星河の覇皇
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第八十七部第二章 膠着状態に入りその十七
「我々もです」
「成長すべきですね」
「より大きくなるべきですね」
「今以上に」
「そうあるべきですね」
「そうです、あの時欧州列強は成長が鈍化し」
恐慌、十九世紀終わりのそれがあったのだ。
「一次大戦で荒廃し」
「そのことも大きかったですね」
「日本はその間常に発展していました」
「日清日露の戦争にも勝ち」
「成長する一方でした」
「そして彼等に追いつき」
その欧州列強にだ。
「あそこまでになりました」
「そう思いますと」
「やはりですね」
「我々はまず成長し続け」
「間違っても内戦なぞ起こさない」
「それが大事ですね」
「衝突はあります」
これは連合の常だ、どうしてもその中で常に揉めてしまう。このことは建国以来絶えてなかったことである。
「各国間の利害が衝突し」
「そして中央政府とも」
「各国の中でもです」
「連合は様々な勢力が存在しています」
「その為衝突もあります」
「ですが」
それでもというのだ。
「幾重にも内戦が防ぐシステムが整えられています」
「そうですね、法的に」
「そして経済的にも出来ません」
「そうした国家ですし」
「内戦はまず起きません」
「ですがそれでもですね」
「意識して」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「左様ですね」
「起こさない様にしなければいけないですね」
「内乱、内戦が最も国を弱めます」
「そうなりますので」
「頭が複数ある蛇の頭が互いに争えば」
台湾軍の中尉の言葉だ。
「その時はです」
「はい、結局はその蛇が死にます」
「頭が一つ死ねばそこから腐りますし」
「残った頭も傷付いています」
「それでは死ぬのは当然です」
「それは自明の理です」
「それが内乱、内戦です」
中尉は述べた。
「事実これで多くの国が弱まっています」
「そして滅んでいますね」
「内輪で揉めることによって」
「そのことによって」
「歴史にある通りです、我々がいるサハラでは常でした」
内乱そして内戦はだ。
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