八条学園騒動記
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第七百八十六話 海賊の食事その十
「部下というか手下の人達もね」
「不潔じゃないね」
「それで不健康でもないわ。あれよ」
ペリーヌは言った。
「毎朝お顔を洗う」
「そんな人だね」
「これだけで違うし」
毎朝顔を洗うだけでというのだ。
「清潔だから」
「それはそうだね」
トムも洗顔についてこう言った。
「ただお水で洗うだけでも」
「違うでしょ」
「起きた後のお顔ってね」
「実は結構汚いのよ」
「そうなんだよね」
「だからね」
それでというのだ。
「毎朝洗うだけで」
「全く違うね」
「そうなのよ」
「フック船長もそうした人だから」
「不潔な感じしないのよ」
「そういうことだね」
「というかあの人って」
蝉玉はフックについてこんなことを言った。
「ピーターパンが正義で」
「悪だね」
トムが応えた。
「悪役だね」
「ピーターパンがヒーローで」
「そうなるね」
「ええ、必要悪よね」
「ネバーランドの」
「そうだね」
「それでいる様な」
そうしたとだ、トムは言った。
「そんな人達だね」
「あの世界の海賊はね」
「だからやることも」
その行いもというのだ。
「海賊のステレオタイプだね」
「ウェンディ達にやることは」
「捕まえて人質にする」
「それってね」
そうした行いはというのだ。
「もうね」
「古典的な」
「悪役の行いね」
蝉玉は考える顔で述べた。
「考えてみたら」
「オーソドックスと言っていい」
「最後やっつけられるし」
「それも同じだね」
「古典的な」
そう言っていいというのだ。
「本当にね」
「そんな悪役よね」
「というかね」
スターリングも言った。
「あれだね」
「あれっていうと?」
「若しフック船長がいなかったら」
彼もまたトムに話した。
「ピーターパンはどうなのかな」
「ヒーローでいられるか」
「うん、ネバーランドにいてもね」
そうしていてもというのだ。
「ヒーローなのか」
「ただあそこにいるだけかな」
「そうじゃないかな」
こう言うのだった。
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