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サイバー幽霊

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第三章

「昨日博士がお会いした幽霊はですね」
「そうだった、君も夜遅く仕事をしてトイレに行くとな」
「お会い出来るかも知れないですか」
「そうかもな」
「わかりました、僕は夜遅くまで仕事しない主義ですが」
「夜はしっかり寝るな」
「遅くても十二時までには」
 ドゥーリトルに笑って話した。
「そうしてます」
「出来ることはその日のうちにやる私とは違うな」
「はい、ですから」
「そうだな、その方がいいのだろうが」
「博士の性分ですね」
「どうもな、しかし夜トイレに起きてな」
「会うとですね」
 その時はというのだ。
「お話すればいいですね」
「いい人だ、幽霊だから怖いのではない」
「その人がどうかですからね」
「ここにいる間に機会があればな」
「お話してみます」
「そうしたらいい」
 こうした話をした、そしてだった。
 三時のティータイムの時にだ、キンバリーはドゥーリトルに笑って話した。
「屋上で休憩していたらその人にお会い出来ました」
「アーノルド大尉にか」
「博士のこともお話しまして」
「それでサイボーグだったな」
「インターネットのお話もしてくれました」
「やはりサイバーだったか」
「本当に」
 ドゥーリトルの言う通りにというのだ。
「そうでした」
「そうだったか」
「いや、幽霊も時代によって変わるってことが」
 それがというのだ。
「わかりました」
「それは何よりだ」
「博士としては」
「私もわかった」
「お互いですね」
「幽霊も時代によってということがな」
「それで何でも趣味はギャンブルだそうですが」
 キンバリーはミルクティーを飲みつつ話した。
「ギャンブルは昔からありますね」
「幽霊も人だからな」
「昔からあるものは変わらないですね」
「そうだな」
「競馬をされるそうで」
「そちらのこともインターネットで調べるのか」
 ドゥーリトルはふと思って言った。
「そうなのか」
「何でも調べても殆ど勝てないそうです」
「そこも人だな」
「昔からギャンブル弱い人もいますしね」
「そうしたところは同じだな」
「そうですね」
 二人でこうしたことを話した、そして二人が仕事を終えて自分達の大学に戻ってからアーノルドはこの施設で有名な幽霊となったと聞いた。
「イギリスだな」
「昔から我が国と言えば幽霊ですからね」
「そこにサイバーな要素も加わったな」
「そうですね」 
 二人で大学の中で話した、そして彼のことを話すのだった。


サイバー幽霊   完


                 2024・6・14 
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