DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)
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ぶっ飛ばしちゃえばいいんです
さて…
ある程度話は纏まり、それなりの情報を得る事が出来た。
愛しのヤヨイさんの為に、全てを…自分のみならず、ジパングの全てを犠牲にしようとした男の名はタケル…
一応はこの国の兵士らしく、その職権を行使して愛しの女を助けたらしい…
「貴方は勇気のある人だ!愛する人の為に、そこまで出来るとは…」
煽ててタケルを持ち上げるお兄様…
タケルは嬉しそうに照れてる。
「本当、勇気があるね!ジパング壊滅を物ともしないなんて!」
笑顔でどん底に突き落とすお父様…
タケルは絶望的にしょげる。
「黙れつってんだろ!!」
流石に乱暴な口調になっちゃったお兄様。
うん、見てて飽きない。
「…でも本当ですか!?あなた方はこの国を救いに来たと言うのは!?」
溺れる者は藁をも縋ると言うけれど、タケルの表情はまさにそんな感じです。
「私達は、バラモスを倒す為に旅をしてます。世界に平和を取り戻すのが、私の使命なのです!その為にはヤマタノオロチだって倒してみせますよ!」
安請け合いすると、後々後悔するわよ!
「で、では…ヒミコ様にお会い下さい!きっとヒミコ様もお喜びになります!………ただ…ヤヨイの事は…」
お!いきなしヒミコとご対面!?
何とか理由を造って、その場でぶっ殺したいですわね!
「大丈夫ですよ。ヤマタノオロチを倒すまで、内密にしておきますから」
そうとう嬉しいタケルは、ニコニコで私達をヒミコの元まで案内する。
「ヒミコ様、お知らせがございます!」
白粉を顔中に塗ったくり、麻呂眉な化粧と唇中心だけの口紅…
テレビなどで見る、ベタな平安貴族のお化粧女が、不愉快そうな表情で座っている…
両サイドには側近らしき2人の男が…
「何用じゃ、騒がしい!妾は忙しいのじゃ…」
あの奇抜な化粧の所為だけではなく、どことなく美人に見えない横柄な女。
うん、ぶっ殺しても心は痛まない!
「え!?これが女王なの?コイツが!?」
流石はお父様…速攻で無礼な台詞(ものいい)、痛み入ります。
「何じゃ、その無礼者は!?」
「も、申し訳ありません!しかしヒミコ様…彼等がヤマタノオロチを倒してくれる救世主なのです!どうかご容赦下さい!」
私がヒミコなら、こんな男に期待はしない…
皆がヒミコに頭を下げ、詫びを入れているが私はしない。
何故なら怒らせた張本人のお父様も頭を下げないから。
「ちょっとリュカさん!女王様の前ですよ!礼儀を守って下さい!」
この男にそんな物は無い!
「えぇ!やだよ………だってコイツ目が濁ってるじゃん!」
「まこと、無礼極まりない奴じゃ!こんなのがヤマタノオロチを倒せるわけ無かろう!下手にヤマタノオロチを刺激すると、このジパングを滅ぼしかねぬ!この様な奴等は無用じゃ、妙な事をするでないぞ!」
痛い所を付かれて、ムキになるヒミコ…
「ヒ、ヒミコ様…どうかお話だけでも…」
「くどい!さっさと出て行け!!」
「ちょっとリュカさん!謝って下さい!」
アルル様が、必死に状況の沈静化を図るけど…
「謝る必要無いって…だってコイツ、モンスターだよ!」
「「「「え!?」」」」
ちょ~ナイスお父様!!
これでぶっ殺す大義名分が立ちました!
世の中何でも先手必勝!
でもイオナズンだと、私までこの屋敷の下敷きになりかねないので、取り敢えずはジャブから。
「まぁ!では、この方がヤマタノオロチなのですね!?早速ぶっ飛ばしちゃいましょう、イオ!」
(ドゴーン!!!)
「ヒミコ様!!ご無事ですか、ヒミコさ…ま…!?…ヒ、ヒミコ様!?」
イエ~イ!
ちょ~スッキリ!
もう1発ぶっ飛ばそうと思ったけど、側近が近寄ってしまってダメでした…
「キサマら~………バレてしまっては仕方がない!ジパング諸共滅ぼしてくれようぞ!」
でも私のイオで出来た傷口が、蛇の鱗で覆われていたので皆さん驚いてます!
そして本性を現したヤマタノオロチが、側近2人を瞬殺し、私達に牙をむいてきました!
ヤバそうなので、お父様の後ろに隠れようと思います。
「わぉ、本当ですわ!お父様が仰った通り、女王ヒミコがヤマタノオロチでしたわ!」
お父様には大感謝です。
めんどくせーダンジョンに入ることなく、ヒミコの正体をヤマタノオロチだと確定出来たのですから!
「いや……モンスターだとは言ったけど…ヤマタノオロチだとは……」
それはどうでも良いのです!
結果オーライ…
さてさて…
済し崩し的にボス戦へと突入したアルル様等…
我が一家は、後方へ下がり戦闘に参加しようとしません。
『アルル様達の成長の為』との事ですが、なかなかのスパルタです。
とは言え、何もしないワケではありません。
お兄様がフバーハを唱え、炎の威力を軽減させたり、お父様は傷付いた方にベホイミで援護したりと、生殺し的に協力しております。
「と、父さん………目の前でアルル達が戦っているのに、後方で回復魔法を唱えるだけなんて……もどかしいですね…」
「アルル達ぃ~?……アルルの事だけだろ、お前には!」
まだ1発もヤってないのに、先だたれるのは辛いわね。
「ティミー、仲間を信じて状況を見守るのも、大切な事なのよ。アルルちゃんに魔法と剣術を教えてるんでしょ!?だったら彼女を信じて、平然としてなさい!貴方が後方で不安がってたら、前戦で戦っているアルルちゃん達に動揺が出るでしょ!」
お母様が優しくも厳しくお兄様を諭してる…
なるほど…
仲間を信じて見守る事も、メンタル面での援護になるのね…
勉強になる~!
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