ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百三十九話 姉の忠告その七
「賠償金も貰えるからな」
「暴力への復讐も出来るわね」
「そうだよ、一番馬鹿なことはな」
それが何かもだ、越智は話した。カップ焼きそばを食べつつそうした。
「我慢することだよ」
「この場合の我慢は駄目よね」
「暴力を受けてな」
「それを我慢することは」
「いるよな、暴力を受けてるって相談受けてな」
「我慢しろって言う人が」
「自分の若い頃はそうだったとかな」
そうしたことを言ってというのだ。
「それで同じとか言ってな」
「暴力受けても我慢しろ」
「それが虐待でもな」
「それが一番馬鹿ってことね」
「どうせそんなこと言う奴はな」
越智は全否定の声で言い切った。
「暴力を受けている人が大怪我したり深刻なトラウマ持ってもな」
「暴力で」
「そうなってもな」
それでもというのだ。
「背金取らないからな」
「受けた人が悪い、よね」
「受ける理由だってな」
暴力をだ、いかなる理由があっても暴力は許されないという『人間社会の絶対の常識』を理解しない輩もいるのだ。
「そう言うんだ」
「無茶苦茶な論理よね」
「そうだな、それでそんなこと言う奴はどうなっても責任はな」
「自分が我慢しろって言って我慢して何があっても」
「それでもな」
そうなってもというのだ。
「責任取らないんだよ」
「最低ね」
「ああ、最低だよ」
越智はその通りだと答えた。
「暴力を受ける理由も被害者の人が生意気とか態度がでかいとかな」
「それで暴力受けたらヤクザ屋さんよね」
「そうだな」
「一般社会から消えたらってなるわね」
そしてアウトローの世界に行けというのだ。
「本当にね」
「俺もそう思う、暴力はあってはならないんだよ」
「何があってもね」
「つまり気に入らない、そんな理由でな」
それでというのだ。
「暴力振るうなんてな」
「振るう方がおかしいわよ」
「そうだよ、若しな」
越智は苦い顔で言った。
「暴力受けてるって相談されてな」
「被害者の人が生意気とか態度が大きいから殴られるから」
「我慢しろって言うならな」
「もうその人に相談しない方がいいわね」
「完全に暴力肯定しているからな」
「問題外よね」
「そうした奴は絶対に自分の頃はとか言うんだよ」
実に忌々し気に言った。
「そうして育ったとかってな」
「その頃が間違ってたのよね」
「そうだよ、それで今がな」
「正しいわね」
「どんな理由でも暴力は駄目なんだよ」
このことを絶対と言うのだった。
「気に入らないから殴るなんてな」
「それじゃあヤクザ屋さんよね」
「誰がヤクザ屋さん許すんだよ」
「もうそれよね」
「それで暴力から逃げることはな」
「悪いことじゃないわね」
「若し逃げて他の人もそうしてな」
そうした状況になりというのだ。
ページ上へ戻る