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白澤

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第五章

「色々知っていて妖怪にもね」
「詳しいんですか」
「むしろ特に妖怪のことにね」
 こう葵に話した。
「一番詳しいよ」
「そうなんですか」
「人に悪いことしないし」
 こうもだ、白澤は話した。
「安心してね」
「むしろ人を助けてくれるぞ」 
 秀吉も言ってきた。
「白澤はな」
「いい妖怪ですね」
「そうなんですね」
「悪い妖怪がどれかも教えてくれるな」
 そうもしてくれるというのだ。
「しかも見れば吉兆があるというな」
「運もよくなる」
「そうした妖怪さんですか」
「この社は元々開運の社でな」 
 秀吉は二人にこのことも話した。
「参ると運が上がるが」
「白澤さんにもお会い出来て」
「尚更ですね」
「しかも開運の社の神のわしにも会ったのじゃ」
 秀吉はさらに話した。
「だから尚更な」
「運がよくなりますか」
「そうなりますか」
「これは一生な」   
 それこそというのだ。
「運が続くぞ」
「そこまでなんですね」
「私達の運は」
「そうじゃ、だからな」
 それでというのだ。
「楽しみにしておるのじゃ」
「受験どころじゃないですか」
 葵は自分達のことから尋ねた。
「もう」
「うむ、それはな」
「合格しますか」
「後は勉学が出来ればな」
 それならというのだ。
「もうな」
「大丈夫ですか」
「うむ」
 その通りだというのだ。
「そうじゃ」
「それはよかったです」
「うむ、しかしな」
 こうもだ。秀吉は言った。
「健康にはな」
「気を付けることですか」
「勉学が出来て運が備わってもな」
「体調が悪いとですね」
「やはり駄目じゃ」
 そうだというのだ。
「それはな」
「やっぱりそうですね」 
 幸恵もまさにと頷いた。
「私この前風邪ひいて学校行ったら」
「よくなかったであろう」
「何かと大変でした」
「運に勉学にな」
 それにというのだ。
「健康も備わってな」
「三つ全てがですね」
「受験も合格する、そして他のこともな」
「成功しますね」
「そうじゃ」
 まさにというのだ。
「そうなるものじゃ」
「そうそう、太閤さんも人だった頃はね」
 白澤も言ってきた。
「晩年何かとね」
「弱って耄碌してのう」
「困っていたね」
「そうであったわ」 
 秀吉自身も認めることだった。 
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