背中を押されて

　　　　　　　　　　　　　　　背中を押されて
　告白するかしまいか。
　神崎輝は悩んでいた、面長で穏やかな顔立ちと黒いショートヘアの青年だ。背は一七二位で痩せている。
「本当にどうしようか」
「まだ悩んでるのか」
「告白するかすべきでないか」
「そうなんだ」
　親友の松本雄大、面長で優しい顔立ちに癖のある黒髪で背の高い彼と宮部真紀黒いショートヘアで穏やかな黒目と分厚い感じの赤い唇に一五八位の均整の取れたスタイルの彼女に言った、三人共制服姿で白い夏の半袖ブラウスと黒いスラックスで真紀は黒のミニスカートだ。
「ずっとね」
「坂本星羅ちゃんな」
「あの娘にね」
「好きだよ」　
　神崎は本気で言った。
「けれど若しもって思ったら」
「断られたらか」
「どうしようかって思ってなのね」
「辛いんだよ」
　これがというのだ。
「本当に。それで」
「告白する勇気がない」
「そうなのね」
「うん、、どうしようか」
　二人に学校の校舎裏で話していた、本当に悩んでいる顔だ。
「一体」
「それならな」
　どうかとだ、まずは松本が言った。
「賽子かコイン投げろ、偶数か表なら告白とかな」
「そうしてか」
「迷った時はな」
「こういうのはずっと迷わない」　
　真紀も言ってきた。
「雄大ちゃんの言う通りにね」
「賽子かコインでか」
「決めるの、そして決めたらね」
　それならというのだった。
「迷わずにね」
「やることなんだ」
「そうよ、いいわね」
「じゃあ早速どっちか出せよ」
　松本はまた神崎に言った。
「賽子でもコインでもな」
「賽子持ってないから」
　神崎はこう言って自分の財布から十円玉を出して言った。
「アラビア数字の方が出たら告白するで」
「ああ、そうしろ」
「今すぐにね」
「それじゃあ」
　二人に言われてコイントスをした、そしてだった。
　十円玉は漢数字の方が出た、だがそれでも神崎はどうしようかと迷っている感じだった。その彼に二人は即座に言った。
「行け、いいな」
「今すぐにね」
「迷わずにって言ったわね」
「それじゃあな」
「行きなさい」
「思い切ってな」
「そ、それじゃあ」　
　二人の強い言葉に気圧され頷いてだった。