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現実世界は理不尽に満ちている!

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第10話前半「銀河地図、ゲットだぜ」

 
前書き
ネオ・代表05-1です。第10話「銀河地図、ゲットだぜ」になります。パートを2つに分けてお送りしますが、「銀河地図、ゲットだぜ」が前半パートになります。どうぞ、ご覧ください。*はナレーション風です。 

 
 肩掛けマントをはためかせながら白い軍服を着用している黒髪赤眼の美しい女性は、私室へと続く廊下を歩いていく。

 黒髪赤眼の美しい女性は、肩と腕、胴体の一部を赤く塗装した【OOMセキュリティバトルドロイド】2体を引き連れている。
 
 そんな中、巡回中のB1バトルドロイドと遭遇する黒髪赤眼の女性。

 「オ疲レ様デス、ギルド長閣下」

 巡回中のB1バトルドロイドに敬礼される黒髪赤眼の女性。
 
 「うむ、ご苦労」

 黒髪赤眼の女性の正体は、ギルド長。
 なんやかんやあって、現実世界に転移した人物だ。

 ギルド長は歩くスピードを緩めず、道を譲ってくれた巡回中のB1バトルドロイドを一瞥し、その場を後にした。

 少しして、私室の前に辿り着いたギルド長。

 私室の前には、【BXコマンドーバトルドロイド】がドアの左脇で直立不動している。
 ブラスターライフルを所持しながら、だ。

 ブラスターライフル。
 正式名称は、【E-5ブラスターライフル】。

 バトルドロイドに標準装備されている、実弾を一切使用しないE-5ブラスターライフル。
 威力向上を可能とする機能が備えられている黒一色の軽火器であり、ドロイドに適したグリップに連続発射トリガーが組み込まれている。

 E-5ブラスターライフルのマガジンは後部に位置し、正面から見て右側の側面にE-5ブラスターライフルのマガジンが取り付けられている他、銃身の上部には余剰エネルギーの誘導管がある。

 そんなE-5ブラスターライフルの重さは2.2kgと、弾数が三桁あるというのにこの軽量さ。
 
 強力で軽量、それがE-5ブラスターライフルである。

 「部屋に入りたい、開けてくれ」

 「ラジャー、ラジャー」

 衛兵であるBXコマンドーバトルドロイドは頷き、ドアのロックを解除した。

 解除されたドアはスライドするように、開かれた。
 
 入室するギルド長。
 彼女に続く、OOMセキュリティバトルドロイド2体。

 ギルド長の瞳に映っているのは、3つのドアだ。
 中央の左右に一つずつのドアがあり、残り一つのドアは彼女から見て突き当りにあった。

 ギルド長が入室した場所は、私室に続く小さな玄関のような所だ。
 小さいとはいえ、それなりの広さを誇っている。
 人間換算の横三列、5mほど先がある廊下。
 
 数秒もしない内に突き当りのドアに到着した彼女は、人差し指で脇にある開くボタンを押す。

 開くボタンを押した直後、ドアは開かれた。

 「お前達は此処で警備、よろしく頼むぞ」

 「「ラジャー、ラジャー」」
 
 ギルド長は部屋に入室した。
 入室したと同時に、ドアは自動で閉じられる。
 入室し少し足を止めたが、直ぐに前へと進んでいく。

 内装は、だ。
 
 部屋は八畳ほどの広さを持ち、床・壁・天井の全ては薄い灰色で出来ている。 
 U時状のデスクがあり、デスク中央に埋まるようにあるドーム状の”何か”がある。

 デスク中央に埋まるようにあるドーム状の”何か”は、そう大きくはない。
 サッカーボールほどの大きさだ。

 デスクの向かい側にあるのは、漆黒の背もたれ付き椅子があった。
 デスクの向かい側に行き、ギルド長は椅子に座った。

 「…よし」
 
 彼女は眼前にあるドーム状の”何か”を起動させる。
 ドーム状の”何か”を起動させ、操作していくギルド長。
 やがて、彼女の前に銀河の地図が映し出された。

 そう、ドーム状の”何か”の正体は、プロジェクターだったのだ。

 「……」

 無言のまま、ゲ◯ドウポーズをするギルド長。

 「…ふふ」

 銀河地図を注視しつつ、口元を緩めるギルド長。
 時間が経つごとに、クールな表情も華が咲くような笑みへと変わった。

 「遂に、遂にっ、…銀河地図を手に入れた!」

 やったー!と、気分が高揚するギルド長。

 彼女は、堪らなく嬉しかった。
 念願の銀河地図を手に入れたのだ。

 記録されている地図はWOSの物である関係で、現実世界では糞の役にも経たない。
 だが、だがしかし!
 クロインの軍事拠点を解析した結果、二度目になるが念願の銀河地図を獲得した!

