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給食を馬鹿にするな

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第二章

 ハンバーグにビーフシチュー、野菜炒めにご飯に牛乳、デザートのワインゼリーを食べてそうしてだった。
 思わず唸ってだ、こう言った。
「日本人はいつもこんな美味しいものを食べているのか」
「そうだよ」
 隣の席の水田が応えた。
「うちの学校半分が外国人だけれどな」
「素晴らしい、フルコースを越えている」
「本当に美味いだろ」
「うむ、最高だ」
「しかもな」
 水田はデザートのゼリーを食べつつ言った。
「栄養バランスいいからな」
「肉に野菜、牛乳にとだな」
「ご飯もあってな」
「そうだな、これは最高だ」
 ピエールは強い声で言い切った。
「給食は最高の食事だ」
「そうだろ、もう馬鹿にしないな」
「僕が間違っていた、これからは毎日給食を食べたい」
「学校に通ってるとな」
「そうしていく」
「じゃあ俺は甲子園は阪神の服で行くな」
「僕は三塁側にいる、全力で戦おう」
 ピエールは今度は毅然として言った。
「そうしよう」
「ああ、それじゃあな」
「お互いに応援しよう」
「そういうことでな、しかしお前お金持ちでもな」
 水田は彼の家のことを話した。
「カープ応援するんだな」
「それが何かあるのかい?」
「あそこは貧打線だろ」
「お金持ちならか」
「そうならないか?」
「いや、好きになったからいいんだ」
 ピエールは強い声で答えた。
「カープは」
「そうなんだな」
「幸い巨人は最下位だ」
「昨日見事今シーズン三度目の十五連敗達成したな」
「それなら阪神とカープでだ」
「優勝を競うか」
「そうしよう」
 野球についてはこう言った、そうしてだった。
 二人で野球の応援もしていった、そしてピエールは毎日給食を楽しむ様になった。どのメニューもこれ以上はないまでに美味いと言って。


給食を馬鹿にするな   完


                 2024・10・17 
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