ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百四十一話 楽園はなくてもその十
「もうね」
「いいっていうのね」
「幸せじゃないかな」
「そうなのね」
「僕そう思うよ」
こう言うのだった。
「本当にね」
「そうなのね」
「うん、少なくとも今僕達平和で」
古田は自分達のことも話した。
「お酒飲んで餃子食べてるね」
「美味しくね」
理虹は笑って返した。
「悩んだり苦しんだりもしなくて」
「それじゃあ幸せだね」
「ええ、幸せよ」
古田に笑顔のまま答えた。
「本当にね」
「そうだよね」
「だったらね」
それならというのだ。
「いいんじゃないかな」
「今で」
「そうじゃないかな、それでもっと言えば他の人から見て大変な状況でも」
そうした中にあろうともというのだ。
「自分が幸せって思ってたらね」
「それでなのね」
「いいんじゃかいかな」
こう言うのだった。
「それならね」
「自分が幸せって思えるなら」
「お金がなくても」
例え総出あってもというのだ。
「お家があってお仕事があって」
「食べもの飲みものがあったらいい」
「それで暮らせているから」
だからだというのだ。
「もうね」
「それで幸せだってその人が思うなら」
「幸せじゃないかな」
「そうなのね」
「漫画描くのが好きで」
古田はこうも言った。
「漫画家になってひたすら描く」
「それで物凄く忙しくても」
「漫画を描いて生きられて」
そうであってというのだ。
「描き続けられるならね」
「それで幸せなら」
「その人もね」
「幸せなのね」
「幸せって主観でその人がその場所を楽園と思えたら」
「そこは楽園ね」
「そうかな、何か考えがまとまらないけれど」
古田は酒を飲みつつ話した。
「僕今ね」
「そう考えるのね」
「楽園についてね」
「そうなのね」
「うん、ただ幸せとかも考えてこそわかるもので」
そうであってというのだ。
「楽しいとかも。そうしたものと一緒にね」
「考えていると」
「苦しみや悩み、憂いも」
「わかるわね」
「そうだよ、けれど」
「考えないと幸せとかもわからないわね」
「実感出来ないよ」
そうだというのだ。
ページ上へ戻る