チートな転生者の奏でる『俺の転生物語』原作どこいった!?
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『金色の髪の少女との邂逅』
前書き
どうも!
今回はなんとか早めに仕上がりました。
お待たせしてすみません。
殆どの人間が寝静まる真夜中。
金色の光を放つ満月が頭上に輝く。
そんな時間にビルの屋上で月と同じ金色の髪をもつ少女と……、
「ロストロギアはこの付近にあるんだよね?」
「形状は蒼い宝石……一般名称は『ジュエルシード』」
少女の言葉に答えを返す明るい色をした狼。
「そうだね……すぐに手にいれるよ」
その目に悲しい光を宿した少女はつぶやく……。
そして、
少女の言葉に応えるかのように狼は月に向かって吠える。
?? Side end
「月がきれいだな」
俺は何故か目が冴え眠れず……、
気晴らしにとベランダに出て 月の放つ冷たい光をただ見つめていたその時に……、
オォォォンッ!
「ん? 遠吠え?」
どこからか聞こえてきた犬の遠吠えのようなものに耳をかたむける。
「さて……哀しい運命とやらをどうやって変えようかねぇ……」
純白い髪の少年は月を見上げながら想いを馳せる。
なのは Side
今日はアリサちゃんとすずかちゃんにお茶会に誘われたの!
せっかくだから零お兄ちゃんも誘ってなのはと一緒にお茶会に行くの!
「なんかえらく楽しそうだね?」
なのはに尋ねる零。
「だってみんなでお茶会だもん!」
それに元気よく答えるなのは。
「しかし俺も参加してよかったのか?」
「うん! アリサちゃんやすずかちゃんも喜んでたの!」
幼くも整った顔をほころばせ大輪の花のような笑顔で答えるなのは。
「そうか……」
零お兄ちゃんはそう言って笑いながらなのはの頭を撫でてくれました。
くすぐったいけど私より大きなこの手で撫でられるこの時すっごく幸せな気持ちになれるの!
なのは Side end
「やっぱでかいなぁ~」
あれからしばらく歩いているとかなりでかい豪邸が見えた。
「ここがすずかちゃんのお家なの!」
「でかいなぁ~」
なのはがインターフォンを押し、
「こんにちは高町です、すずかちゃんはいますか?」
「はい、少々お待ちください」
インターフォンから返答が返り、
ー開ー
ギィィィ~!と古ぼけた音をたてながら門が開き、
「ようこそ」
一人のメイドが俺達を迎えてくれる。
「こんにちはファリンさん」
礼儀正しく挨拶をするなのはに、
「いらっしゃいませ」
きれいなお辞儀をしながら礼を返すファリン。
「こんにちは」
俺もなのはに習い礼をする。
「え~と零様ですよね? お嬢様からお話は伺っています」
「そうですか」
「ご案内いたしますので私の後に続いてください」
「わかりました」
俺達はファリンさんに案内され、
「こちらです」
「あっ! なのはちゃん 零さん」
「なにしてたのよ! 遅いじゃない!」
すずか達のいる部屋に入る。
「あら? お久しぶりね」
零は部屋にいた女性に声をかけられる。
「こんにちは忍さん」
「えぇ こんにちは」
柔らかな笑みをしながらも零をまるで品定めするかのような視線でみる忍。
信用はしているがまだ信頼はしていないと言ったところだろう。
一応契約は結んではいるが夜の一族の事についてはまだ触りしか説明されてはおらず、
妹のすずかからは信頼されているが忍さんからはこれからの頑張りと言ったところだ。
「俺まで誘ってもらってありがとうございます」
まぁ 嫌われていないだけまだマシなのだろう。
なので俺は特に気にする事なく礼を返す。
「いえいえ 今日は楽しんで行ってね」
「お嬢様」
先程のファリンさんとは違うメイドが忍に話し掛ける。
「あっ! ノエルさん」
どうやら彼女はノエルという名前のようだ……。
ノエルに小さな声で何かを耳打ちされた忍は……、
「ごめんなさいね、私はこれから用事があるから出るけど みんなは楽しんでいってね」
そう言って席を外す。
「はい」
それからしばらくし、
「しかし猫が多いね」
俺は足元にいた猫を抱き上げ喉元を撫でる。
「ニャ~」
猫は喉を鳴らしながら俺に身体を擦り寄せる。
その他にも零の頭の上や肩に乗っているものや膝でくつろぐ猫の姿があった……。
