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字が汚くても

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第二章

「問題ない時はね」
「その時はですね」
「書いてね」
「わかりました、字が汚くてもですね」
 徳井は黒田の言葉を聞いて言った。
「幾らでもですね」
「そう、やり方があるから」
 だからだというのだ。
「気にすることもないわ」
「そうなんですね」
「字が奇麗な人もいれば」
 それと共にというのだ。
「どうしてもって人もいてそれはね」
「それは?」
「個性の問題だから」
 それでというのだ。
「いいわ、やっぱりどうしてもね」
「字のことはですか」
「仕方ない場合はあって」
「私はそうですか」
「それぞれの人で何かね」
 黒田はさらに言った。
「あるから。何もない人なんてね」
「ないんですね」
「私なんか絵が全然駄目なのよ」 
 徳井に苦笑いで話した。
「だから絵を描いたことないでしょ」
「そういえば」
 徳井も言われて頷いた。
「園長先生はそうですね」
「子供の頃から全然駄目で」
 絵はというのだ。
「それでね」
「今もですか」
「描かないのよ」
 絵が得意な徳井と違ってというのだ。
「だからね」
「どんな人もそれぞれですか」
「何かあるから。だから徳井先生も字のことはね」
「気にしないことですか」
「基本ワープロ科パソコンを使えば問題ないし」 
 このこともあってというのだ。
「どうしてもっていう時だけ書いてね」
「そうしていきます」
「ええ、じゃあね」
「これからも先生の仕事やらせてもらいます」
「宜しくね」 
 黒田は笑顔で応えた、そうして徳井にパソコンで文章を作ってもらった。その文章は読みやすく理解しやすく非常にいいものだった。


字が汚くても   完


                   2024・10・21 
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