頑張るお母さん
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第一章
頑張るお母さん
夫の天海海斗が出張中でだ、美琴はこうした時こそ自分がと思ってだった。
いつもより朝早く起きて息子で小学五年の陸斗と娘で小学三年の可憐に朝ご飯を作り家事を行いパートに励んだ、その彼女を見てだった。
近所に住んでいる実母の美嘉穏やかな顔ですっきりした顎と赤い小さな唇に白く長い髪の毛を持ち一六〇位の背の彼女は自分を黒髪にして若々しいスタイルにした様な外見の娘に言った。
「別に海斗さんいなくてもね」
「頑張らなくていいの?」
「うちだってそうだったのよ」
いつもよりせわしない感じのラインの返事を送ってきた娘に家に来て和した。
「お父さんが出張の時はね」
「徳に名の」
「やること変えないでね」
そうであってというのだ。
「やっていたのよ」
「そうだったのよ」
「うちお父さん出張多かったでしょ」
「ええ、そうだったわね」
美琴もその通りだと答えた。
「お父さんは」
「けれどね」
それでもというのだ。
「変えてないから。下手に頑張るとね」
「よくないの」
「そうよ。だからね」
「普段通りやればいいの」
「海斗さんがいない間もね」
「親が一人だと子供達が困るかなって思って」
娘は母と一緒に紅茶を飲みつつ自分の考えを話した。
「やってるけれど」
「そうしなくていいのよ」
「そうかしら」
「ええ、いつも通りした方がいいわ」
こう娘に注意した、だが美琴はそれでもと思っていつもより倍は頑張った、まさに夫の分までと意気込んでだ。
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