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第百五十五話 他人の幸せその一
第百五十五話 他人の幸せ
一華は鳴海と一緒にカレーを食べ終えてから教室に戻って来たかな恵に彼と話した明男のことを言われてだった。
それならとだ、こう言った。
「明男ちゃんにも彼女出来たらね」
「いいわよね」
「ええ、その相手がいい娘ならね」
「嬉しいわね」
「あの子私から見ても奥手だし」
このこともあってというのだ。
「普通にしてたらね」
「中々よね」
「彼女さん出来ないわね」
「そうだと思うわ」
実際にというのだ。
「だからね」
「それでよね」
「本当に紹介出来たら」
「あの子が言って」
「付き合えたらね」
そうなればというのだ。
「私もね」
「いいと思うわね」
「ええ」
実際にというのだ。
「凄くね」
「そうよね」
「仲いい人が幸せになったら」
一華は笑顔で言った。
「それならね」
「見ているこっちも幸せになるわね」
「ええ、幸せってね」
「人が幸せになってもね」
「それが自分にも来て」
「幸せになれるわね」
「そうしたものよね、ほら」
ここで一華は顔をやや剣呑なものにさせて右の人差し指を立ててそのうえでかな恵に対して話した。
「他人の不幸は蜜の味」
「よく言うわね」
「そうかも知れないけれど」
「他の人の不幸はね」
「やっぱり喜ぶものじゃないわ」
「そうよね」
かな恵も確かにと頷いた。
「そんなのはね」
「浅ましいわ、そうした時はあっても」
それでもというのだ。
「自分が嫌いな相手がね」
「そうなった時ね」
「そうした時限定で」
そうであるべきでというのだ。
「仲のいい人や普通に何もない人の幸せはね」
「喜ぶべきよね」
「野球で阪神以外のチームが優勝しても」
自分達の応援しているチーム以外のチームがというのだ。
「巨人以外ならね」
「喜ぶべきよね」
「まあ今の巨人はね」
二十五年連続最下位のこのチームはというのだ。
「優勝なんてね」
「夢のまた夢よね」
「それこそね」
「連勝することすらないのに」
「滅多にね、五位になったら」
今の巨人はというと。
「それこそ九連覇並にね」
「凄いことよね」
「だからね」
そうした状況だからだというのだ。
「巨人についてはね」
「その心配は無用ね」
「ええ、優勝どころかね」
「まずは連勝ね」
「勝率一割台だから」
「それも二十五年連続で」
「あのチームは置いておいて」
そうしてというのだ。
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