うん……癒されるわぁ~。
「家の猫が凄く懐いてる………」
その光景に驚くすずかと、
「ていうか懐きすぎよ!?」
ツッコミを入れるアリサ。
「キュ! キュ~!」
ユーノはユーノで猫に追い掛けまわされている。
その時、
「お待たせしました~ 紅茶とケーキですよ」
紅茶とケーキを持ってきたファリンさんが現れ、
「キャッ!」
突如現れた足元を走り抜ける小動物に驚き、
「あっ! 危ない!」
体勢を崩し倒れそうになるが、
「大丈夫ですか?」
咄嗟に瞬動を使って俺が割り込み落ちそうになるトレーを片手に持ち、
さらに崩れ落ちそうになるファリンの身体をもう片方の腕で支える。
その際にだがホントに僅かな機械の駆動音が俺の耳に入る。
「は はい!」
何故か顔を赤く染めながら返事をするファリンと、
背筋にゾクッ!っと冷たいものが走るのを感じる。
「なんだ!?」
悪寒を感じとっさに振り向いた先には、
何故か黒いオーラ的な何かを出しながら俺を睨むなのは達の姿があった。
「どうかした?」
「「「別に!!」」」
とりあえず黙っておこう……触らぬ神に祟り無しだ……。
それからしばらくして……、
「ん?」
突然発せられたジュエルシードの魔力を感じ、
「なのは……」
俺は小声でなのはに話し掛ける。
「うん」
その意味を理解したなのはが頷いたその時、
「キュ! キュ~!」
まだ猫に追い掛けられていたユーノが外へと逃げる。
アイツまだ追い掛けられてたんかい?
オモチャか補食対象にでも選ばれたのか?
「あっ! ユーノ君!」
慌ててユーノを追い掛けるなのは、
「やれやれ」
俺も腰を上げ、
「なのはを探してくるよ」
あたかも自然な流れを装いなのはを追い掛ける。
「はい」
「はやく帰ってきなさいよ」
「了解」
二人の言葉に笑顔で返事を返しなのはを追う。
なのはを追って行き着いた先には……、
「にゃ~」
巨大猫がいました。
「デカッ!?」
俺の身体の2~3倍くらいはあるぞ!?
猫の大きさに驚き声をあげる零。
「あっ! 零お兄ちゃん」
それに気付き名前を呼ぶなのは。
「なのは このでかい猫は?」
頭では解ってはいても聞かずにはいられずなのはに尋ねる。
「多分ジュエルシードがこの子猫の大きくなりたいという願いを叶えたんだと思う」
俺の問いに答えを返すユーノ。
「限度があるだろ……」
その返答にあきれる零……。
「ごろにゃ~ん」
そして何故か俺にじゃれつく猫。
敵意は無いけどデカイからしんどいよ!
「このサイズだとさすがにきついぞ!」
その時、
ー魔・法・弾・激・突ー
「にゃっ!?」
突如どこからか飛んで来た魔力弾が地面に当たり驚く猫、
「なんだ!?」
「あっ! あそこ!」
ユーノが指示した場所には黒いレオタードかスクール水着に見える衣装にベルトで止めただけのスカートと、
その上から黒いマントを纏った金色の髪の少女と明るいオレンジ色の狼がいた。
「バルディッシュ」
金色の髪の少女はその手に持つ華奢な身体には似つかわしい大鎌の名前を呼び、
「イエス サー」
名前を呼ばれた大鎌はその声にデバイス独特の機械的な声で答えを返す。
そして……、
大きな鎌のような武器を持った少女がなのはの方へと向かい、
「アンタの相手はあたしだよ!!」
狼は俺の方へと向かって来る。
「とりあえずユーノお前はなのはの援護に向かえ」
「わかりました」
ユーノをなのはの援護に向かわせる。
「あたし達の邪魔をするならガブッ! といくよ!!」
戦意剥き出しの狼が叫ぶ!
「ん~ 俺としては戦いたくないんだけどなぁ~」
「なら おとなしくやられな!!」
突然襲い掛かる狼に向かって俺は、
「なんちゃって秘奥義 ム○ゴロウ式動物愛撫術!!」
俺は某動物王国を作り上げた人物のような手つきで、
「ほ~れほれほれ」
狼を愛撫する……。
「なっ! ちょっ! アンタドコ触ってんだい! ソ ソコは!? いやぁ~ん!!」
狼は迫りくる快楽に甘い声をあげる。
「え~のんか~♪ ココがえ~のんか~♪」
ノリノリで変なセリフをはきながらなおも愛撫を続ける零。
「あっ! ダメェェェッ!!」
俺のムツ○ロウ式動物愛撫術で文字通り骨抜きになる狼。
しかも掌からは気を放出しているから効果は倍増だ!
