八条学園騒動記
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第七百八十六話 海賊の食事その七
「ルイ十四世とか凄かったのよね」
「あの王様もお風呂嫌いで」
「滅多に入らなくて」
そうであってというのだ。
「何か藪医者が歯が万病の元って言って」
「そんなお医者さんいて」
「それで歯を全部抜かれて」
「噛めなくなったんだったね」
「そうなってね」
しかもその後の抜いた部分をハンダで焼いて塞ぐ手術も受けた、その際歯と鼻がつながってもしまった。
「消化不良で」
「慢性的な下痢になって」
「お漏らしもして」
「体臭酷くなったんだよね」
「しかもお口とお鼻がつながったのよ」
蝉玉もこの話をした。
「ヤブ医者が歯を抜いた手術の時に」
「それも辛いね」
「お陰でお口の中がいつも汚くて」
「口臭酷かったんだよね」
「もう全身からね」
それこそという口調で話した。
「悪臭プンプン」
「そんな王様だったね」
「そのお祖父さんのアンリ四世も」
ブルボン朝初代の王である。
「お風呂嫌いで大蒜好きで」
「悪臭酷かったのよね」
今度はペリーヌが言った。
「大蒜は連合でも普通に食べるけれど」
「だからいいけれどね」
「他の体臭がね」
「玉葱かお肉が腐ったみたいな匂いがして」
アンリ四世の体臭はというのだ。
「足もね」
「臭くて」
「しかもやっぱりお風呂嫌いで」
そうであってというのだ。
「本当にね」
「臭い王様だったのよね」
「そうだったしね、船乗りもね」
「不潔でもよね」
「王様がそんなのだし」
だからだというのだ。
「普通よ」
「その頃の欧州だと」
「あいつ等らしくね」
「そうなるわね」
「ええ、そんなのだから」
蝉玉はさらに言った。
「ペストも流行るし船の中でもね」
「疫病流行ることあったのよね」
「そうなるのよ」
「その通りね」
ペリーヌも確かにと頷いた。
「何年もお風呂に入らない」
「それが普通だったから」
だからだというのだ。
「身体のあちこちに蚤や虱がいて」
「体臭酷くて」
「しかも昔の船って鼠いたし」
「それが普通だったわね」
「何でも沈む船からは逃げるそうだけれど」
危険を察知してだ、港にいる時点で逃げ出すという。
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