金木犀の許嫁
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第三十八話 狭い道を歩いてその二
「そうであってね」
「昔からだね」
「ああしてあったのよ」
「そうだね」
「そしてね」
それにというのだった。
「これからね」
「夫婦善哉に入ろうね」
「あちらよ」
まさに戦前からある様な店を見て話した。
「あそこがね」
「夫婦善哉だね」
「ええ、あそこに入って」
そうしてというのだ。
「今度はね」
「善哉を食べるね」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「楽しくね」
「食べるんだね」
「そうしましょう」
こう言うのだった。
「また二人でね」
「それじゃあ」
二人で話して店に入った、店の中もまるでタイムスリップしたかの様だった。その店に入ってであった。
二人で善哉を注文した、すると暫くして。
「本当にね」
「二つ来たでしょ」
「一人前でもね」
「それで合わせて四つよ」
「何かね」
佐京はその善哉達を見て話した、
「四人前頼んだ気分だよ」
「二人で頼むとね」
「そんなこと考えたよ」
「そう、けれどね」
それでもというのだ。
「これでね」
「一人前ずつで」
「二人前よ」
「そうだよね」
「それがこのお店だから」
「そうだね」
「二人でね」
一緒にというのだ。
「二つずつね」
「食べればいいね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「このお店ではね」
「そうなるね」
「ええ、そしてね」
夜空はさらに言った。
「ここの善哉美味しいから」
「甘いんだね」
「いい甘さなのよ」
佐京に笑顔で話した。
「これがね」
「食べても美味しいんだ」
「二つ出て量があってね」
それと共にというのだ。
「そうでもあるから」
「いいんだね」
「そう、それでね」
「今から一緒にね」
「食べましょう」
「それじゃあね」
佐京は夜空のその言葉に頷いた、そしてこの店でも二人一緒に頷いてそのうえで食べはじめた。すると。
「確かにね」
「美味しいでしょ」
「いい味だよ」
夜空に笑顔で話した。
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