善悪逆転劇
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第一章
善悪逆転劇
昔のアニメ、海のトリトンを観てだった。
大学生でアニメ研究会に所属している新内勝負は言った、細く眼鏡をかけた一七〇位の背の茄の様な顔の形と髪形の青年だ。
「いや、まさかああなるなんてね」
「思わなかったね」
「うん」
同じアニメ研究会所属の友人桶谷菊太郎に答えた、桶谷は太っていて色黒で丸い顔をしている。顔立ちや髪型はジャガイモを思わせる。
「本当にね」
「原作とは違うしね」
「別物だね」
新内はすぐに答えた、部室の中で向かい合って座って話をしている。
「原作ともね」
「原作じゃ主人公最期死ぬしね」
「そうなってね」
「原作もね」
桶谷はさらに言った。
「名作だけれどね」
「色々考えさせられるね」
「流石手塚治虫だってね」
「深い作品だね」
「しかしね」
桶谷は言葉を真面目なものにさせて話した。
「アニメもね」
「名作だね」
「キャラは同じでも」
原作と、というのだ。
「展開が全く違う」
「そうした作品でね」
「特に結末がね」
「凄いね」
「どんでん返しもね」
この展開もというのだ。
「あそこまでいくと」
「記憶に残って」
「一生忘れられないよ」
「そう、僕も」
桶谷は新内に真顔で話した。
「最終回まで観てね」
「驚いたね」
「まさかのまさか」
「どんでん返しでね」
「善悪が入れ替わる」
「あれはないよ」
「そう、当時誰もね」
それこそというのだ。
「予想していなかった」
「結末だね」
「主人公側が実は悪、加害者でね」
「敵側が善、被害者だった」
「加害者を悪、被害者を善とするなら」
この観点によればというのだ。
「まさにだよ」
「主人公達把握だったね」
「主人公は生き残るけれど」
「原作と違って」
「しかしね」
それでもというのだ。
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