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姉妹でお弁当が違う理由

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第二章

「私もお父さんもまさかと思ってお医者さんに診てもらったら」
「アレルギーって言われたの」
「海老アレルギーって」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「直美には海老を出さないのよ」
「だからなのね」 
 直美はここまで聞いて言った。
「海老を使うお料理も」
「あんたが食べる分はね」
「海老を入れないで」
「それでまずはあんたの分を作ってね」
 そうしてというのだ。
「その後でね」
「海老を入れてなのね」
「皆の分作ってるの」
「そうしてるのね」
「海老のエキスでもね」
 それでもというのだ。
「危ないのよ」
「アレルギーには」
「だからね」
「私にはそうしているのね」
「それであんたは海老アレルギーだけれど」
 母はさらに話した。
「アレルギーは色々あるの」
「海老だけじゃないの」
「鯖だったりすることもあるし」
 この魚の場合もというのだ。
「卵やお蕎麦にもよ」
「アレルギーがあるの」
「だから何かのアレルギーってわかったら」
 その時はというのだ。
「もうね」
「その食べものは食べたら駄目なのね」
「そうよ」
 絶対にとだ、母は保美に話した。
「何があってもね」
「最悪死ぬこともあるから」
「そうよ、だから直美にはね」
「海老は食べさせないのね」
「お弁当でも普段でもね」
「そうなのね」
「学校の給食でも先生にお話してるから」
 そうもしているというのだ。
「海老はアレルギーがあるからって」
「そうなのね」
「これからもそのことは気を付けて」
 そうしてというのだ。
「お母さんも作っていくからね」
「直美のご飯を」
「そして直美自身にもね」
 本人にもというのだ。
「気を付けてもらうわ」
「自分のことだから」
「そうしてもらうわ」
「そうなのね」
「いいわね、直美も」
 下の娘本人にも話した。
「海老には気を付けてね」
「うん、そうするわ」
 直美は素直に答えた、そしてどんな時も海老を食べないでいた。するとそれだけ危険がなく幸せに暮らせたのだった。


姉妹でお弁当が違う理由   完


                   2024・8・20 
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