サンダーボーイズ
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第三章
「皆気付いていなくても」
「私達なら気付く」
「そうしたことよ」
「あの子達が実は妖怪だって」
「アメリカにルーツがあるね」
「普通はわからないけれど」
「私達ならよ」
縁あって知識を備えた自分達ならというのだ。
「もうね」
「わかることね」
「そうよ、CGとか言っても」
そう言っていてもというのだ。
「けれどね」
「それでもね」
「わかるわ」
はっきりと、というのだ。
「あの娘達が何者か」
「よくね」
こう話した、そしてだった。
ロケットボーイズも面々もライブが終わってからだ、楽屋に引っ込んでからこんなことを話していた。
「俺達に気付いてる人達いた?」
「女の人二人ね」
「俺達が妖怪だって」
「サンダーボーイズだってね」
「稲光りが実は演出じゃないって」
このことを話すのだった。
「俺達が出しているって」
「実際そうだけれどね」
「八条学園にいる従兄弟達と同じで」
「そうだけれどね」
「俺達に気付くなんて只者じゃないね」
実に明るく話していた。
「あの人達」
「うん、けれど気付かれても何でもないよ」
「稲光り出しても身体の構造は人間そのものだし」
「戸籍もあるし」
「人間と何処も変わらないからね」
何故妖怪と見抜かれても大丈夫かということも話した。
「だからね」
「それでもいいよね」
「身体の構造が人間で人間と同じ生活してるならね」
「人間って言い切れるし」
「それじゃあね」
こう話した、そして言うのだった。
「気付かれても問題なし」
「科学的に人間って言えたらね」
「まあ気付くなんて凄いってことで」
「多少人間じゃないって噂出た方が注目されるし」
「別にいいよ」
明るく話して楽屋を後にしてだった。
五人でスタッフから聞いたお好み焼き屋に入って舌鼓を打った、そうして次のライブのことも話すのだった。
ライブが終わって暫くしてだ、怜奈は麻衣にパートの仕事の休み時間に話した。
「サンダーボーイズのライブよかったわね」
「歌も演奏もね」
「あの稲光りもね」
「演出になってるね」
「だからね」
それでというのだ。
「今度のライブもね」
「観に行こうかっていうの」
「どうかしら」
「いいわね」
笑顔でだ、麻衣は怜奈に応えた。
「ライブ確かによかったしね」
「ステージのね」
「だったらね」
それならというのだ。
「是非ね」
「行ってね」
「そして楽しむことね」
「そうしましょう、あとあの子達が妖怪って言っても」
「誰も信じないわね」
「妖怪の存在自体信じない人いるし」
世の中にはそうした人も多いのだ。
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