世界の礎
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第五話 ナイル川その十二
「まただ」
「勢力を拡大していきますか」
「新たな技術や知識も出すしな」
そうもするというのだ。
「いいな」
「それでは」
「そして都もだ」
義青は今度はこの街の話もした。
「ウルも拡大するか」
「この街をですか」
「そうだ、帝国が拡大して栄えてだ」
今度はこの街の王であるカニに話した。
「人が集まって来たな」
「はい」
その通りだとだ、カニは答えた。
「そうなってきています」
「だからな」
それでというのだ。
「そろそろな」
「街を拡大しますか」
「城壁をもう一重設けてだ」
そうしてというのだ。
「百万以上の人口がいられる街にする」
「百万以上ですか」
「そうだ、その政をだ」
それをというのだ。
「やってくれるな」
「お任せ下さい」
カニは確かな声で答えた。
「それでは」
「ではな」
「はい、そうしていきましょう」
「百万の街にはだ」
それだけの人口を擁するというのだ。
「それに相応しい衛生もだ」
「必要ですね」
「だから水道もだ」
これもというのだ。
「整える」
「そうしますか」
「トイレも増やす」
街にあるそれもというのだ。
「出したものの再利用もだ」
「これまで以上に行う」
「そうもする、ゴミの処理もな」
「再利用していき」
「燃料にもしてな」
「行っていきますね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「建物も燃えやすい木を減らしていく」
「ではです」
カニは義青のその言葉を聞いてすぐに言った。
「煉瓦や石の」
「燃えにくいものにだ」
「切り替えていきますか」
「そうする、また建物が出来るだけ密集しない様にもだ」
その様にもというのだ。
「していく」
「火事が起こったならですか」
「飛び火しにくい様にな」
「火事対策ですか」
「人は生きていると火を使う」
これは絶対だというのだ。
「ならばな」
「火事も起きますね」
「水で消せるが」
しかしというのだ。
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