DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第1章:王宮の戦士とヲタ少女
第5話:夫婦の絆はエロかった!
(イムル村)
結局お風呂を堪能出来なかったマリーは、覗き魔を自らの手でイムル村の牢獄に叩き込む。
番兵に『ヤツの目玉をえぐり出しとけ!』と指示したのだが、冗談にしか受け取られず笑って終わらされた。
その際に、村のパン屋からパンを盗んだ為、投獄されている男に話しかけられる。
「お姉ちゃん……おじちゃん……ボク悪い事してないよ。お腹がすいただけなんだよぉ……え~ん、此処から出してよ……」
番兵や村の者に聞くと、『子供のフリをして罪を逃れようとする不埒なヤツ!』と言う事だ。
ライアンは無視して立ち去ろうとしたのだが……
「ねぇ君、お名前は?何処から来たのかしら?」
見た感じ100%年上の男相手に、子供と話す様な口調で問いかけるマリー。
「ボク、アレックス! あのね、バトランドから来たんだよ!」
初めて優しく話を聞いてくれたマリーに、慌てて自分の事を説明する男。
何故イムル村周辺に来たのか、バトランドでは何をしていたのか……そこら辺は記憶が定かではないのだが、アレックスは懸命に説明する。
最初は時間の無駄だという思いで眺めていたライアンだったが、“バトランドのアレックス”という言葉に、何やら思い出した様子だ。
なお、マリーは……急に慌てだしたライアンを含み笑いをしながら眺めていた。
(バトランド城下町)
ライアンSIDE
まさかあの様な場所で情報を入手出来るとは思わなかった。
バトランドを出立する直前に、夫の行方を捜してほしいとフレアに頼まれなかったら、完全に無視しているところだったろう!
だが何より、あんな頭のおかしい者の話を聞こうとするマリーの優しさが、今回の情報を引き出したのだろう。
やはり我々は、絶妙なコンビなのだ!
しかもマリーは、旅のし易い服装を買い揃えており、移動スピードも向上したのだ。
当初はカーディガンと赤いワンピース姿に、ヒールの高い靴という可愛らしい恰好であったが、現在は全身を覆う様なマントを身に着け、靴も歩きやすいブーツへと変更されている。
ちょっと残念なのは、胸の谷間とフトモモの露出度が低下してしまった事だ……
とは言え、イムル-バトランド間を1日で移動出来るのはありがたい。
早朝にイムルを出立すれば、日が暮れる前にバトランドに辿り着いたのだがら。
人通りも疎らな夕刻……
夫の帰りを待ち侘びるフレアの自宅を訪れ、アレックスの居場所を告げる。
「そ、そんな事に……!?」
あまりにもショッキングな事実に、フレアも戸惑いを隠せない。
本人の精神が不安定な為、連れ帰る事も出来なかった旨を伝え、謝罪をするが……
「戦士様。私をアレックスの下へ連れて行って下さい!」
突如、決意の篭もった表情で、我らに同行する事を告げるフレア!
「な、何を言っておるんだ!? バトランドからイムル村までは、結構な距離があり大変危険なのだ! 旅慣れしているマリーなら問題はないが、貴女は素人であろう……そんな危険目に遭わせるわけにはいかない!」
「どうかお願いします! イムルへ連れて行って頂けるだけで構いません! 私はどうしてもアレックスに逢いたいのです……彼の事を愛してるのです!」
私の断固たる拒絶も“愛”と言う名を纏ったご婦人の前に、脆くも揺らいで行く……
助けを求めようと思い、マリーに視線を向けると……
「解りますわその気持ち! 愛しい人の為に、少しでも何かをしたいのですよね!? ライアンちゃん、私達でフレアさんをお守りし、イムル村へ連れて行きましょうよ!」
恋する乙女は最強なのだろう……朴念仁の私では到底敵うはずもなく、済し崩し的にフレアの同行が決定されてしまう。
まぁ、ご婦人の一人も守れずに『王宮戦士』を名乗るのも烏滸がましいだろう……ここは私の実力をご婦人2人に見せる場であろう!
「では早速仕度をしてきます。少しお待ち下さい!」
そう言うとフレアは、そそくさと家の奥に向かおうとするが、
「ちょっと待ったー!」
大声でそれを阻むマリー。
「フレアさん……私達、早朝にイムルを出立し、1日かけてバトランドへやって来たの。流石に今夜一晩は休ませて下さいよ……こんな強行軍状態でイムル村へ戻るなんて、勘弁して下さいよ……明日の朝一に迎えに来ますから、今夜は宿屋へ泊まりたいと思います」
「………そ、そうですよね……ごめんなさい……あの人を想うあまり、気だけが焦ってしまい………そうだわ、今夜は我が家に泊まっていって下さいませ! そうすれば明日の朝、最も早い時間に旅立つ事が出来るはず。無駄を省く事が出来ますわ」
ご厚意は嬉しいが、独身の王宮戦士が夫不在のご婦人の家に、一晩厄介になるのは拙かろう……
そう思い断ろうとしたのだが、
「ありがとー! ベッドって3つもあるんですか? 無いのなら私はソファーでも良いですよ。あ、そうなるとライアンちゃんは床で寝てね!」
と勝手にマリーが話を進めてしまった……
済し崩し的に一晩厄介になる事となり、剰え暖かい手料理と風呂までもご馳走になってしまい、恐縮の極み。
マリーといい、フレアといい……私は安全な男として見られている様だ……少し複雑である。
ライアンSIDE END
(イムル村)
マリーSIDE
どうやら“フレア”という名前の人には、一途な女性が多い様で、彼女もまた夫の為に危険を顧みない。
周囲の敵が弱すぎて、私一人でも問題ない状況……ライアンちゃん一人が気張った感じで、無事フレアさんを無傷で到着させました。
とは言え、途中一泊をフィールドで過ごし、翌日の昼過ぎの到着は、一般人の足の遅さを物語る。
またも眠れぬ夜を過ごしたライアンちゃんを尻目に、直ぐさま牢屋を目指すフレアさん……愛は人を盲目にさせる。
「アナター!」
「おばちゃん誰?」
牢屋に着くなり、アレックスさんの牢へ叫び寄るフレアさん。夫婦の温度差が笑える。
「そんな……私の事を憶えてないの!? あんなに毎晩愛し合ってるのに!?」
でかい声で言う事じゃないな……
あぁ……マイパピーの愛人ズも、ところ構わず言い出しそうだ……
「こ、これならどう?」
自分の身内の事を考えていると、突如フレアさんが上半身裸になり、アレックスさんの頭をその巨乳で挟み、両サイドから圧力をかけだした! ……つまりパフパフね。
別の牢には、例の覗き魔も収監されており、鉄格子に顔を押し付け食い入る様に眺めている。
悪事を働いた割には、とんだご褒美になった様だ……
やっぱり凍り漬けにすれば良かったわ。
「……うお! ……こ、この感触は!? ……フ、フレア! ………フレアか!?」
「そうよアナタ! 私よ…アナタの妻のフレアよ!」
何だ?パフパフで妻の事を思い出すって……コイツの脳みそはどうなってるんだ!?
マリーSIDE END
後書き
エロは最強です!
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