ウルトラマンメビウス　ウルトラ兄弟最大の戦い

「隊長は何処に」
　メビウスがそれをいぶかしがる。
「どうして来られないんですか？」
「あれっ」
　ジャックこと郷秀樹がそれを聞いて目を丸くさせる。
「君はまさか」
「はい？」
「おい」
　だがそこでウルトラマンことハヤタが右の肘で彼を突いてきた。
「それはな」
「あっ、そうですか」
「何なんですかね」
「さあな」
　ヒカリことセリザワも首を傾げる。彼等は事情を知らないのだ。
「まあそれはいい」
　セブンことモロボシ＝ダンが話を切ってきた。
「それでだ」
「はい」
「今度の戦いのことだ」
　エースこと北斗星司が言うのであった。
「わかっているな」
「今度の戦いはこれまでにないものになる」
　レオことおおとりゲンの言葉が険しい。
「覚悟はいいな」
「勿論です」
　ミライは迷うところがなかった。
「僕はそのつもりでここに来ました」
「俺もです」
　セリザワもそれは同じであった。彼等もウルトラ戦士だからだ。
「そうか」
　その言葉を聞いて８０こと矢的猛がその言葉を聞いて微笑んできた。
「それならいい」
「その言葉を聞いて安心した」
　アストラもそれは同じであった。
「ではメビウス、ヒカリ」
　南光太郎ことタロウは二人に対して微笑んでから言ってきた。
「君達もまたこの戦いに参加してくれ、いいな」
「わかりました。それで教官」
「どうした？」
「あの宇宙人達の力はやはり相当なものなのですね」
「彼等は力だけではない」
　光太郎の言葉は厳しいものであった。
「どれも奸智に長けている。力だけであそこまで恐れられる存在にはならない」
「そうですか、やはり」
「それはもう知っていたと思うが」
「ええ」
　その通りであった。ウルトラ戦士としては新人のメビウスでも彼等の名前は聞いている。いずれも宇宙にその悪名を轟かせている者達である。どの宇宙人達も宇宙のあちこちでウルトラ戦士達と激しい戦いを繰り広げている程である。
「それでだ」
　ハヤタが二人に対して声をかけてきた。
「僕達もまたそれぞれの相手に向かう。君達もまた」
「僕達の相手にですね」
「そうだ」
　ウルトラ戦士達はその言葉に頷いてきた。
「いいか。それでは」
　ハヤタが一同に対して言う。
「敵は頭脳派揃いだ。ならば」
「我々もまた」
　彼等は話し合いに入った。それは自分達と敵のことをそれぞれ頭の中に入れたうえでの話であった。そうして話を詰めて彼等は戦いへと挑むのであった。
　だがここで問題があった。四兄弟の問題である。
「だが我々は」
「何かあったんですか？」
　ミライがハヤタに問うた。
「我々はもう変身できないかも知れないのだ」
「えっ」
　ミライだけでなく他の兄弟達もそれを聞いて声をあげた。
「それは一体」
「どういうことなんですか！？」
「二十年前のことだ」
　ダンが彼等に言った。
「あの時のＵキラーザウルスとの戦いで我々はファイナルクロスシールドを使った」
「ファイナルクロスシールドですか」
「そうだ、それで光エネルギーを殆ど使ってしまい」
　郷も述べる。