吾輩は猫である
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無印
吾輩、猛虎になる
吾輩は今、最初目覚めた森の中ににいる。
何故ここにいるかというと――――
回想入りマース
ああ……もうそんなにモン〇チ喰えないよぉ……むにゃむにゃ……zzzz
「カオス今日こそ倒してやる!!」
んあ? ……また美緒か、懲りない奴だな。
『負け猫の風情が何を言う』
「お前を倒すために辛い修行をしてきたんだ! うおぉぉらあぁぁぁぁ!!」
ふふふ、ただ殴ってるだけじゃ吾輩に勝てるわけがないだろ。
美緒の拳を華麗に躱し、後ろに回り込みそのまま背中に体当たりをかます。
「ぐほっ!?」
『そんな単調なパンチじゃ吾輩に一撃も入れられんぞ~』
「うう……なら、これでどうだ!」
その異常な身体能力をフルに使い、目にも止まらぬ速さで吾輩の目の前に高速移動してきた。
これ恭也や美由希の使ってた神速じゃね? お前いつそんな技覚えたんだよ。何天才なの? いつかゴキブ
リ師匠の走法覚えるの?
「必殺!」
必殺? 何かすっごいパンチとか?
「虎王(未完成)!!」
それ猫にする技じゃないから!?
美緒が吾輩を蹴り上げ、左足を首にかけられた。
「うりゃあぁぁぁぁ!!」
そして右膝を吾輩の顎に打ち込んでくる。だが―――
「にゃッ!」
鉄より硬い吾輩の体には無意味だがな!
これは相手の攻撃の威力が高ければ高いほどダメージを多く与えられる。これで美緒の足は使えない、俺の勝ちだ。
「うぐッ! せめて尻尾だけでも……ッ!」
無駄無駄、お前の力じゃ薫みたいに吾輩の尻尾は落とせまい。
ブチッ
「あれ?」
『うぎゃあぁぁぁぁ!?』
何か千切れる音が聞こえ、激痛が全身を襲った。これはまるで薫に尻尾を切り落とされた時と似ている。
吾輩は痛みを感じるとこを見るとキュートな尻尾が根から無くなっており。
美緒の手には引き千切られたであろう吾輩の尻尾が握られていた。
「え? え? もしかして私カオスを傷つけられた? や、やったー!!」
美緒が吾輩の尻尾を握り締めながら喜んでる。
そんなことよりとっととその尻尾を吾輩に返せ。
「薫と那美に霊力の操り方を教えてもらっといてよかった~♪」
やっぱり薫達に教わってたか……那美め、今度アニモ〇ダ カーニー・オーシャンの全シリーズを7缶ずつ奢らせよう。
「くくく、カオスこの尻尾を返して欲しい? なら今まで私にしてきたことを土下座して謝ってあらわないとね!! ハッハッハッハ!!」
ブチッ
「ハッハッハ……ハ? あれ、カオス、どうしたのだ? そ、そんな怖い顔して……え、えっと冗談だから、返す、返すからキレないで!!」
テーレッテー
「!?」
手を交差させながら力を溜め、ゆっくりと美緒に肉球を向ける。
「ひぃ!」
肉球から謎ビームを放った。
「うっ!?」
『にゃん斗無情破顔拳』
「な、なにが……」
『ただ痛みを感じ続けて逝くがいい』
これを食らうと全身が捻じ曲がり、逝くまで痛みを感じ続ける。
「にぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ!!!?」
回想終了デース
まあ、こんなことがあって鍛えるためにここに戻ってきたが相変わらず小動物が全然いないな(だいたいこいつのせい)。
え? 美緒はどうなったのかって? 那美の懸命な治癒のおかげで一命を取り留めたよ。ギャグじゃなかったらバラバラになってたと思うがな!
そのあと美緒がずっと「テーレッテー怖い、テーレッテー怖いよ~……」と言い続けてたけど気にしない。吾輩なんかその後薫に月牙天〇もどきを連発されてボコボコにされたしな、実に理不尽だ。きっと薫はいつか十六夜を持って「卍解!!」って叫び、変な髑髏の仮面を着け始めるに違いない。
あの技薫には効かなかったんだよな、霊力が高いやつはロックできないのかな……それとも薫がすごいのか……後者だなうん。
やっぱり2年も経つと雑草が生い茂ってるな。
修行の邪魔になるからまた更地にしてやんよ!
………猫除草中………
うえぇ……喰いすぎた……頑張ったおかげで結構広い更地ができた……ゲプ
さて修行という名の変化を始めよう。
とりあえずヴァジュラを思い浮かべながら体を変化させていこう。
うおおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ!!
……どうだ?
「ミ ゚Д゚彡にゃ~ん」フサフサ
うん、立派なたてがみが生えたが体格はそのままだな畜生。なんだこのポンデライオン。
全身真っ黒だからたてがみがまったく目立たないし……
次は体を大きくするか、これである程度ヴァジュラっぽくなるだろう。
うにゃあぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁ!!
いけたかな?
「にゃーーん(低)」
たてがみが無くなり体だけが大きくなったよ……ただの黒いジャガーじゃん……
先にマントを作ろう、ヴァジュラ系といったらマントだよな!
はにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!
よし手応え有り!
