| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十七話 実家に着いてその十四

「お酒飲んだし」
「では僕は近くのホテルに入ります」
 幸雄はこう言った。
「そうします」
「そうされるんですか」
「はい、佐京君は夜空さんの許嫁で」
 四空に彼のことから話した。
「身内と言っていいですね」
「正式に結婚していなくても」
「白華さんは佐京君の妹さんですから」
「やっぱり身内と同じですね」
「はい、ですが」
 自分はというのだ。
「違うので」
「身内でないからですか」
「難波辺りに電車で出て」
 そうしてというのだ。
「そこでカプセルホテルにでも入ります」
「そうされますか」
「そうしますので」
 だからだというのだ。
「今日はです」
「一泊することですか」
「皆さんは」
「それで明日ですか」
「幸い今日も明日も休日ですので」
 それでというのだ。
「明日予定もないので」
「丁度いいですね」
「ですから」 
「今日は一泊ですね」
「そうして」
 そのうえでというのだ。
「ゆっくりされて下さい」
「そうですか」
「そうしてくれ、その準備もしてたんだ」 
 秀樹も言ってきた。
「皆が泊まるな」
「そうだったの」
「お布団用意したしな」
 それにとだ、夜空に話した。
「二人の部屋もそのままだしな」
「ベッドあるの」
「それ位はあるからな」
「私達はベッドね」
「二人の部屋でな」
 実家のというのだ。
「そこに入ってくれ、それで佐京君と白華さんはな」
「お布団ですか」
「リビングに用意してある、佐京君はそちらで休んでくれ」
「わかりました」
「それで白華さんは真昼か夜空の部屋でいいか」
「はい」 
 白華はすぐに答えた。
「私は何処でもです」
「いいのかい」
「お部屋は」
「じゃあどちらかの部屋でな」
「寝させてもらいます」
「そういうことでな、じゃあ飲んで食べ終わったらデザートだ」
「ゼリー買って来たから」
 母が言ってきた。
「それを食べましょう」
「ゼリーなのえ」
「ええ、果物のね」 
 夜空に微笑んで答えた。
「人数分買ってるから」
「じゃあお寿司とか食べ終わったら」
「最後はね」
 ゼリーだとだ、こう言ってだった。
 寿司も他のものも全部食べ終わってからそのゼリーが出された、そしてそれを食べてからはじまるのだった。


第二十七話   完


                   2024・5・23 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