするな。 さっさと死ね。 死んでもどうせなんの役にも立たんクズ共だろう?」
「たしゅけ……「うるさいぞ、クズが!!! 貴様らは私と弟との感動の再会を邪魔するという、死んでも償いきれん罪を犯した!!! ここで全員私が甲板に沈めてやってもいいんだが、生憎私には時間がない。 放置しておいてやる。 自分の罪の深さを思い知りながら、クズらしく死ね」……」

 私の一喝により、絶望にもにた表情を浮かべる海賊共。 そんな顔をみて喜ぶ私ではない。

 さっさと軍船へ戻り、船を走らせた。
 ルフィ、おねえちゃんがもうすぐ会いにいくよぉおおお!!!


◇◆◇◆◇


 こうして【大嘘吐き】の『ウッソ海賊団』は消滅した。 死亡した海賊達は皆、糞尿をまき散らしながら、もがき苦しんだような跡があったと言われている。
 後に海賊船の後処理に訪れた海兵たちの会話がある。

「今回の海賊って結構有名な奴らですよね?」
「そうだな、グランドラインでも最近名前が売れ始めて来たやつらだよ。 お!? これだこれだ。 結構でかい船だな。

 よっと、……あぁ、……こりゃアモスさんの仕業だな? お~い、訓練学校生達の船をこちらに持ってこい。 遺体処理をしてもらうぞ。 アモスさんとこの遺体処理に慣れりゃ、他のとこは比較的楽だって思えるようになるからな」
「うわぁ、あの人ホント容赦ないっすよね。 俺、訓練学校生の時、何度か一緒に海賊討伐に行きましたけど、正直、話したくないぐらいグロイやり方しますからね」
「そうだな。 おぉ~い、訓練学校生にはちゃんと伝えとけよぉ? 今回の遺体はアモス中将製だって」
「普段は滅茶苦茶美人で、優しいし、みんなにも人気のお姉さんなんすけどね?」
「怒らせると滅茶苦茶怖いからな。 お前、【鬼教官】モード見たことある? あれ、死ねるぞ」
「ガクブル……あれはダメだぁ。 あれは危険だぁ……ブツブツ」
「コイツ、被害者だったのか……」

 そんな、海兵たちのやりとりがあったとか、なかったとか。


◇◆◇◆◇


 変な海賊団に絡まれて余計な時間を食ってしまった。
 本部には潰したって連絡を入れてあるし、問題無いだろう。

 さて、やって来ましたフーシャ村!!!

 ルフィ!! お姉ちゃんデスヨォオオおおお!!!!!


 マキノさんがやっている酒場に突撃。 この時間ならルフィはここにいるはずである。

「ルフィいいいいいい!!!! おねえちゃんですよぉおおおおおおおお!!!!! あ、マキノさ~ん。 お久しぶり~」
「あら? アモスちゃんじゃない、お久しぶりね」
「なんじゃ? アモスの嬢ちゃんかい。 大きくなったねぇ」

 おお、村長まで。

「村長!!! お久しぶり!!! で、ルフィは? ルフィは?」
「あぁ~、その、なんじゃ……」
「アモスちゃん、そのぉ……、ルフィくんなら、一昨日村を出ていったわよ?」



 ……え!? …………。



 その日、海軍本部元帥の部屋に、大声で喚き散らす女性の声が響いたとか……。 
 

 
後書き
4/2 タイトル修正 最終話→その4 
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