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革命を知らない愚か者

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第一章

               革命を知らない愚か者
 革命と聞いてだ、高校生の早川亜美茶色のロングヘアで切れ長の整った二重の目と細く長い眉に小さな唇と形のいい顎を持つ一六〇位の背のスタイルのいい彼女は言った。
「人死ぬわよね、革命って」
「滅茶苦茶死ぬわよ」
 大学生の姉の静、彼女をそのまま黒髪にした様な外見の彼女が応えた。今二人で家のリビングで一緒にテレビを観て話している、丁度フランス革命のことを話している。
「この革命だってね」
「フランス革命も」
「教科書じゃ素晴らしい歴史イベントだってね」
「書いてるわね」
「このテレビでも言ってるけどね」
「してよかったってね」
「ええ、けれどね」  
 それがというのだ。
「実際はね」
「人が滅茶苦茶死ぬわね」
「死んで死んで」
 妹に話した、二人共今はラフなセーターとスラックスの部屋着でお菓子やジュースを楽しみながら話している。
「この革命だって百万よ」
「それだけ死んだのね」
「中には無実とか言いがかりみたいな理由で」
 それでというのだ。
「ギロチン送りだったのよ」
「恐怖政治ね」
「貴族とか神父さんだったら」
 それならというのだ。
「もうね」
「それだけでギロチンね」
「それでどんどん殺されていったのよ」
「無茶苦茶ね」
「疑わしきは罰するじゃなくて」
「ギロチン送りね」
「それで叛乱が起こった街なんか」 
 革命の中でだ。
「容赦なく攻撃されて」
「叛乱起こした理由聞かないで」
「言いがかりでギロチンよ」
 静は冷静に述べた。
「だったらね」
「お話なんて聞かずに」
「即座に軍隊送ってね」
 それでというのだ。
「鎮圧よ」
「強引に」
「それで街の叛乱に関わっていない人達まで」
 彼等も含めてというのだ。
「殺したのよ」
「そうしていったのね」
「街の人口の一割殺すって決めて」
「いや、関係人も?」
「そう、平気でね」 
 その様にというのだ。
「本当に殺したのよ」
「無実の人まで」
「そうしたこともあったのよ、それで恐怖政治の後もこたごたして」
 フランスはというのだ。
「ナポレオンが出て来たのよ」
「英雄ね」
「共和国がどうとか言ってたのが」
 それがというのだ。
「王様も処刑して」
「ルイ十六世ね」
「実は学問好きで優しくて人のお話を聞いて努力家で質素な」
「いい王様だったの」
「多少判断が遅いだけでね」 
 だがそれが急に起こった激動の時代では命取りになったのだ、平時では良心的な王であったかも知れなくともだ。 
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