 「最高だー!」

 ゲ◯ドウポーズのまま喜ぶギルド長。
 
 「銀河地図を手に入れた。…フフっ、これで、これで地球を探せる!」

 地球を探す。
 その想いは、今も変わらない。

 とはいえ、だ。

 いくら銀河地図を手に入れたからといって、この銀河系が天の川銀河であるとは限らない。
 この銀河系が天の川銀河と同等の広さを持っていても、天の川銀河とは分からないのだ。

 「そもそもこの銀河系の名前、天の川ではない」

 いや正確にいうならば天の川銀河とは分からないではなく、この銀河系は天の川銀河ではなかったのだ。

 「天の川銀河であればな」

 もしも、この銀河系が天の川銀河であるならば、地図が機能していれば行くことは容易。
 道中、宇宙人と遭遇し交戦状態となったとしても、問題なく対応可能。

 しかし、それは天体兵器含む大戦力が存在しているからこそである。
 ほぼ全ての戦力がサービス終了時間と共に消え去り、転移した私は宇宙人座乗の戦闘艦を発見し、クロインと交戦した。

 「本当、WOS様々だな。なかったら死んでいた」
 
 銀河地図から目を離し、彼女は引き出しから写真を取り出した。
 その写真には、青い地球の姿があった。

 「はぁ〜」

 故郷を注視しながら溜め息を吐くギルド長。
 地球が恋しい。地球が侵略でもされたらどうしよう。

 「とりあえず、一種の望みだ。この銀河系が天の川銀河であると祈る他ない」

 この銀河が天の川銀河である保証なんぞ、無いようなものだ。
 だが、それがどうした?

 隅々まで徹底的に、探し出せばいい。
 愛する地球を見つけ出す為に。

 その為には、戦力が必要不可欠であるのは考えるまでもない。

 ギルド長は写真をデスクに置き、勢力図・戦力情報・造船情報・etc…をホロマップの隣に置いてあるタブレット端末を手に取り、閲覧する。

 「サニー星系を含む二つだけの勢力から、おさらばしたギルドか。やったぜベイビー。…なんだよ、やったぜベイビーって……はぁ」

 ギルド長勢力となった所には、証として緑の色が表示されている。
 銀河の一角を手中に収めるのも時間の問題だろう、素晴らしい。

 逆に緑の色が表示されていない証として、赤の色が表示されており、その内にはクロインの領域も含まれている。
 どうやらクロインは、頂点に君臨しているようだ。
 多数の文明を従え、それらの勢力は共通してクロインの戦闘艦を保有しているよう。

 本当、なんで翻訳・解析出来ているのか、いつも不思議でしょうがない。
 私としてはありがたいが。
 
 保有する艦艇数が千の桁を突破し、一万の桁となった。

 各惑星軌道上にある造船所や造船ドックにて、スピードを一切緩めることなく、造船が続けられている。
 勢力図となり次第、造船所や造船ドックが建設され、建設された後は造船が開始される。

 巡洋艦が就役し、巡洋戦艦や航空母艦、支援艦までも生産体制に入っている。

 私、嬉しいわ。やっと巡洋艦以上の艦艇をゲットしたんだもの!
 …女性らしい口調って、随分と久しぶりだな、私はリアルでも女性だが。

 閑話休題(*それはさておき)
 
 更に、だ。

 クロインが使用していた戦闘艦。
 解析の最中ではあるが、解析が完了すれば、技術的にも軍事的にも大きな発展がもたらされることだろう。

 光学兵装に防御兵装シールド。
 既存の艦艇を改装し装備すれば、今まで以上に活躍すること間違いなし。

 「恒星バースト対策された、【TE】シリーズの旧式を改装するのもありだな。【TE】シリーズの旧式、見た目が好きなんだよなぁ、旧帝国主力って感じがする」
 
 旧式であれど、性能が性能で人気であり、初心者から上級者まで使用していたほどだ。
 TEシリーズは、恒星バーストが活発な領域でも問題なく航行可能な装甲がある。
 そんな旧式にも同じく改装し装備すれば…。

