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犬も身体を動かすと痩せる

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第二章

「覚えてる?ふわりがうちに来てすぐの時」
「前の飼い主にずっとケージに入れられててな」
「挙句保健所に捨てられてね」
「それでうちに来たな」
「その時のふわりは身体随分たるんでいたのよ」
「そうだったか?」
 洋介はそのことには気付かず意外といった顔で述べた。
「ふわりも」
「そうよ、これがね」
「そうだったんだな」
「だってずっとケージの中に入れられてね」
「ご飯はやられてもな」
「遊んでもくれなくなって」
「散歩にも連れて行かなくなってな」 
 即ち飼育放棄を受けてというのだ。
「相当酷いことになってたな」
「運動なんて出来ないでしょ」
「そうだよな」
「だからね」
「太ってたんだな」
「脂肪が付いてたわ」
 そうだったというのだ。
「筋肉が落ちてね」
「ふわりも運動しないとそうなるか」
「そうよ、ふわりは自分から動くけれど」
 そうするがというのだ。
「動けないとね」
「太るか」
「筋肉も落ちるわ、誰でもね」
「運動しないとそうなるか」
「そのことは覚えておかないとね」
「そうだよな」 
 洋介は母の言葉に頷いて述べた。
「じゃあこれからも散歩に連れて行って」
「自由に遊べる様にしてね」
「ドッグレースやプールに連れて行くか」
「そうしてね」
「運動させるか」
「ふわりは運動大好きだしね」
「そうしていくか」
「是非ね」
 そうした話をしてだった。
 洋介はふわりがおもちゃを持ってケージの中に入っていくのを見た、ふわりはケージの中に入るとすぐに丸くなって眠り出した。その彼女を母と共に見つつ自然と笑顔になったのだった。


犬も身体を動かすと痩せる   完


                    2024・8・23 
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