八条学園騒動記
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第七百八十五話 壊血病その十
「エウロパなんて十字軍とか魔女狩りとか帝国主義の侵略でね」
「好き放題やってね」
「どれだけ酷いことしたか」
「虐殺とかね」
「もう好き好んで」
そうした感じでというのだ。
「もうね」
「残虐なことばかりしてたのに」
「連合は遊びで虐殺しないよ」
「何があってもね」
「そんなことするのは」
それこそというのだ。
「キチガイだよ」
「サイコ殺人鬼ね」
「そんな連中で」
それでというのだ。
「もうね」
「例外中の例外よ」
「遊びで命を弄ぶのは」
トムも言った。
「邪悪そのものだよ」
「うん、そうだよ」
「まさにね」
二人もそうだと答えた。
「そんな連中で」
「ごく稀な例だよ」
「けれどエウロパなんて」
トムはまた言った。
「それこそ本当にね」
「遊びで人を殺していたからね」
「異端とか異教徒とか言ってね」
「魔女狩りなんて最悪だったし」
「疑われたら終わりの」
「そんな連中が」
トムはこれ以上はないまでに軽蔑を込めて言った。
「僕達にあれこれ言って」
「残酷とかね」
「人権を守れって言うんだよね」
「それで今更ね」
「死刑廃止だね」
「疑わしきは、どころか」
欧州ではというのだ。
「信じる宗教や宗派が違うだけでよ」
「殺してたね」
「それも残虐にね」
「そんな連中だね」
「エウロパの奴等はね」
「そんな連中に言われても」
「片腹痛いわね」
「全くだよ、大体極悪人を死刑にしないと」
トムは連合の考えを話した。
「もうね」
「被害者の人達はどうなるのよ」
「そうだよ、被害者の人権が大事であって」
「加害者、極悪人の人権なんてね」
「意味ないから」
「だから海賊を死刑にしないでね」
「精々終身刑だね」
トムはペリーヌに問うた。
「それで終わらせるなんてね」
「刑務所にいる死刑囚にも税金かかるのよ」
「刑務所で暮らしてね」
「食べて服も着てだから」
そうであるからだというのだ、このことは常に言われていることだ。犯罪者も税金で養っているとだ。
「それでね」
「もう極悪人を一生刑務所に入れるなんて」
「税金の無駄遣いだし」
「そんなことしてもね」
それでもというのだ。
「意味ないわよ」
「全くだね」
「そんな意味のないことをするのがね」
それがというのだ。
「エウロパの連中よ」
「自分達の昔のことは棚に上げて」
「変に人権とか言ってね」
そのうえでというのだ。
「海賊も助けるのがね」
「あの連中だね」
「そうよ、海賊なんてね」
「凶悪犯だからね」
「どんどん死刑にしたらいいのよ」
「全くだよ」
トムもその通りと答えた、そして気の向くまま海賊のコーナーの中の別の場所に四人で向かうのであった。
壊血病 完
2024・10・24
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