「がおー」ヒラヒラ
おお、しっかりとしたマントができてる。やっぱヴァジュラはマントがないとだめだよな。
なんか声帯も変わってるし、これはいい調子だな。
さて、次は足の篭手みたいなのと顔の仮面みたいなのを作るか。
えっと……牙を伸ばして……骨みたいにして……
がおぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉん!!!
どうだ!!
おお、できてる! それにしても真っ黒だな……てかこれディアウス・ピターじゃね?
あれ、吾輩ヴァジュラになろうと思ってたらいつの間にかピターになってたでござる。
もういっそのことピターになるか……髭生やしてっと……完成!!
マントが黄色くないし、髭等ところどころにある白い体毛もないが見た目は完全にピターだなこれ。
違うとこをあげるならピターほどおっさん顔じゃないとこだな、これは嬉しい誤算だ。まだ若いのにあんなおっさん顔なんていやだし。
それにしてもよく見るとなんかライオンぽくないな……むしろ虎っぽい……あれヴァジュラって虎がモデルだっけ?
……ライオンの檻の隣にあった虎の檻も襲っといてよかった。
そしてその後体の調子を確かめるために跳んだり、バク宙したり、左右から繰り出す高速の虎パンチなどを繰り返して5日が経った……
「が、がう……」
は、腹へった……
あまりにもピター形態が楽しすぎてご飯を喰ってないのだ!! それはもう餓死寸前!!
ああ、まさか前にも餓死しかけたとこでまた餓死しかけるとか……吾輩ってばホント馬鹿……うっ!……ガクッ
オートファジーがなかったら死んでた。
いや~影の薄いグルメ細胞だけどここぞって時に活躍してくれる。さすがグルメ細胞さんやで!!
まあ、影が薄いのには変わりがないんだけどな。
ここにいても喰えるのは虫と草しかないし帰るか……待ってろよ薫! 今までの仕打ちをこの新しい力でお前に仕返ししてやる。
さすがに電撃はまだ撃てないが、今度発電機でも喰えばできるだろう。威力は別にして、体に電気を纏わせて突進すればいいだろう、まるでボルテッカーのようだなんて言わないでくれ吾輩も思ってるから。
さて、帰るか……
「キャーーーー!? か、怪物が出たーー!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁ!? こっちに来るなぁぁぁぁぁ!!」
やべぇ、戻るの忘れてた……さらばだ諸君!
「おい! 逃げたぞ! 早く警察かゴルゴを呼べ!!」
「ゴルゴはいなかったが独歩館長ならいたぞ!!」
待て、なんでこんなとこに独歩先生がいらっしゃるんですかぁぁ!? 確かに虎ですけど!!
ひぃぃぃぃぃぃ!! 追いかけてくるぅぅぅ!! いやあぁぁぁ来ないでえぇぇぇぇ!!
ああ、なんとか逃げられたよ……素早く猫に戻れてよかった。できなかったら首をへし折られてたな……
大丈夫だとは思うが……きっとこの世界の独歩は気とか使えるに違いない。
「ん? カオスお帰り~今までどこに行ってたの?」
おっ、那美だ。玄関の掃除なんかしてるが学校はどうしたんだ?
「にゃお~ん(森へ修行に)」
「まぁ、猫の言葉なんて分からないけどね」
解せぬ。
「はぁ……なんか虎の様な化物が出て、顔中が傷だらけのおじさんが追いかけてるから学校がお休みになったのはいいけど、突然休校になったからすることが全くないのよ……はぁ……」
すいません。その虎の様な化物で顔中が傷だらけのおっさんに追いかけられてたのは吾輩です。本当に申し訳ないm(__)m
「あれ、カオスなんで地面に頭を擦りつけてるの? 猫の習性?」
ああ、伝えたいことが伝わらないこのもどかしさ……プライスレス。
「薫ちゃんと恭也さんがその化物を探しにいったんだよ。私も行くって言ったら危ないかもしれないからダメ! だって、私だって頑張れば化物の一匹や二匹倒せるもん。ねえ、カオスもそう思うよね?」
そうだな―――――
「があぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!!」
「覚悟してください化物! うおりゃあぁぁぁぁぁぁあぁ!! あれ、あ、わ、うわぁ!」
走った先の小石に躓き化物の前に倒れこむ。
「へぶッ!!?」
「ガルルルルルルルルル!」
「あの、えっと、仕切り直しせんか?(ニコッ」
「ガアーーーーーーーー!!」
「きゃあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」
――――うん。
「にゃん(無理だろ)」
「やめて! そんな無理だろってな目で私を見ないで!?」
ジーー
「うう……はい、すいません……私はドジで間抜けでここぞってときに大失敗する子です……ぐすっ」
「なう(よろしい)」
くくく、それにしても薫は町に行ったか。帰ってきたらお前をボコボコにしてやるからな! 首を洗って待ってろよ薫!!
今回の食事
雑草
後書き
ヴァジュラを今までライオンがモデルだと思っていた古々です。
知り合いに指摘されるまで気づかんかった。は、恥ずかしい(/ω\*)キャッ
ついに無印突入まだジュエルや運命さんは出てないですけど、多分、きっと、もしかしたら次で出るかもしれません。
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