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星河の覇皇

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第八十七部第一章 シャイターンの復活その十七

「我が軍でもな」
「二倍以上でもですか」
「それだけ戦力差があってもですか」
「敗れますか」
「互角の戦力で相手が出来るのは私だけだ」
 こう周りの将帥達に話した。
「まさにな」
「だからですか」
「それで、ですか」
「若しシャイターン主席が来たなら」
「その時はですか」
「退き」
「閣下がですか」
「シャイターン主席の前に出てだ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「戦われますか」
「シャイターン主席と」
「そうされますか」
「私以外に空いては出来ないからな」
 それ故にというのだ。
「そうする、そして諸君等はな」
「他の敵と戦う」
「そうせよというのですか」
「これからは」
「そうするのだ、そして隙があれば」
 ティムール軍にというのだ。
「そこを衝いてだ」
「攻撃を仕掛け」
「そのうえで敵を叩き」
「そうしてですか」
「先に進むのだ、確かにシャイターン主席は強いが」 
 このことは事実だが、というのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「今我が軍は有利に立っていて」
「そして勝利も見えてきている」
「だからですね」
「ここで手を緩めないことだ」
 進撃そして攻撃のそれをというのだ。
「そして何より油断もだ」
「しないことですね」
「戦局が有利に傾いていても」
「それでも」
「戦場は常に変わる」
 それもめまぐるしくだ、このことは霍去病が言っている通りである。この若き名将は戦場はそうしたものなので兵法書を読んでも無駄だと言っていた。
「それでだ」
「油断するとですね」
「その有利さも失ってしまう」
「すぐにそうなってしまいますね」
「その時に」
「それが戦争だ、私はこれまで多くの戦いを経てきたが」
 それも自ら軍を率いてだ。
「その中でだ」
「油断も見てこられましたね」
「相手の方が有利な戦いが多く」
「その中で」
「有利な状況にある敵軍はだ」
 その彼等はというと。
「その有利さ故にだ」
「油断していた」
「そうでしたね」
「そしてそこをですね」
「閣下を衝かれてきましたね」
「勝のは自分達だと思ってだ」 
 その有利さ故にだ。 
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