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小さな縁

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第三章

「何でもない様なことがね」
「色々なっていくのね」
「そうよ、それでその縁こそがね」
 まさにという口調で話した。
「神様の力よ」
「あの宗教の教えでそう言われてるけれど」
「まさにね」
 それこそというのだ。
「神様の力、お仕事でね」
「縁は」
「人では考えもつかない」
「そうしたものね」
「あんたにもそれがあってね」
 縁という神の力、働きがというのだ。
「それで今ね」
「教会の奥さんになるのね」
「そう、そしてこれからもね」
「縁でなのね」
「色々と動いていくわよ」
「私の人生は」
「そうよ、だからね」 
 それでというのだ。
「これからもその縁をね」
「大事にしていくことね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「いいわね」
「そうしていくわ、高校も大学もね」
「縁で入って通ってね」
「そのはじまりがね」
「大叔母さんが信者さんだったから」
「そこからで」
 それでというのだ。
「お仕事もそこからで」
「そこで知り合った人と結婚して」
「教会の奥さんになるから」
「かなり独特な世界に入るけれど」
「それもね」
「縁ね」
「そうよ、多分あんたが何気なく教会の前を通ったこともね」
 何とも思わなかったこのこともというのだ。
「縁だったのよ」
「そうだったのね」
「そう、そうしたことも縁で」
「神様の力なのね」
「そうなのよ」
 娘に笑顔で話し娘もそうねと笑顔で頷いた、そして凛は結婚し澄子は娘の晴れ姿を見た。その後施娘が幸せな家庭で子宝に恵まれたことも縁だと言った。


小さな縁   完


                     2024・6・11 
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