それから数分後……。
「ら らめぇ~」
仰向けになって腹を見せながらひくひくと悶える狼と、
「楽しかった~」
なにかをやりとげた時のような良い笑顔の零。
「さ~てなのは達の方は………」
俺はなのは達いる場所へと顔を向ける。
「う~ん 苦戦してるなぁ~」
いくら才能があるとはいえまだ魔法に慣れてない上に戦闘経験が少ないためにかなり苦戦しているなのは。
「さてと……」
俺は今の騒ぎで忘れられている巨大猫に近づく。
「とりあえずお前の中にあるジュエルシードはもらうぞ」
俺は右腕を猫に密着させて、
「封印」
右腕の『特殊能力』を使いジュエルシードを封印してから猫の身体から取り除き、
「ほら ココは危ないからあっちに行きな」
「ふにゃ~」
猫を結界の外へと逃がす。
「さて なのはは……って! アレは危ない!!」
俺の目に映ったのは、
金色の髪の少女がなのはに向かって大きな砲撃系の魔法を放つところだった。
「チッ!幻符『The World』!!」
俺はスタンドの方ではタイムラグあるのでスペカの方の『The World』を発動させて時間を止め、
「やれやれだぜ……」
なのはの目の前に立ち、
右腕を前に突き出して……、
「そして時は動き出す」
有名なあのセリフとともに時間停止を解く。
「えっ! 零お兄ちゃん!?」
「そんな! いつの間に!?」
瞬間移動や催眠術なんてチャチなものではなく、
文字通り突然現れた零に驚愕する二人の少女。
そんな少女達を他所に、
俺は……、
「まずはその幻想をぶち壊す!!」
上条さんの真似をしながら迫り来る魔法を右腕の異能『支配者の右腕』で魔法を支配し掻き消す、
この能力知っている人どれぐらいいるのかな?
かなりドマイナーな能力なんだよね。
零の右腕に触れた砲撃魔法はパキンッ!とガラスの砕けるかのような音をたてて消失する。
「物騒だね~」
「いつの間に!? それよりもアルフは!?」
零が現れた事によって自身のパートナーの事を心配する少女。
「アルフ? さっきの狼か?」
俺は焦る少女に聞く、
「アルフはどうしたの!?」
よほど心配なのか息を荒げながら零を問い詰める少女。
「あぁ……それなら」
俺は親指で狼を指差す。
「あそこで悶えてるぞ」
そこには未だに悶えている狼がいた……。
「アルフ!?」
少女はすぐさま狼へと駆け寄る。
「うぅ~ フェイト~」
未だに呂律が回らぬ状態で自身の主の名を呼ぶ狼……。
「ねぇ 零お兄ちゃん………狼さん………アルフさんに何をしたの?」
恐る恐る零に聞くなのは、
「ちょっと揉んだだけだよ」
全身を隈無くね。
「どういう事?」
こてんと首を可愛くかしげながら聞き返すなのは。
「アルフ!?」
「うぅ~フェイト~」
情けない声で少女の名を呼ぶ狼。
「何があったの!?」
「あたし………もうダメかもしれない………」
「う~ん やりすぎたかな?」
「と とりあえずここは退くよ!!」
撤退の準備を始める少女に……、
「ま 待って!!」
なのはが待ったをかけるが……、
「もう私達に関わらないで………」
金色の髪の少女は悲しそうな表情をしながら飛び去る。
「待って!」
「やれやれ面倒な事になったな~」
それからしばらくして、
俺達はアリサ達のところへと戻ると。
「遅かったわね」
不満を言うアリサと、
「ユーノ君見つかりました?」
ユーノが見つかったのかを問うすずか。
「まぁね」
俺はそんな二人にやんわりと答えを返す。
「うん」
それに続くかたちで頷くなのは。
それから再びお茶会を楽しみ、
「今日はありがとう楽しかったよ」
二人に礼を言う。
「いえ こちらこそ」
それに対し柔らかな笑顔で返すすずかと、
「あたし達がいるんだから当然よ!」
当然とばかりにふんぞり返るアリサ。
「にゃはは」
そんなアリサに猫のような笑い方で苦笑するなのは。
「それじゃまた今度ね」
「はい」
「気が向いたらまた誘ってあげてもいいわよ」
「ありがとう」
「すずかちゃん アリサちゃんまたね」
こうして俺達は帰路へとつく、
