おぢばにおかえり
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第八十三話 回廊ひのきしんその六十二
「けれど真面目で根はいい人かもともです」
「思うの?」
「そうもなってきました」
「そうなのね」
「いや、本当にこれまでは」
「全否定だったわね」
「僕もその時によって認識が変わりますから」
こうも言うのでした。
「その人をずっとです」
「嫌ったりしない場合もね」
「そうなんです」
「そう言われてほっとしたわ」
私もです。
「てっきりね」
「僕は嫌うとですね」
「ずっと全否定すると思ってたから」
存在を認めない位にです。
「その認識は変わらないって」
「これでもちゃんと見ますから」
「そうして好きになったり嫌ったりするのね」
「逆もありますけれど」
「あるの」
このことには素直に驚きました。
「新一君が嫌いな人を好きになることって」
「あります」
「そうなのね」
驚きました、そしてです。
私達は神殿本部を後にすることんしました。南の礼拝堂を三人で降りながらこの時もお話をしましたが。
私は本当に信じられなくて新一君に尋ねました。
「新一君が嫌いな人を好きになることがあるの」
「ありますよ、僕だって」
「だって新一君ってね」
見ているとです。
「嫌いなったらその相手の悪い部分言い募って」
「そのことばかり見ていてですね」
「それでね」
そのうえで、です。
「全否定して止まらないから」
「ふといいところがあるって気付いたら」
それでというのです。
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