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演劇やってたら魔王になっちゃいました!

作者:ユウスケ
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1話 おっさんは演劇のプロだった!BY主人公

数十年前。

イタリヤで偶然、魔術師が発掘していた古代遺跡に棺が発見された。
棺のフタは開かず、名も刻まれていなかった。
だが、棺のあった部屋の壁にはこう記されていた。

数多の神々を殺戮し、人間に自由を与えた男


   アロウン


伝説上であったそれを発見した者達は、伝説の眠る棺を厳重に保管した。

しかし何年もの時が過ぎた現在、魔術結社のグランドマスター達と多くの魔術師達により
伝説は復活した。

ある者は己の欲望の為に。

ある者は男が殺し、復活した『まつろわぬ神』と
カンピオーネ達の対抗策として…。



ー主人公視点ー

おや?おやおやおや?なんぞこれ?
子供相手の劇じゃないの?
周りおっさんだらけ……でもないな金髪美女や銀髪美女もいる。
つーかここ何所?
何で皆驚いた顔をしてるの?
疑問は尽きないし困惑する俺だが、もしかしたら演劇の一部ではないかと考えたり
全ては仕組まれたことで、あたふたする俺を見て皆が楽しむドッキリなのでは
ないかと思い、今まで培ったポーカーフェイスで動揺を隠す。

「申し訳ございません、アロウン様。しかし御身の御力をどうしても
貸して欲しく、深い眠りについていた貴方様を目覚めさせたしだいでございます。」

近くに居た髭のおっさんが傅きながら演劇のセリフに近い事を言ってきた。
ふむ、どうやら演劇は続いているらしい……のか?
疑問は消えないが、とりあえず芝居を続ける事にした。

「ほう、その理由を言ってみるがいい。この俺をたたき起こすに十分な理由
を……」

「は……はひ!り、理由は神々とカ、カカ、カンピオーネの方々のよ、抑止力に
なって頂く為にです!」

魔王っぽく凄みのある感じで、セリフを言ってみたが
祭司役の人の演技に驚いた。
まさかここまで恐怖する人間を演じるなんて凄い!
まるで本当に恐怖しているよに見える!
間違いない、この人はプロだ!
髭のおっさんの演技力に感動を受けた俺は、
疑問とかドッキリとかどうでもよくなって、髭の人の演技に精一杯答えようと
演技を頑張る事にした。

「カンピオーネ……?聞いた事もないな。
何だそれは?」

「カ、カンピオーネとは、御身と同じように神殺しという偉業を達成し、人を
超えた方々のことで……我々はそのように呼んでおります。」

「そうか……俺以外にも神殺しが……。
それで、俺にどうしろと言うのだ?」

「はい、貴方様にはカンピオーネの方々の戦闘を仲裁して頂いたり、
危険な神々の行いを出来る限りでよいので止めて頂きたいのです。」

「知らんと、言いたい所だが気が向いたらいいだろう」

「ありがとうございます!王よ……」

司祭のセリフが終わった。
つまり、ここでとりあえず終わりだな。
でもおかしいな……。
思わずノリに乗ってしまったが、確か主人公に殺してほしい神が居たから
主人公は起こされた筈なんだけど……。
アドリブか?

「それでは、御身の為に用意した部屋がございますので、
ごゆるりとおくつろぎを……」

控え室に行くのか?と思い、俺は彼等の案内する部屋に行き
真実を知らぬまま自由にくつろいでいた。



「すごいゴージャスな部屋だな……」



この後、とんでもない真実を知るとも知らないで……。





エリカ視点


復活の儀式により棺から、暗黒の魔力の柱を吹き上げ男は目を覚ました。
はじめは、棺の中は死体で目覚めるわけがないと思っていがその予想はハズレ、
王は目覚め、煙と共に姿を現した。

「随分と騒がしい、起こし方だな」

とてつもない存在感に声、魔王は堂々とした態度で我々を見下ろしている。
だが……。
伝説とイメージが合わない。
古代の勝利者なのだから、もっと筋肉質な魔王だと思っていたのに……。
私は失礼だと思いつつも、頭から足の先まで何度も見る。
頭は銀髪で赤い瞳、服装は黒いコートに黒いズボン腰には鎖と伝説にあった
紅の剣を差している美形の青年。
それが伝説の魔王の姿だった。


目覚めた魔王は、しばらくグランドマスターの一人と会話をした後、秘書のような
男と共に近くのホテルのスウィートルームに案内され、儀式に参加した私達は解散となった。
ようは、『もう用なし、だから帰れ。魔王は我等に協力してもらう』という事だろう。
紳士とはかけ離れた、欲望にまみれた話ね。

建物を出て、外に出る。
さて、結社に報告でも……?
携帯電話を懐から取り出し、報告をしようとしていた時。
ふと、視界に全身黒ずくめの男が入った。
あれって、まさか……。

「魔王アロウン」




「ん?」


私の口から出た言葉が耳に入ったのか?居るはずのない魔王が私に振り返った。

 
 

 
後書き
学校が始まったので不定期更新になりますがよろしくお願いします。 
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