そして帰り道で……、
「ねぇ 零お兄ちゃん」
ぽつりと小さな声で零の名を呼ぶなのは……
「ん?」
「今日のあの子の事なんだけどね………」
「どうした?」
「あの子とっても悲しそうな顔をしてたの………」
「…………」
「まるで昔の私みたいに……」
独りの悲しみを知っているこの子だからこそ感じられたのだろう。
「私………知りたいの………あの子のお名前となんでジュエルシードを集めてるのかを………」
「そうか………」
「だから………あのね………零お兄ちゃんも一緒に手伝ってほしいの………」
なのはが人を頼るようになったか………良い傾向だな………。
「いいよ」
俺はなのはの頭を撫でながら言う。
「ありがとうなの!!」
俺に抱き着きながら礼を言うなのは。
その後俺はなのはを家に送り届け、
俺も家へと帰る。
ちなみにそれからしばらくし家で千歳と夕食の準備をしていると……、
突如 ピーンポーン♪ と軽快な音をだして備え付けのチャイムが鳴る。
「は~い」
ドアを開けると……、
そこに居たのは……なんと、
「あの………隣に引越して来た フェイト・テスタロッサで………え?」
先ほど戦ったフェイトと呼ばれた少女だった。
「あら?」
これって偶然?
それとも必然?
どちらにしても出来すぎてはいないか?
「え? なんで!?」
予期せぬ事態に驚愕するフェイト。
「あ~ 立ち話もなんだしとりあえずあがる?」
「え~と その……」
突然の事に困惑するフェイト。
「フェイト~ 遅いよ~」
またもや突如現れる犬耳の女性、
「アンタは!!」
敵意を剥き出しにしながら俺を睨む女性に、
「どちらさん?」
素で返す零。
「フェイトに何をする気だい!?」
「お~い 一応言っておくが俺に交戦の意思はないぞ」
一応交戦の意思が無い事を伝えるが、
「そんなの信じられるか!!」
そんなものに意味はなく……アルフに一蹴される。
「まぁまぁ とりあえず落ち着け」
なおも落ち着かせようとするものの俺の言葉は耳に入らず……、
「アルフ……この人は大丈夫そうだよ」
「フェイト……」
主たるフェイトの言葉でやっと牙を納めるアルフ。
「あまり大声をだすと近所迷惑ですよ」
突如台所にいた千歳が玄関に現れる。
「千歳悪いがお茶の用意をしてくれないか?」
俺は千歳に指示をだす。
「わかりました」
千歳はリビングへと行きお茶の用意を始める。
「まぁ 積もる話しもあるからあがりなよ」
俺は二人に部屋へ入るように言う。
「罠でも仕掛けてるんじゃないかい?」
「失敬な」
「アルフ 大丈夫だから」
「わかったよ……」
フェイトに宥められしぶしぶ部屋へと入るアルフ、
「さて まずは自己紹介からはじめようか 俺の名前は 黒帝 零」
「私は千歳と申します」
千歳はフェイト達にお茶を配りながら自己紹介をする。
「あ ありがとうございます」
ぎこちないが礼を言うフェイトと、
「…………」
黙りを決め込むアルフ。
フェイトは出された飲み物に口をつける。
「あ おいしい……」
だってそれ最高級の玉露だもん。
「それはなにより」
「こちらもいかがですか?」
千歳がお茶菓子を進める、
ちなみにお茶菓子は千歳お手製の豆大福とどら焼きです。
「いただきます」
出されたお茶菓子をもふもふと小さな口で頬張るフェイト。
「かわいいな(小動物みたいで……)」
ついつい口が緩み言ってしまう俺。
「ふぇ!?」
そのセリフに驚くフェイト。
「さて 君達に少し聞きたい事があるんだがいいかい?」
俺はできる限り威圧感を与えないように聞く。
「なんですか?」
「まず君達の目的を聞きたいな」
「私達の目的ですか?」
「あぁ 場合によってはコレを君達にあげてもいいよ」
俺は『王の財宝』から回収したジュエルシードを取り出す。
「ジュエルシード!?」
「アンタ!!」
アルフが殺気立つが、
「大人しくしなさい」
千歳がアルフに殺気を飛ばし抑える。
「ひっ!」
千歳が飛ばした殺気に怯むアルフ。
