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新オズのかかし

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第九幕その三

「この事務所は」
「外から見ると狭くてね」
「中は随分とです」
「広いわね」
「ドロシーさんが言われた通りに」
 事務所の玄関の前で、です。
「そうでしたね」
「玄関は依然のスクルージさんのお心なのよ」
「狭くて小さい」
「そして殺風景だったわね」
「はい、とても」
「けれどね」
「事務所の中はとても広くて」
 ナターシャはそれでと言いました。
「暖かいです」
「しかも奇麗で」
 恵梨香も言います。
「隅から隅まで」
「しかも色々なものがあって」
 神宝は事務所の中にあるものを見回しました。
「賑やかですね」
「絵や彫刻や壺があって」
 そしてと言うジョージでした。
「お花にカーテン、椅子にテーブルにペンにパソコン」
「何でもあって」 
 カルロスもお部屋の中を見回しています。
「いい感じですね」
「それが今の私という訳だよ」
 スクルージは五人の子供達にもお話しました。
「要するにね」
「そうなんですね」
「暖かくて広くて奇麗で」
「色々なものがある」
「そうしたお部屋がですね」
「スクルージさんのお心を映し出してるんですね」
「そうなんだ、今はマーレイとね」
 幽霊のその人を見て言います。
「事務員のボブ=クラチットそれに三人の精霊と暮らしているよ」
「過去、現在、未来だね」
 かかしが応えました。
「そうだね」
「それぞれの精霊達です」
「彼等だね」
「はい、それでなのですが」
 スクルージはさらに言いました。
「皆さん立ったままなので」
「座ってかな」
「お話しましょう、そろそろクラチット君達も戻ってきます」
「今は外出中なのかな」
「はい」
 そうだというのです。
「仕事で」
「そうなんだね」
「もうすぐ戻ってきます」
「それは何よりだね」
「それで彼等が戻ってきたら」
 スクルージはさらに言いました。
「お話しましょう」
「さらにだね」
「お茶も淹れますので」
「皆の分をだね」
「温かいお茶を」
 それをというのです。
「淹れさせてもらいます」
「お茶も温かいね」
「はい、それでなのですが」
 スクルージはさらに言いました。 
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