対決!!天本博士対クラウン
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第百六話
第百六話 無限焼却装置
無関係に三十人程度の暴走族を生体実験で書類上は行方不明にした博士はストレスを解消させてすっきりしたうえで発明に取り掛かった。それは。
「で、何を作るんですか?」
「焼却装置じゃ」
博士は勿体ぶらずに小田切君に答えた。
「それを今から作る」
「骨とか肉片をそれで焼くんですね」
「もう跡形もなくなるぞ」
早速何かを作りながら言う。
「これでもう人体実験の後のゴミ掃除も楽になる」
「人体実験をした相手はゴミですか」
人を人と思わない博士の非常識さにあらためて絶句する小田切君だった。最近では世界中からとりあえず世の役に立たない黒社会だのマフィアだのの連中をゴッキローチ等を使って連れて来て生体実験の素材にしているのだ。時々ただのストレス解消で解剖することもある。
「ゴミじゃ。所詮な」
「はあ」
「それで。できたぞ」
「もうですか」
話している間にもう作ったのだった。
「ほれ、これじゃ」
「何か外見は宝箱みたいですね」
見ればそのままだった。ブラウンの木造の宝箱に見える。
「これに骨を近付ける」
「はい」
実際に骨や肉のところにその焼却装置を置いてみる。すると。
いきなり宝箱が開いてその開いたところが口になっていた。しかも舌まで出ている。舌と歯を使って白骨や肉をどんどん食べていくのだった。
「何かどっかのモンスターみたいですね」
「ロボットじゃぞ」
外見ではそう見えないがそうらしい。
「原子力で動く」
「原子力ですか」
「食べたものは瞬時に焼却し」
やはり普通ロボットとは少し離れている。
「灰すらも残さないのじゃ」
「小さいけれど凄いんですね」
「どうじゃ、今度の発明は」
「いや、かなり」
これは素直に褒める小田切君だった。
「凄いですよ、本当に」
「これでゴミノ心配はなくなった」
とりあえずこの話は終わりだった。
「さて、また楽しい生体実験にかかるとするか」
「最近生体実験をよくされていますね」
博士の趣味の一つだ。他には発明や兵器開発、劇薬の研究等がある。かなり多趣味な人間なのだ。
「どうしてですか?」
「気分でな」
多くの人命を犠牲にするのも気分だけであった。
「やっておるのじゃよ」
「そうですか」
「明日はヤクザ者を百人程度改造して人間爆弾として宇宙に飛ばしてみるかのう」
翌日本当に大阪辺りのヤクザ者がそれだけいなくなった。博士の趣味はまだまだ続く。
第百六話 完
2008・4・30
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