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博士の挑戦状

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第百六十九話

               第百六十九話  小田切君の下着
 小田切君はこの時研究所の庭で洗濯ものを干していた、するとその様子を見ていたライゾウとタロが言ってきた。
「小田切君も博士も下着トランクスだな」
「そっちだね」
「最近ボクサー多いのにな」
「二人共トランクスだね」
「楽なんだよ」
 小田切君は二匹の顔を向けて話した。
「トランクスだと」
「ああ、ゆったりしてか」
「それでだね」
「うん、ボクサーもいいけれど」
 それでもというのだ。
「いつもぴっしりとしていると」
「どうもか」
「抵抗あるんだ」
「それじゃあブリーフも駄目か」
「あの下着減ってるけれど」
「ブリーフはないよ」
 二匹にそれは絶対にと返した。
「僕も博士もね」
「その下着は駄目か」
「ブリーフは」
「博士は出た頃から好きじゃなくて」
 ブリーフがこの世に出た頃からというのだ。
「今もね」
「トランクスか」
「そっちの下着なんだ」
「博士は何となく嫌いだったらしいんだ」
「ブリーフは最初からか」
「そうなんだ」
「特に白がね」
 この色のブリーフがというのだ。
「嫌らしいよ、それで僕もね」
「ブリーフは趣味じゃなくてか」
「トランクスなんだね」
「ボクサーでなくてね」
 この下着でもなくというのだ。
「トランクスだよ」
「そうか、しかし博士ってな」
「昔は褌だったんだよね」
「そんなこと言ってたな」
「昔はね」
「うん、それが戦争が終わってから」
 第二次世界大戦がというのだ。
「ふといいかなって思って」
「それで試しに穿いてか」
「気に入ったんだ」
「それで今もね」
 二十一世紀になってもというのだ。
「トランクスなんだよ」
「下着にも歴史ありだな」
「そうだね」 
 二匹は小田切君の話を聞いて頷いた、そのうえで彼が下着も干していく様子を見守っていくのだった。


第百六十九話   完


                    2024・5・26 
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