革命を知らない愚か者
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第四章
「バケモノになったりするでしょ」
「強くなって」
「自我を失ったりね」
「あるある展開ね」
「そうなるでしょ、本当にね」
まさにというのだ。
「革命はね」
「起こらないことね」
「相当切羽詰まった状態でないと」
さもないと、というのだ。
「急に変わることはね」
「よくないわね」
「そういうものよ、あんたも大勢人が死んで」
それも見実でだ。
「逆に自由も平等もなくなって」
「独裁者が出て来るなら」
「嫌でしょ」
「特に腐った馬鹿が独裁者になるならね」
自分しかない様なというのだ。
「もうね」
「そう思うのが普通よ、本当に革命はね」
「起こらないことね」
「徐々に変えていくことよ」
こう妹に話した、テレビを観てジュースやお菓子を楽しみつつ。そうした話をしてそうしてだった。
亜美は話の後でこの日は自分の部屋に戻って寝た、だが。
彼女が大学生になった時にだ、その愚か者を見た。とある漫画で全く無知なキャラが叫んでいたのだ。
「革命だ革命だ!」
「こいつ馬鹿よね」
同じ講義を受けている友人に冷めた目で話した。
「革命起こす奴がね」
「ええ、あからさまな屑よね」
友人も言った。
「自分しかなくてね」
「国を喰いものにしようとしている」
「敵国ともつながっている」
「底意地悪くてお金にも女の人にも汚い」
「嘘ばかり言って思いやりも恥も外聞もない」
「ガチのよ」
亜美は言い切った。
「外道じゃない」
「作者さんもネットで言い切ってるしね」
「それも政治家としての能力はゼロ」
「そもそも国のことなんて一切考えてないし」
「漫画の中でもこれまでのあらすじ見ると嘘ってわかるのに」
「こいつ全くわからないでね」
「革命だってはしゃいでいるわね、こいつはね」
そのキャラを軽蔑しきった目で見て言った。
「死ぬわね」
「作品の中で特に無残にね」
「死ぬわね」
「そうなるわね、主人公達は」
そちらはというと。
「もうわかってるから」
「革命起こす奴がどうか」
「だからね」
それでというのだ。
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