ユニゾンデバイスと化していようとも基となった存在が最上級の妖であり神獣である千歳の殺気は今は使い魔になっているとはいえ元獣のアルフには応えるものがあるのだろう。
「おちつけ」
俺はそんな千歳を宥める。
「はい」
俺が止めた事によりしゅんとなり尻尾などが下がる千歳。
「とりあえず俺に交戦の意思は無いよ」
「ならソレを渡してくれませんか?」
ジュエルシードを要求するフェイトだが、
「悪いがまずは君達の目的を教えてくれ」
俺はそれに答えず目的を聞く。
「………わかりました………」
「フェイト!?」
「私達じゃこの人達には勝てないよ」
どうやら戦闘における直感は中々に鋭いようだ……。
「うぅ~」
彼女が納得しないのも無理はない、
見た目の年齢こそ主たるフェイトと若干の差はあれどそれでも子供が持つには強大すぎる力に猜疑心が芽生えるのは当然だろう。
「じゃあ聞かせてくれるかい?」
「はい……私達がジュエルシードを集めているのは母さんのためです………」
「お母さんのため?」
「はい 母さんが集めてほしいと言ったので……」
今の彼女は良く言えば従順だが悪く言えば自分の考えを持たないと言えよう。
「一体コレをなんのために使うのかは知らないのかい?」
「はい………」
「なら……俺を君のお母さんに合わせてくれないか?」
「えっ!?」
「君のお母さんから納得のいける答えをもらえるなら俺のもつコレをあげてもいいよ」
卑怯なやり方である事は解ってはいるが今回はこのやり方でフェイトに取り引きを持ち掛ける。
「えっと……その……」
「まぁ……すぐには無理そうだから近い内に答えをくれないか?」
「わかりました……」
「そうか……ん? もうこんな時間か……」
ふと時計を見ると時刻は7時を指していた、
「これから夕食にしようかと思うんだけど君達もどうだい?」
「え! いいんですか!?」
「ふん どうせたいしたことはないだろ!」
敵意を剥き出しで吠えるアルフを、
「アルフ!」
フェイトがたしなめる。
「ちなみに今日の夕食は焼き肉だけど」
俺がそういった時アルフの犬耳がわずかにピクリと反応する。
「ちなみに骨付きカルビや特上カルビもあるよ」
今度は耳がピクピクと完全に反応を示すアルフ。
わかりやすいな~。
「ちなみにデザートは期待できるよ」
これには俺を除く全員が反応した、(何故か千歳まで……)
「食べてく?」
「はい!!」
勢い良く反応するフェイトと、
「わかったよ……」
食欲に負けしぶしぶ返事を返すアルフ。
「きまりだね」
そして夕食を食べるのだが、
「ガフガフ! ングング!!」
勢い良く肉を頬張るアルフ、
「おいしい……」
少しずつ食べるフェイト、
そしてデザートの虹の実のゼリーを食べた瞬間、
「うーまーいーぞー!!」
どこぞ料理マンガの如く口から謎の光りを放つアルフと、
「はぅ~」
あまりの美味さにとろけるフェイト。
「美味いのはわかるが驚きすぎだろ 普段何食ってるんだ?」
二人の驚き様に疑問を感じた零が尋ねる。
「聞いておくれよ~フェイトったら何時も冷凍食品かサプリメントみたいなもんしか食べないんだよ~!」
うん……とりあえず……この子の食生活改善は絶対だ!
「な・ん・で・す・と!」
突如机から勢い良く立ち上がる零。
「えっ!? 何!?」
それに驚くフェイト。
「お前を真人間にしてやろうか!」
どこぞの悪魔閣下のような若干ホラーチックな顔で若干アレンジしたセリフを言う零。
「是非とも頼むよ!」
それに対し同調するアルフ。
こうしてフェイトの食生活改善し隊が結成された。
ちなみに余談ではあるが今回の事があったためにフェイト達がちょくちょく夕食などを食べに来るようになったのは言うまでもない。
後書き
今回はフェイトとの出逢いです。
いつも遅筆ですいません。
こんなダメ作者ですがこれからもどうか応援よろしくお願いいたします!!
感想やアドバイスをもらえると作者のやる気が上がります。
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