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第百五十三話 スカートの丈その一

                第百五十三話  スカートの丈
 五人一緒に裏方をしていてだ、富美子は一華に言った。
「あんた見えてるわよ」
「えっ、見えてる!?」
「ちらりとだけれどね」 
 一華のスカートの付け根を見て言った。
「白ね」
「純白だけれど」
「見えてるから」
 そのショーツがというのだ。
「作業しててね」
「半ズボン穿いた方がいいわね」
「ええ、あんたがそうしたいならね」
「女の子同士でも」
「穿いたらいいわ」
「それじゃあね」
「うちの学園制服の種類多いけれど」
 富美子はさらに言った。
「スカートの丈は短いから」
「どの制服でもね」
「だからね」
 それでというのだ。
「あんたもね」
「気を付けないと駄目ね」
「商業科だから女の子が多くて」
 生徒の割合でというのだ。
「確かにね」
「男子の芽を気にすることは少なくても」
「まして今ここにいるのは私達五人で」
「男の子いないけれど」
「若しかしたらね」
 自分達が気付いていないうちにというのだ。
「誰かが見たりするでしょ」
「たまたまここに来たりして」
「だからよ」
「意識することね」
「そうよ、見られて嫌なら」
 それならというのだ。
「本当にね」
「今は見られなくないわ」
 一華は真面目に言った。
「どうしてもね」
「そう思うならよ」
 それならというのだ。
「本当にね」
「見えない様に気を付ける」
「そうよ、まして白ってね」
 一華が着けているその色の下着はというのだ。
「刺激的だから」
「かえってね」
「黒とかよりもね」
 そうした派手とか色気があるとか言われる色よりもというのだ。
「くるから」
「刺激的で」
「だからね」 
 それ故にというのだ。
「尚更ね」
「見えない様にすることね」
「そうした方がいいわよ」
「やっぱりそうよね」
「だからね」
「半ズボンね」
「それ穿いて」
 そうしてというのだ。
「見えない様にしてね」
「それじゃあね」
「スパッツでもいいわね」 
 理虹が言って来た。
「別に」
「それでも見えないわね」
「要は見えなかったらいいから」
 だからだというのだ。
「ここはね」
「それでもいいわね」
「そう思ったわ」
 今しがたというのだ。 
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