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金木犀の許嫁

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第三十五話 大阪でのデートその七

「大盛ね」
「いいんだ」
「それ位のお金あったら」
 二杯食べられるまでのというのだ。
「だったらね」
「それならなのね」
「そう、だから」
 それならというのだ。
「佐京君お金あったら」
「沢山食べて」
「そしてね」
「善哉も食べて」
「それで充分かしら」
「そうかもね、ただ一杯で充分なら」
 佐京はそれならと応えた。
「俺はそれでね」
「いいのね」
「うん」
 そうだというのだ。
「そうだよ」
「そうなのね」
「お金はね」
 佐京はそれの話もした。
「家のお金今白華が預かってるね」
「そうなのよね」
「俺以上にしっかりしてるから」
 金のことについてはというのだ。
「お父さんとお母さんがね」
「白華じゃんに任せたのね」
「あいつが預かって」
 そうであってというのだ。
「それでね」
「そのうえでよね」
「うん、真昼さんと」
 夜空の姉であり佐京から見れば将来義理の姉になる彼女と、というのだ。
「一緒に」
「お金管理してるわね」
「うちのお金は」
「そうよね」
「だから」
 それでというのだ。
「お金は」
「私達のお小遣いでね」
「出していこう」
「そうよね」
「そうして」
 そのうえでというのだ。
「本当にね」
「お金のことも考えて」
「そうしながら」 
 さらにというのだ。
「デートしよう」
「そうしましょう」
 こう話した、そしてだった。
 そうした話をたまたま聞いた真昼がだ、二人に笑って言った。
「デートのお金うちから出るわよ」
「そうなんですか」
「出してくれるの」
「これは行事なのよ」
 佐京と夜空に笑って答えた。
「二人のね」
「デートが?」
「そう、許嫁の二人がより絆を深める」
 そうしたというのだ。
「真面目なね」
「行事なの」
「お家のね」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「お金は家から出るわよ」
「そうなの」
「どうせカレーと善哉食べて」
 そうしてというのだ。 
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