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彼は いつから私の彼氏?

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11-4

3学期が始まって、練習も本格的になってきた時、私と花梨がコーチに呼ばれて

「あなた達 今日から あっちのグループとしばらく一緒に練習しなさい」と、言われた。あっちのグループっていうのは高校生の1.2年生の5人。その中には、去年まで一緒にやっていた響先輩、紅花先輩の姿もあった。

「どうしてなんですか?」と、私は不思議だった。

「あの子達は全日本のジュニァに出るのよ 今月の20日過ぎにあるの その練習相手」

「はぁー 全日本・・・」と、聞いただけで、私は頭が真っ白に・・・

「ジュニァよ 高校の2年生以下のクラスよ わかったの?」と、コーチに追いやられた。

 とりあえず、代わる代わる5人の相手をさせられていて

「ごめんね 二人とも 全日本クラスって あなた達しか居ないからー 練習相手って」と、響先輩に声を掛けられて

「はぁー 私達で務まるんならー・・・」

 そのうち、私達二人は、グループのリーダー格の巨椋野(おぐらの)美ひろさんに付かされて「最初 水澄からね、好きに打ち込んできていいから」と、言われた。

 最初は私のスマッシュとかバックハンドが打ち抜くことがあったのだけど、直ぐに、私が必死に左右に振るのだけど、先輩は正確に速いボールを打ち返してくるのだ。私は、バウンドする際を早い目めに打ち返すようにしていくと、向こうもどんどん速くなってくるのだ。「水澄 もっと 速い球 もう 目いっぱいなの?」と、言われるのだが、私はさっきから必死に打ち返しているのだけど・・・

 そして、私が疲れたとみたのか、花梨と交代させられたが、さすがの花梨も同じように先輩の速い球に苦労しているみたいだった。何回か私と花梨を交代させながら、その日の練習は終えたのだ。

「なぁ 高校生って あんななの? 私 全然 太刀打ちでけへんかったわー」と、花梨に言うと

「まぁ そーなんやろーな でも 巨椋野先輩は次のエースやでー まぁ・・・あれでも スマッシュしてけーへんかったなー」

「そうよ 美ひろ先輩は 今度でも優勝狙ってるのよ でも あなた達は一応 打ちあっていたんだもの さすがよ!」と、響先輩が寄ってきてくれた。

「私なんて まだまだ足元にも及ばないわー 今度も2回勝てれば良いかなー そうそう 大会には 秋元蓮花とか東京の久遠美玖も出てるのよ 大阪では進藤かがり  中学生は全部で6人ぐらいかなー 地区の協会の推薦」

「えぇー なんでー 私等 全中でも優勝、準優勝ですよ! みんなに勝ってきたのにー そんなのありぃ?」

「水澄 ・・・ ウチはなんとなくわかる ウチ等はそーいう宿命なのよ」

「そう あのね 多分 あなた達は当然協会も出場の打診をしてきたと思うの でも、あの監督が辞退したらしいのよー あの人はそーいう考えなのよ」と、響先輩は衝撃的なことを教えてくれた。

「そんなの納得できません! 私等は必死にやってるのにー 私 監督に談判します」

「待ちなよー 水澄 監督の考えがあるのよー 太子女学園中学校卓球部の部員だよ ウチ等は従うだけなの」

「そうヨ! 水澄 ・・・ あなた達の思いもわかるけど・・・ここからは、私の推測よっ 今のあなた達は、大会に出ても優勝なんて出来ないの それどころか組み合わせが悪ければ 一回も勝てないで終わるわよ あなた達はあんまり負けたことないじゃぁない? だから 監督は、負けてくじけるのを心配したのよ きっと」

「そんなこと言って 出て経験して 強くなるんじゃぁ無いですかー」

「だからー こーやって すごいメンバーと練習してるんじゃぁない 大会に出て、勝てる相手に勝つよりも もっと 経験できると思うのよねー だから、くじけないで この機会に、強い相手に立ち向かうこをと身体で覚えるのよ! それに、あなた達は選ばれたはずよ 美ひろ先輩もあなた達に対して文句言ってないモン あなた達の実力は、当然 大会に出てきてもおかしく無いんだのー」

「先輩 わかりました 先輩の言葉 信じて、頑張ります なぁ 水澄?」

「うっ うん わかった」

 それから、明日が大会の初日と言う日、最後の練習の後、美ひろ先輩からふたりに

「今まで ありがとうね 相手してくれて 最後のほうはなかなか手強かったわ 私 思い切って 優勝目指せる あなた達 もっと 上半身も強化してね 脚力はあるんだけどー 球の速さは、やっぱり 腕の振りかなーぁ 腰から上にかけてのー 二人とも そのままで伸びていけば 2連覇も固いと思うし 来年 高校に進んだ時が楽しみよっ! 私は卒業してるけどネ」と、言ってくれた。

「水澄 どう? ウチ すごく成長できたと思う 球も今まで以上に速くなったかも」

「そうなんや 私も 思い切って振って 低いコースで打てるよーになったかも」

「どうする? もっと上半身も鍛えろって 筋肉ついてきたら、水澄なんて ますます 貧乳やでー」

「なにが 貧乳やー 花梨より あるわい!」

「うそぉー」と、いきなり花梨は私の胸を掴んできた。

「痛いやんかー なんやの いきなり 花梨やってぇー」と、私も花梨の胸を掴もうとしていると

「先輩・・・こんなとこで乳くりあわんとって下さい 明日からやっと ウチ等と一緒なんでしょ 先輩のきつい言葉でも 聞かんと 気が抜けたようでー」と、莉子がいつの間にか横に立って居た。

「あぁー 居らんって言っても 同じ体育館やし 見えるとこにおったヤン」

「ええー 先輩が ヒィヒィ ゆうてるのって 初めて見させてもらいました」

「こらっ 莉子 明日から 覚悟しときやー 泣かしたるからな!」

 そして、全日本ジュニァの結果は、響先輩は準々決勝敗退で、他の連中もそんなもんで、美ひろ先輩は準決勝まで行ったのだけど、優勝候補とあたって、惜しくも敗退していたのだ。 
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