 「宇宙人共との艦隊戦で活躍するのが目に浮かぶ」

 ギルド長は、口を緩めに緩めた。
 あ、そういえば。
 
 「宇宙人といえば、捕らえたんだったな」

 遭遇している宇宙人は、ただ一つの勢力。
 クロインだ。
 クロイン人とも、呼称される。

 その宇宙人を、バトルドロイドによって捕らえた。

 「数はどれくらいだったか」

 う〜ん、と思い出しながら数え始めるギルド長。

 ちなみに彼女はゲ◯ドウポーズを解いていない。
 何故、解いていないのか?
 単純に好きだからだ。ただ、それだけ。

 閑話休題(*それはさておき)

 「あ〜、確か100体だったか?いや、絶対に100体ではないな。とにかく、片手で数える程度であったのは間違いない」

 どれくらい捕らえていたかは、今となっては忘れてしまったギルド長。
 ただ、忘れていないことが一つだけあった。

 宇宙人を捕らえ、調べる。

 宇宙人オタクと自負するギルド長にとって、宇宙人を捕らえ調べるというのは夢なのだ。
 だがその夢が、叶った。

 「確か、映像付きの記録が残っていた筈だったな」

 ギルド長はゲ◯ドウポーズを解き、タブレット端末を電源オフした直後、今も投影されている銀河地図を消した。
 
 記録を閲覧する為、銀河地図を展開していたプロジェクターを操作した。
 やがて、その記録が小さなモニタ立体映像として、眼前に展開される。

 『クロイン人。ーーー』

 記録が再生される。

 ………
 ……
 …

 『以上』

 最後まで再生された瞬間、立体映像は黒くなる。

 「寝るか」

 ギルド長は立体映像を消し、プロジェクターの電源をオフした。

 席から立ち上がり、寝室へと移動する。
 移動する時間は、そうかからなかった。
 
 何故ならば寝室は、先程まで居た部屋と隣接していたからだ。
 彼女は軍服からパジャマに着替えるや、一直線にベッドへ向かう。

 「ふぁ〜、眠い」

 目を閉じ、何回か擦るギルド長。
 頭を枕に預け、ふかふかのベッドに身を沈め、部屋を照らす元気を消し、布団を肩まで被せた。

 「おやすみ」

 そう言って、彼女は夢の世界へと旅立った。
 
 「……zzz」

 夢の世界へと旅立つ時間、約5秒。

 「月、……zzz、初めて、私が……zzz、足を、踏む……zzz」
 
 彼女が見ている夢の世界は、人類が初めて有人で月に着陸し、代表として自分が足を踏む夢であった。 
 

 
後書き
現状公開可能な情報:【BXコマンドーバトルドロイド】
全高:1.91m
目の発光色:白
武装
・E-5ブラスターライフル
・バイブロブレード
・スタン・バトン

概要
 コマンドーバトルドロイドはB1バトル・ドロイドとよく似た外見をしているが、顕著な違いは2つの白い光受像装置と、オリジナルの半分ほどに縮められた長い頭部の他、ボディ色が薄い茶色を基調としている。
 音声もB1シリーズでは高い音声に対し、コマンドーは低い音声だ。

 コマンドードロイドの部隊長には、額と胸部プレートに白いマーキングが施されていた。

 コマンドーバトルドロイドはB1バトルドロイトと比べ、ブラスターによる多数の被弾にも耐えられる強力な装甲を与えられていた。しかし、断続的な集中攻撃には弱い。

 装備はE-5ブラスター・ライフル、敵を気絶させるためのスタン・バトン、ドアや進路上の他の障害物を切断する際に使用するフュージョン・カッターなどである。これらに加え、部隊長以下のコマンドーバトルドロイドは接近戦用のヴァイブロソードを携帯していることが多い。

 動きや反応速度はB1よりも遥かに向上している。

 ーーー

 さてさていかがだったでしょうか。至らないところもあるかと思いますが、温かい目で観ていただけると嬉しいです。ご意見、ご感想お待ちしております。次回もお楽しみに!  
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